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序章
第6話(3)互いの素性
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「……」
緑色の人のようなかたちをしたものたちが液体を垂れ流しながら、女性たちにゆっくりと迫ってくる。女性が戸惑う。
「な、なに⁉」
中性的な人物が応える。
「狙いはその双子ちゃんよ」
「え⁉」
「連れていかれるのが困るんでしょ」
「……置いていくか?」
「え……」
女性は少女の顔を見る。少女は不安げな顔で見つめ返し、呟く。
「お母さん……」
「!」
「どうする?」
「……連れていくわよ」
「……情が湧いてしまっていないか?」
「そうよ、悪い?」
「連れていってどうする?」
「保護するわ」
「どこで? どうやって?」
「それは……」
「それは?」
「おいおい考えるわ!」
「おいおいって……」
「とにかくここから出るわよ」
「……!」
緑色の集団が女性たちに襲い掛かろうとする。女性が驚く。
「な、なに⁉」
「許してはくれないみたいだぞ!」
「そ、そんな……!」
女性が動けないでいると、中性的な人物が落ちていた銃を拾い、素早く銃弾を何発か放って、緑色の集団の頭部を弾き飛ばす。
「ふう……」
「あ、あなた……?」
「ここは手を結びましょう」
「え?」
「利害の一致よ。その双子ちゃんを連れ出すのが私たちの目的だったから……」
「そ、そんな……」
「早くして……」
「え、えっと……」
「う……」
中性的な人物が自らの頭を抑える。女性が戸惑う。
「だ、大丈夫?」
「……フリージャーナリストの知念(ちねん)マリン……」
「⁉」
「元合衆国情報将校、宮城(みやぎ)スカイ……」
「む……」
「お前らのことをこちらは把握している。ここは大人しく手を結んだ方が利口だ」
「あ、あなた、その声は……」
マリンと呼ばれた女性は、自分の素性を言い当てられたことよりも、中性的な人物がいきなり低い男性的な声色で話し出したことに驚いた。中性的な人物が首を左右に振ってまた元の声色に戻って告げる。
「今はどうでもいいでしょう、さっさとここから出るわよ!」
「え、ええ!」
マリンを先頭にして、部屋から出る。緑色の集団も追いかけて部屋から廊下に出てくる。スカイが声を上げる。
「追いかけてくるな!」
「旦那さん、射撃には自信があるんでしょ⁉ 援護して!」
「誰が旦那だ!」
スカイは文句を言いながら、中性的な人物とともに銃を発砲し、追いかけてくる集団の頭部を正確に射抜いていく。中性的な人物が口笛を鳴らす。
「~♪ さすがね」
「これくらいは……!」
スカイが目を疑う。頭部を吹き飛ばされたものたちが再び動き始めたからである。
「……」
「な、なんだ、ゾンビか⁉」
「狂った研究の過程で生まれた悲しきモンスターってところかしらね……」
「そ、そんなことが……」
「ゾンビかどうかは分からないけど、銃弾が通じないなら……!」
中性的な人物が右手の指を鳴らす。すると、姿がより女性的になる。スカイが驚く。
「なっ⁉」
「はっ!」
女性の姿になったおさげ髪が身に着けていたスーツのどこからか刀を取り出す。その刀は柄が短く、刀身は先端に向かって幅広い、大陸で多く用いられる刀である。おさげ髪は刀を思い切り振るう。刃先から冷風が吹き出し、緑色の集団が凍り付く。スカイが戸惑う。
「こ、凍らせた……」
「む!」
「………」
残っていた緑色の集団が動き出す。おさげ髪が舌打ちする。
「氷漬けでは御不満⁉」
「ど、どうするんだ⁉」
「ならば!」
おさげ髪が今度は左手の指を鳴らす。今度はより男性的な姿になる。スカイがまた驚く。
「こ、今度は男に⁉」
「それっ!」
男性の姿になったおさげ髪は刀をしまうと、蹴りを繰り出す。今度は足先から熱風が吹き出し、向かってきた緑色の集団を燃やす。緑色の集団がうめく。
「グ……」
「ベタだったが、やはり火が有効か……!」
男性が両手をポンと叩くと、中性的な姿に戻る。スカイが問う。
「お、お前……というか、お前たちは何者なんだ⁉」
「さっきも言ったけど、答える義務はないわ」
「素性の分からん連中と組めるか!」
スカイが銃口を中性的な人物に向ける。中性的な人物が笑みを浮かべる。
「あら? やる気?」
「見た通り射撃ならば多少自信がある! それに俺たちをなんとかしようと思ったら。お前らのお目当てに危害が及ぶかもしれんぞ!」
スカイが肩に担いでいた少年の体をわざとらしく前に向ける。中性的な人物が大げさに両手を広げて苦笑する。
「分かったわ……私たちはユエとタイヤンっていうのよ。女がユエ、男がタイヤン……」
「月と太陽……二重人格ともまた違うようだが?」
「今回はちょっとした手違いでこういうことになっちゃったのよ、いつもは大体双子の姿なんだけどね……」
「いや、話がよく見えんな……⁉」
「ん⁉」
激しい物音がしたと同時に、マリンたちの前方に大きな緑色の異形の生物が現れる。
緑色の人のようなかたちをしたものたちが液体を垂れ流しながら、女性たちにゆっくりと迫ってくる。女性が戸惑う。
「な、なに⁉」
中性的な人物が応える。
「狙いはその双子ちゃんよ」
「え⁉」
「連れていかれるのが困るんでしょ」
「……置いていくか?」
「え……」
女性は少女の顔を見る。少女は不安げな顔で見つめ返し、呟く。
「お母さん……」
「!」
「どうする?」
「……連れていくわよ」
「……情が湧いてしまっていないか?」
「そうよ、悪い?」
「連れていってどうする?」
「保護するわ」
「どこで? どうやって?」
「それは……」
「それは?」
「おいおい考えるわ!」
「おいおいって……」
「とにかくここから出るわよ」
「……!」
緑色の集団が女性たちに襲い掛かろうとする。女性が驚く。
「な、なに⁉」
「許してはくれないみたいだぞ!」
「そ、そんな……!」
女性が動けないでいると、中性的な人物が落ちていた銃を拾い、素早く銃弾を何発か放って、緑色の集団の頭部を弾き飛ばす。
「ふう……」
「あ、あなた……?」
「ここは手を結びましょう」
「え?」
「利害の一致よ。その双子ちゃんを連れ出すのが私たちの目的だったから……」
「そ、そんな……」
「早くして……」
「え、えっと……」
「う……」
中性的な人物が自らの頭を抑える。女性が戸惑う。
「だ、大丈夫?」
「……フリージャーナリストの知念(ちねん)マリン……」
「⁉」
「元合衆国情報将校、宮城(みやぎ)スカイ……」
「む……」
「お前らのことをこちらは把握している。ここは大人しく手を結んだ方が利口だ」
「あ、あなた、その声は……」
マリンと呼ばれた女性は、自分の素性を言い当てられたことよりも、中性的な人物がいきなり低い男性的な声色で話し出したことに驚いた。中性的な人物が首を左右に振ってまた元の声色に戻って告げる。
「今はどうでもいいでしょう、さっさとここから出るわよ!」
「え、ええ!」
マリンを先頭にして、部屋から出る。緑色の集団も追いかけて部屋から廊下に出てくる。スカイが声を上げる。
「追いかけてくるな!」
「旦那さん、射撃には自信があるんでしょ⁉ 援護して!」
「誰が旦那だ!」
スカイは文句を言いながら、中性的な人物とともに銃を発砲し、追いかけてくる集団の頭部を正確に射抜いていく。中性的な人物が口笛を鳴らす。
「~♪ さすがね」
「これくらいは……!」
スカイが目を疑う。頭部を吹き飛ばされたものたちが再び動き始めたからである。
「……」
「な、なんだ、ゾンビか⁉」
「狂った研究の過程で生まれた悲しきモンスターってところかしらね……」
「そ、そんなことが……」
「ゾンビかどうかは分からないけど、銃弾が通じないなら……!」
中性的な人物が右手の指を鳴らす。すると、姿がより女性的になる。スカイが驚く。
「なっ⁉」
「はっ!」
女性の姿になったおさげ髪が身に着けていたスーツのどこからか刀を取り出す。その刀は柄が短く、刀身は先端に向かって幅広い、大陸で多く用いられる刀である。おさげ髪は刀を思い切り振るう。刃先から冷風が吹き出し、緑色の集団が凍り付く。スカイが戸惑う。
「こ、凍らせた……」
「む!」
「………」
残っていた緑色の集団が動き出す。おさげ髪が舌打ちする。
「氷漬けでは御不満⁉」
「ど、どうするんだ⁉」
「ならば!」
おさげ髪が今度は左手の指を鳴らす。今度はより男性的な姿になる。スカイがまた驚く。
「こ、今度は男に⁉」
「それっ!」
男性の姿になったおさげ髪は刀をしまうと、蹴りを繰り出す。今度は足先から熱風が吹き出し、向かってきた緑色の集団を燃やす。緑色の集団がうめく。
「グ……」
「ベタだったが、やはり火が有効か……!」
男性が両手をポンと叩くと、中性的な姿に戻る。スカイが問う。
「お、お前……というか、お前たちは何者なんだ⁉」
「さっきも言ったけど、答える義務はないわ」
「素性の分からん連中と組めるか!」
スカイが銃口を中性的な人物に向ける。中性的な人物が笑みを浮かべる。
「あら? やる気?」
「見た通り射撃ならば多少自信がある! それに俺たちをなんとかしようと思ったら。お前らのお目当てに危害が及ぶかもしれんぞ!」
スカイが肩に担いでいた少年の体をわざとらしく前に向ける。中性的な人物が大げさに両手を広げて苦笑する。
「分かったわ……私たちはユエとタイヤンっていうのよ。女がユエ、男がタイヤン……」
「月と太陽……二重人格ともまた違うようだが?」
「今回はちょっとした手違いでこういうことになっちゃったのよ、いつもは大体双子の姿なんだけどね……」
「いや、話がよく見えんな……⁉」
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