前世シンデレラ、今世もシンデレラですけれど幸せに生きようと思います。

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シンデレラ【蓮水ひなた】

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 翌日、お父様が舞踏会への招待状の存在を知ってしまったため妹が私に成りすますということは出来なかった。
 それを聞いてさらに怒った妹だが、国王であるお父様には逆らえないというもの。
 私も舞踏会より家で掃除している方がよっぽど性に合っている気がするのだが、いつも虐げられてばかりの私が選ばれるというのはやはり気持ちのいいものだ。
 妹はお父様に頼んで舞踏会に参加させてもらったそうだし、私も自分を奮い立たせて舞踏会に来てみたものの。

 周りを見渡すと、私よりも煌びやかで麗らかな人々や、私なんか相手にしなさそうな眉目秀麗な貴族の子息ばかりが溢れていた。
 妹は持ち前の社交スキルであらゆる人と喋ったりダンスしていたりしたのだが、特に見た目麗しいとも社交スキルが高いとも言えない私はなるべく存在感を消して『友達? 壁のことですか?』とでも言わんばかりに壁に貼りつく。
 幸い、私に注目する人がいないおかげで空気としてこの場に君臨することができた。

 だが、このまま空気として過ごすのはもったいないとも思い始める。
 少し遠くを見れば、ずらっと並べられている豪華な食事。
 お父様がいない時の食事は極めて質素なため、ここらで日頃食べられなかった分を食べてやろうかと思い、決死の思いでテーブルに近づく。
 そんな私の思いも虚しく。

「きゃっ」
「うわ、何これ?」

 私の存在に気が付かなかった令嬢がぶつかり、ドレスが令嬢の飲みさしシャンパンに濡れる。

「あー、あれだ。なんちゃって王女とか言われてる人だ。妹が学園通ってるんだけど、全然パッとしなくて掃除当番押し付けられまくってるらしいよ」
「確かに、知り合いの侯爵が死んだとかで引き取られたそうだな。後から実子の方が綺麗だしパッとしないわ」

 私があらゆる人から嫌がらせを受けていることは周知の事実なのだろうか。
 お飾り王女といえどここまで身分に媚びを売らないって私はどこまで嫌われてんだか。妹も私を見て嘲笑っているし。これはいつものことか。

 誰も私の味方をしてくれない状況で汚い高笑いが響いていたところだった。

「大丈夫?」

 心配そうな表情で右手を差し出す、君が現れたのは。
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