【第一章完】四国?五国で良いんじゃね?

阿弥陀乃トンマージ

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第一章

第5話(1)現状を把握

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「しかし……」

「どうしたよ、爺さん?」

「まさか本当にそれぞれの勢力を束ねてしまうとは……」

 老人がタイヘイの脇に控えるパイスーとクトラを見ながら感心する。

「おう、やってみたら出来たぜ」

「やってみたらって……」

「驚いたか?」

「驚きましたよ」

「それはこっちの台詞でもあるぜ」

「え?」

 タイヘイが周囲を見回す。

「ちょっと離れている間にこの集落もかなり住人が増えたじゃねえか」

「まあ、この緩衝地帯周辺もなかなかきな臭くなって参りましたからな、自衛の為に互いに寄り添う必要性が高まってきたのです」

「ふむ……」

 老人の説明にタイヘイが頷く。

「今後はどうなさるおつもりで?」

「それはこれから考える」

「ほう……」

「まったく何も考えてないわけじゃないぜ? 色々と情報を集めている段階なんだ」

「情報収集をなさっているのですか?」

 老人が目を丸くする。

「……そんなに驚くことか?」

「いや、少々意外だなと思いまして……」

「考えなしに突っ込んでいくと思ったか?」

「は、はい……」

「どんなイメージだよ……」

 タイヘイが苦笑する。

「では、集まった情報次第では、周囲の出方を伺うということも?」

「なくはないだろうな」

「ふむ、慎重ですな……」

「マズいか?」

「いえいえ、結構なことだと思います」

「……まあ、とりあえずの報告だ。あとは話し合いをしてくるぜ。あそこの建物を借りても良いんだな?」

 タイヘイが大きめの建物を指差す。老人が頷く。

「集会所として使っておる所です。話し合いには恰好の場所かと……」

「それじゃあ、お言葉に甘えて……」

 タイヘイが席を立って、集会所に向かう。老人が頭を下げる。

「お疲れ様です……」

「結構広いな……」

 集会所に入ったタイヘイが呟きながら椅子に腰を下ろす。クトラが口を開く。

「しかし、驚いたわ、タイヘイちゃん」

「ん?」

「この集落よ、かなりの規模じゃない。それに……」

「それに?」

「あの連中よ」

 クトラが窓の外を指し示す。豚頭の連中が警備兵として立っていた。

「ああ、あいつらか……」

「亜人連合の連中がどうしてここに?」

「ちょっかいをかけてきたから返り討ちにしただけだよ」

「ほ、ほう……」

「上に処分されるかもしれねえから国に戻れねえとかなんとか泣き言言いやがるから、じゃあ俺が留守の間この集落守っとけって言っといた。この集落のみんなに危害を加えやがったただじゃ置かねえぞとも釘を刺しておいた」

「な、なるほど……」

 タイヘイの説明にクトラが頷く。壁際に寄りかかるパイスーがタイヘイに尋ねる。

「で? どうするんです?」

「なにがだ?」

「今後ですよ。まさか本当にここに引きこもるわけじゃないでしょう?」

「それは周囲の出方次第だ」

「打って出なきゃマズいですよ?」

「とはいってもな……別にいたずらに戦いたいわけじゃねえ」

「そんな弱腰じゃダメですよ!」

「う~ん……」

 タイヘイは苦笑しながら後頭部をポリポリと掻く。クトラが口を開く。

「まあ、落ち着きなさいよ、パイスーちゃん……」

「落ち着いていられるかよ!」

「そこは落ち着いてもらわなきゃ、報告も出来ないわ……」

「!」

 窓にモリコが逆さまにぶら下がる。

「おお、モリコ、斥候ご苦労さん」

「なんてことはありません」

 モリコが窓から身を翻して、中に入る。

「どうだった?」

「北西の……『人』の国が動きました」

「‼」

「こっちに向かっているのか⁉」

「いいえ……」

 パイスーの問いにモリコが首を振る。クトラが首を傾げる。

「どういうことかしら?」

「狙いはあくまで北東の……『妖』の国」

「そこに向かって進軍しているということ?」

「そうね」

 パイスーが重ねて問う。

「派手に衝突か?」

「それはないと思うわ」

「何故そう思うんだよ?」

「……兵力がそこまで多くない。それなりに精鋭を揃えてはいるみたいだけど、緩衝地帯を含めての国境付近の制圧が目標だと思うわ」

「ふ~ん……」

「どうする、タイヘイちゃん?」

 クトラの問いにタイヘイが口を開く。

「……モリコ、妖の国は兵を出しているのか?」

「国境付近を固めつつありますが、こちらまでは出してきていないです」

「そうか……」

 タイヘイが頷く。

「どうしますか?」

「ここは静観?」

 モリコとクトラが尋ねる。

「いや……」

「え?」

 パイスーが首を傾げる。

「打って出るぞ!」

「‼」

「人の国の軍を追い払う!」

 タイヘイが声を上げる。
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