シナリオ通り追放されて早死にしましたが幸せでした

黒姫

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 18歳になりました。今日は断罪の日です。費用を全部持つ代わりに王太子様と私の合同誕生パーティは王立学園分校の大講堂でやることにしてもらって、国王陛下ももちろんご招待してあります。チョコバード鉄道で懐かしの母校に向かいます。アイン様とお会いするのはあの顔合わせの日以来実に12年ぶりで、ヒュンフェに会うのは11年ぶりです。

 ゲームのアイン様は金髪碧眼の美男子ですが、ここではお顔のヤケドを私がお贈りしたカブトムシの仮面で隠しておられます。ノルテ国最高の細工師が作った芸術品ですが、王族の正装であるキラキラした勲章のついた白い軍服にイマイチ合ってませんね。ヒュンフェは金髪を結い上げて、純白のプリンセスラインのドレスを着ています。目が見えないのにあざとい表情を作れるとはさすがのヒロイン補正です。汗でドレスの背中が少し黄ばんでいるのは見ないふりをしてあげましょう。

 対する私は悪女らしく原色のビキニトップに太ももの上までスリットの入った軽いスカートで、髪は6時間もかけて前世の黒人女性がよくやっていたブレイズヘアにしてもらいました。エスコートのウノお兄様はノルテ族の正装であるキルトとベストです。オオモドドラゴンの皮で作った最高級品ですわ。最近少し髪の毛が寂しくなってこられたので思い切ってスキンヘッドにしたのがまた男らしくてステキです。

 私たちが立食パーティを楽しんでいる間、別室ではドスとスインコが国王陛下と話し合い、両国間の平和条約を書き上げました。王国はノルテ国の独立を公式に認める代わりにノルテ国は王国との国境を尊重し、王立学園分校に対して引き続き援助を行うという内容です。今や軍事力がケタ違いですからノルテ国の独立を認めないという選択肢はありませんし、ノルテ国はサカサマタタビの栽培に適さない王国の土地に興味ありませんから、すぐ合意に達しました。スインコが呼びに来たので少し中座してちゃっちゃとサインして陛下と握手して完了です。ちなみにこの王立学園分校は昨年度から平民や周辺各国の民も受け入れ始めました。いずれ国際学園都市に発展することでしょう。

 さて、陛下をお連れしてパーティ会場に戻ると、ちょうどアイン様がヒュンフェの肩を抱き寄せたところでした。私を見つけるとさっそく断罪劇のセリフを始められましたが、ゲームのアイン様と違って内気な方ですからボソボソと聞き取りにくく、気づく者はほとんどいなかったようです。罪状は、王国から賜った領地を私物化して領民を虐げたとか、義妹の存在を無視したとか、平民の女性のドレスを切り裂いたとかそんなところですかね。確かに王国から見れば独立は私物化ですし、反乱軍を虐げた覚えはありますし、義妹とは11年も会っていませんでしたし、アンヌ嬢のドレスを何枚かダメにしましたからね。国王陛下には『極北修道院』がノルテ国の王城の別名であることも含めてすべてお話ししてあります。陛下はとっくに話がついている事をなぜ息子がわざわざ繰り返したのか理解できず眉をひそめられましたが、私が肩をすくめてみせますと何もおっしゃらず、食事に集中されることにしたようです。
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