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#4. はんぶんこ
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自販機で買ったジュースを飲んだとき、何となく量が多い気がした。でもまあそんときはこんなもんだったかって思い直した。
好きなアーティストの新曲が発表されて、テンションぶち上がって曲を聴いた。でも、なんか前ほど感動しなかった。今回の曲が刺さんなかったのか、と思った。
全部の違和感に理由をつけて、そんなもんだったって思うことにした。本当はなんでなのか薄々気づいてた。それでも、目を逸らしていたかった。
自分の感覚を共有することがなにより幸せだと思ってた。同じものを見て、聞いて、味わって。感想を言い合って、たまにケンカして。
ケンカした時、初めは全部一人でできることが嬉しかった。肉まんはまるまま食べれるし、イヤホンも両耳で聞ける。自由だし、楽だ。
でも、だんだん物足りなくなってきて、耐えられなくなってきて、ごめんっていうんだ。そういう時いつも謝るのは俺が先で。だから多分今もお前は、1人で平気なんだろうな。お前がいなくなったせいで大好きだったジュースは美味くないし、大好きだったバンドの曲もいまいち刺さらない。お前が俺の好きを奪っていったんだ。
いや、違う。違うよな。俺がいちばんおっきい「好き」を取りこぼしたから、一緒に全部落としちまったんだ。
「ごめん。ごめんなさい・・・俺が悪かったから・・・お願いだから戻ってきて」
届かない謝罪は虚しく響く。いつもみたいに「しょうがないな」って笑ってくれよ。
好きなアーティストの新曲が発表されて、テンションぶち上がって曲を聴いた。でも、なんか前ほど感動しなかった。今回の曲が刺さんなかったのか、と思った。
全部の違和感に理由をつけて、そんなもんだったって思うことにした。本当はなんでなのか薄々気づいてた。それでも、目を逸らしていたかった。
自分の感覚を共有することがなにより幸せだと思ってた。同じものを見て、聞いて、味わって。感想を言い合って、たまにケンカして。
ケンカした時、初めは全部一人でできることが嬉しかった。肉まんはまるまま食べれるし、イヤホンも両耳で聞ける。自由だし、楽だ。
でも、だんだん物足りなくなってきて、耐えられなくなってきて、ごめんっていうんだ。そういう時いつも謝るのは俺が先で。だから多分今もお前は、1人で平気なんだろうな。お前がいなくなったせいで大好きだったジュースは美味くないし、大好きだったバンドの曲もいまいち刺さらない。お前が俺の好きを奪っていったんだ。
いや、違う。違うよな。俺がいちばんおっきい「好き」を取りこぼしたから、一緒に全部落としちまったんだ。
「ごめん。ごめんなさい・・・俺が悪かったから・・・お願いだから戻ってきて」
届かない謝罪は虚しく響く。いつもみたいに「しょうがないな」って笑ってくれよ。
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