【第一章完】四国?五国で良いんじゃね?

阿弥陀乃トンマージ

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第一章

第6話(2)三将との戦い

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「そ、それのどこが詫びだ!」

「なんという石頭……超人の類か?」

「まあ、なんでもいいさ……」

「む……」

 キサラギたちを制し、ヤヨイが前に進み出る。

「こいつが親玉だってんなら、ここで始末する……」

 ヤヨイが剣を構える。タイヘイが呟く。

「来るか……」

「すぐに終わらしてやるよ!」

「!」

 ヤヨイがあっという間にタイヘイとの距離を詰め、剣を振り下ろす。タイヘイはなんとかそれをかわすが、地面がさらに粉々に砕ける。

「へえ、よくかわしたね!」

「そんな大振り当たるかよ!」

「ならば!」

「うおっ!」

 今度はやや細かい振りをしたが、これもタイヘイはかわす。

「良い反応だ!」

「音がすごいな! 結構な力じゃねえか!」

「当然さ、アタシは『怪力のヤヨイ』だからね!」

「へえ、わりと……」

「わりと……なんだい?」

「そのままの二つ名だな。捻りがないというか……」

「! ケンカ売ってんのかい⁉」

「そう怒るなよ……おっと⁉」

 タイヘイが穴の空いた地面に足をとられて体勢を崩す。

「もらったよ!」

「ちっ!」

「なっ!」

 タイヘイの足裏が火を噴き、ヤヨイの攻撃を横に飛んでかわす。

「あぶねえ、あぶねえ!」

「な、なんだい、それは!」

「ロケットブースターだよ!」

「がはっ!」

 ロケットブースターによって急加速したタイヘイの頭突きを鳩尾に喰らって、ヤヨイは崩れ落ちる。

「一丁上がり!」

「ヤヨイが!」

「ロケットブースターだと……」

 シモツキが驚き、キサラギが顎に手を当てる。

「人と機のハーフ、人機か⁉」

「そうかもしれんな……」

「ふん、おらあっ!」

「む⁉」

 ロケットブースターで上昇したタイヘイが両手に抱えた土塊を次々と投げつける。

「これでも喰らいやがれ!」

「ちっ、ちょこざいな……」

 キサラギが舌打ちする。

「ここは任せろ、キサラギ……」

「む?」

「それっ!」

 シモツキが槍を構え、タイヘイに向かって投げつける。鋭く飛んだ槍はタイヘイの膝に突き刺さる。タイヘイがバランスを崩す。

「むう⁉」

「この『剛腕のシモツキ』を舐めてもらっては困るな……それくらいの距離ならば、我が槍は十分に届く……」

「ふ、ふん……」

「ん?」

「剛腕でもノーコンじゃ意味ないぜ? 心臓か頭を狙わねえと……」

「言われなくても……! 槍をよこせ!」

「はっ!」

 シモツキが兵から槍を受け取る。タイヘイは苦しそうに膝を抑える。

「ちっ、油断した……」

「飛んでいるのもやっとだろう……これで仕留める!」

「甘えよ!」

「なにっ⁉」

 シモツキの投じた槍をタイヘイが両手から放った斬撃で斬る。

「ふ、ふん……」

「りょ、両手が尖った……?」

「隙有り!」

「ぐはっ⁉」

 タイヘイが続け様に放った斬撃を喰らい、シモツキが倒れる。

「二丁上がり!」

「両手から斬撃……かまいたちの斬撃か?」

「へえ、察しがいいねえ……くっ!」

 地面に着地したタイヘイがキサラギの呟きに応えながら、膝に刺さった槍を引き抜く。

「どういうことだ? 妖の力も有しているということか?」

 キサラギが首を捻る。

「そういうことだよ」

「そんなことが……」

「あり得るんだよな、これが」

 タイヘイが笑みを浮かべる。

「ふむ……」

「降参するなら今だぜ?」

「冗談も休み休み言え!」

「うおっと!」

 飛び込んできたキサラギに対し、タイヘイが斬撃をいくつか飛ばすが、キサラギはそれをことごとくかわしてみせる。

「ふっ……」

「なっ! あ、当たらねえ!」

「この『烈脚のキサラギ』の脚を見くびるなよ! その程度の斬撃ならば、避けることなど実に容易い!」

「ちっ⁉」

「もらった!」

 キサラギがタイヘイの懐に入り込み、心臓に向けて苦無を突き立てる。

「うおおっ!」

「ごはっ⁉」

 タイヘイの大きく膨らんだ腕がキサラギの横腹を襲った。キサラギは吹っ飛ぶ。

「……正確に心臓を狙ってきてくれて助かったぜ……半分あてずっぽうで腕を振ったら、タイミングドンピシャでカウンターが決まった……」

 タイヘイがほっと胸をなでおろす。

「さ、三将が倒された!」

「そ、そんな……」

「ど、どうすれば⁉」

「落ち着きなさい……」

「‼」

 見事な馬体の青鹿毛の馬に跨った鎧姿の美しく凛々しい女性が、綺麗で長い黒髪をなびかせながらその場に現れた。
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