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ナギが指を天から地へ下ろすと、中空にリーンゼィルとアンジェが現れました。
「?!アンジェ」
「アンジェ?」
「‥‥っ!なんだこれは!」
「!?」
「リーンゼィルさん!」
『リーンゼィル様危ない!!』
ジーンはあっという間に移動すると、リーンゼィルだけを拐って抱えて見事な着地しました。
「アンジェ!!」
まだ中空を舞うアンジェをシンは慌てて受け止めようとしますが、そんな彼の顔面には
アンジェの足が直撃し、そのまま彼女はクルリと後ろに宙返りすると見事な着地をしました。
「アンジェ!すごい!!」
ユナは綺麗な着地にパチパチと拍手します。
「おい!そろそろ離せジーン!もう子供じゃないんだ。この程度の高さ問題ない」
『いいえ!!リーンゼィル様は大切なお方。
この程度の高さ大丈夫かもしれませんが、この領地に住まう精霊は貴方様が必要なのです。もし‥‥あなたが害されてしまったら‥‥』
「あぁ、わかった、わかったから!おろしてくれ!」
『やはりわかっておられません!全く後で僕が怒られるんですから!』
ジーンのおかげかリーンゼィルは、重力を感じさせない着地で足をつけます。
「いてて」
「シン、ごめん大丈夫?ってキャーーーーー」
シン達の予想通り、アンジェの叫び声がひびきわたりました。
「どうした!」
「あそこに、お面を被った変質者が」
「変質者が、??」
──シン、さっきの一撃を受けたのにすごい、とっても丈夫
でも、素っ裸だから、変態にしか見えない。ごめんよ!
「アンジェ!それは、シンだよ」
「え?いいえ、それよりユナ!裸で何してるの!?っていうか、この変態仮面なに!」
「ちょ!まて!まてよ!アンジェ!!!これには訳が!!」
そう言って、シンは両手を広げてしまい
「バカ!!お前!下を隠せ!!」
リーンゼィルが、叫ぶも時既におそく。
「イヤーーーー」
アンジェは叫び目を閉じながら足でシンの頭を挟むと捻りを加えて地面へとねじ伏せます。
「!!!!?」
「シン!!!!!????アンジェまって!!!」
「うわぁ、嫌な音したよ」
「い、生きてるかな?」
それから、シン動かなくなったシンを蹴りとばして温泉に落としてしまいました。
素晴らしい飛距離です。
「あら、まぁ、えっと彼女は本当に人間なのかな?何かと混血とかじゃないの??」
ナギが、首をひねります。
「う、ううん、お父さんもふつうの人間だったよ。ただ、村一番で強かったし、それに外の里にもいったことがあるって」
「へぇそうなんだ。」
「ユナ!あなたも早く隠しなさいよ」
「はっ、はい!」
慌ててユナは下を隠すような丸くなります。
リーンゼィルもシンを蹴り飛ばした時の水飛沫で上から下までべちゃべちゃになってしまいました。
「ほら、君も温泉に入りなよ」
ナギはいい笑顔でリーンゼィルに笑いかけますが、リーンゼィルはひきつった笑みを浮かべました。
「リーンゼィルさん‥‥‥‥男同士なんだし」
「この際、みんな巻き込まれるべきだ」
ユナとどうやって戻ったのかシンがゾンビのように、彼の足を掴みます。
「こら、お前ら止めろって!!」
シンとユナはリーンゼィルのズボンを無理やり剥ぎ取ろうとするので、腰よりも少し下がってしまいます。
「ーーーーっ」
アンジェは、その光景にあわてて目を閉じてナギの後ろに隠れました。
「なぁ、俺。なんのすんげぇ腑に落ちない。」
「うん、そうだよね」
「っていうか、こうやってみると本当に男なんだな」
「何を当たり前なことを」
「いや、女みたいに髪の毛長いからさ」
「こら、いくらなんでもリーンゼィル様への無礼は許しませんよ。」
そう言って、ジーンはシンを睨みました。
「悪かったよ。うちの村ではこんなに綺麗に髪を伸ばしてる男は居なかったからさ」
「へぇ、そうなのか?ここでは、基本的に髪を切る奴の方が少ない。ほら、こうやって使えるからな。」
すっと、一本だけリーンゼィルが、髪を切って手近にあった、木を掴み簡単にくくり腰のベルトに繋いでいた針を繋ぐと、簡素な釣竿ができました。
「え?けど、髪だろ?泉の魚をみたけど、あんだけでかいのは無理だろ?」
「ふふん、試してみるか?」
「え?でもさっきの魚は」
「そうさな。その様彼のだから、わかるだろうけど、ここの魚は布を好んで喰うだろ」
「うん、お陰でまだ、素っ裸だ。」
「まぁ、試しに釣ってやるよ」
リーンゼィルは、針にポシェットから出した古い布を取り付けると手慣れた調子で、取り付けると直ぐ様投げる。
それから、直ぐに魚がかかると容易く一本釣りあげてしまった。
「どうなってんの、その髪。一本だけだろ?なんで切らないんだ?」
「そうだぞ。他にも色々使えるが、まぁ、それは、おいおいな」
そう言って魚を返してやります
「そうそう、流石にそろそろ素っ裸もなんだよな。ジーン、俺の古着だしてやってくれ」
「え、ですが、面白、いや、かん‥‥いえ、わかりました」
「いま、面白いとか、観察とかいいかけたよな」
「いえいえ、それでは着替えお渡ししますね」
「取りにいくのか?」
「いいえ、リーンゼィル様がおられますので」
ジーンは自身の首の襟に手を突っ込むとズルズルと、自身の大きさより遥かに大きな衣服を取り出してきた。
「どうなっているんだ、それ?」
「ねぇ、ジーンの身体ってどうなってるの?」
「いえ、私はこのとおり、普通に身体はありますよ。
それに、別にそんな高度な事はできません。
」
「でも、今やったよ」
「それは、私がここの管理をしている為の特権です。ここ以外では私はこのような事はできません。
逆説的に、私以外はこの場所で同じような特権は使えない。はずなのですが」
ジーンは、チラッとナギをみます、
それに、ナギはなんでもないように、ほほえみました。
「ジーン。その話は後で。それで、ナギ様は俺をここに呼び出した理由は?別にわざわざここに呼び出さなくても話なら上の広間でも可能では?」
「え?あぁ、そうだなぁ。まぁ、面白そうかな?って」
「ふぅ‥‥‥‥昔からそうですよね。あの頃から愉快犯でしたもんね。以前も、導いていた子にしょっちゅうイタズラしてましたもんね」
「えへへ、って、嘘だよ!ユナ!信じないでよ、冗談だよ」
「ユナ、ナギ様は悪癖があるから気をつけないと痛い目にあうぞ」
「?!アンジェ」
「アンジェ?」
「‥‥っ!なんだこれは!」
「!?」
「リーンゼィルさん!」
『リーンゼィル様危ない!!』
ジーンはあっという間に移動すると、リーンゼィルだけを拐って抱えて見事な着地しました。
「アンジェ!!」
まだ中空を舞うアンジェをシンは慌てて受け止めようとしますが、そんな彼の顔面には
アンジェの足が直撃し、そのまま彼女はクルリと後ろに宙返りすると見事な着地をしました。
「アンジェ!すごい!!」
ユナは綺麗な着地にパチパチと拍手します。
「おい!そろそろ離せジーン!もう子供じゃないんだ。この程度の高さ問題ない」
『いいえ!!リーンゼィル様は大切なお方。
この程度の高さ大丈夫かもしれませんが、この領地に住まう精霊は貴方様が必要なのです。もし‥‥あなたが害されてしまったら‥‥』
「あぁ、わかった、わかったから!おろしてくれ!」
『やはりわかっておられません!全く後で僕が怒られるんですから!』
ジーンのおかげかリーンゼィルは、重力を感じさせない着地で足をつけます。
「いてて」
「シン、ごめん大丈夫?ってキャーーーーー」
シン達の予想通り、アンジェの叫び声がひびきわたりました。
「どうした!」
「あそこに、お面を被った変質者が」
「変質者が、??」
──シン、さっきの一撃を受けたのにすごい、とっても丈夫
でも、素っ裸だから、変態にしか見えない。ごめんよ!
「アンジェ!それは、シンだよ」
「え?いいえ、それよりユナ!裸で何してるの!?っていうか、この変態仮面なに!」
「ちょ!まて!まてよ!アンジェ!!!これには訳が!!」
そう言って、シンは両手を広げてしまい
「バカ!!お前!下を隠せ!!」
リーンゼィルが、叫ぶも時既におそく。
「イヤーーーー」
アンジェは叫び目を閉じながら足でシンの頭を挟むと捻りを加えて地面へとねじ伏せます。
「!!!!?」
「シン!!!!!????アンジェまって!!!」
「うわぁ、嫌な音したよ」
「い、生きてるかな?」
それから、シン動かなくなったシンを蹴りとばして温泉に落としてしまいました。
素晴らしい飛距離です。
「あら、まぁ、えっと彼女は本当に人間なのかな?何かと混血とかじゃないの??」
ナギが、首をひねります。
「う、ううん、お父さんもふつうの人間だったよ。ただ、村一番で強かったし、それに外の里にもいったことがあるって」
「へぇそうなんだ。」
「ユナ!あなたも早く隠しなさいよ」
「はっ、はい!」
慌ててユナは下を隠すような丸くなります。
リーンゼィルもシンを蹴り飛ばした時の水飛沫で上から下までべちゃべちゃになってしまいました。
「ほら、君も温泉に入りなよ」
ナギはいい笑顔でリーンゼィルに笑いかけますが、リーンゼィルはひきつった笑みを浮かべました。
「リーンゼィルさん‥‥‥‥男同士なんだし」
「この際、みんな巻き込まれるべきだ」
ユナとどうやって戻ったのかシンがゾンビのように、彼の足を掴みます。
「こら、お前ら止めろって!!」
シンとユナはリーンゼィルのズボンを無理やり剥ぎ取ろうとするので、腰よりも少し下がってしまいます。
「ーーーーっ」
アンジェは、その光景にあわてて目を閉じてナギの後ろに隠れました。
「なぁ、俺。なんのすんげぇ腑に落ちない。」
「うん、そうだよね」
「っていうか、こうやってみると本当に男なんだな」
「何を当たり前なことを」
「いや、女みたいに髪の毛長いからさ」
「こら、いくらなんでもリーンゼィル様への無礼は許しませんよ。」
そう言って、ジーンはシンを睨みました。
「悪かったよ。うちの村ではこんなに綺麗に髪を伸ばしてる男は居なかったからさ」
「へぇ、そうなのか?ここでは、基本的に髪を切る奴の方が少ない。ほら、こうやって使えるからな。」
すっと、一本だけリーンゼィルが、髪を切って手近にあった、木を掴み簡単にくくり腰のベルトに繋いでいた針を繋ぐと、簡素な釣竿ができました。
「え?けど、髪だろ?泉の魚をみたけど、あんだけでかいのは無理だろ?」
「ふふん、試してみるか?」
「え?でもさっきの魚は」
「そうさな。その様彼のだから、わかるだろうけど、ここの魚は布を好んで喰うだろ」
「うん、お陰でまだ、素っ裸だ。」
「まぁ、試しに釣ってやるよ」
リーンゼィルは、針にポシェットから出した古い布を取り付けると手慣れた調子で、取り付けると直ぐ様投げる。
それから、直ぐに魚がかかると容易く一本釣りあげてしまった。
「どうなってんの、その髪。一本だけだろ?なんで切らないんだ?」
「そうだぞ。他にも色々使えるが、まぁ、それは、おいおいな」
そう言って魚を返してやります
「そうそう、流石にそろそろ素っ裸もなんだよな。ジーン、俺の古着だしてやってくれ」
「え、ですが、面白、いや、かん‥‥いえ、わかりました」
「いま、面白いとか、観察とかいいかけたよな」
「いえいえ、それでは着替えお渡ししますね」
「取りにいくのか?」
「いいえ、リーンゼィル様がおられますので」
ジーンは自身の首の襟に手を突っ込むとズルズルと、自身の大きさより遥かに大きな衣服を取り出してきた。
「どうなっているんだ、それ?」
「ねぇ、ジーンの身体ってどうなってるの?」
「いえ、私はこのとおり、普通に身体はありますよ。
それに、別にそんな高度な事はできません。
」
「でも、今やったよ」
「それは、私がここの管理をしている為の特権です。ここ以外では私はこのような事はできません。
逆説的に、私以外はこの場所で同じような特権は使えない。はずなのですが」
ジーンは、チラッとナギをみます、
それに、ナギはなんでもないように、ほほえみました。
「ジーン。その話は後で。それで、ナギ様は俺をここに呼び出した理由は?別にわざわざここに呼び出さなくても話なら上の広間でも可能では?」
「え?あぁ、そうだなぁ。まぁ、面白そうかな?って」
「ふぅ‥‥‥‥昔からそうですよね。あの頃から愉快犯でしたもんね。以前も、導いていた子にしょっちゅうイタズラしてましたもんね」
「えへへ、って、嘘だよ!ユナ!信じないでよ、冗談だよ」
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