【第一章完】四国?五国で良いんじゃね?

阿弥陀乃トンマージ

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第一章

第7話(4)ちょいと提案

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「繰り返します! 本国でクーデター発生です!」

「そ、そんな……」

「カンナ姫!」

「……」

「カンナ!」

「!」

 ヤヨイの言葉にカンナがハッとなる。

「……お気を確かに」

「……都はどうなっていますか?」

 カンナが使者に尋ねる。

「現在、混乱の真っ只中です」

「お父様……陛下は?」

「所在不明です……」

「安否は分からないのですね?」

「残念ながら……」

「クーデターの首謀者は?」

「それについても情報が錯綜しており……」

「それらを確認するのも貴様の仕事ではないのか⁉」

「も、申し訳ありません!」

 シモツキの叱責に使者は慌てて頭を下げる。

「シモツキ、無茶を言うものではありません」

「し、しかし……」

「よく報せてくれました。疲れたでしょう、休憩しなさい」

「は、はい……」

 使者は静かに下がる。

「姫様、いかがなさいますか?」

 腕を組むカンナにキサラギが尋ねる。カンナが間髪入れず答える。

「……こういう事態になったからには一旦国へ戻りましょう」

「お、お待ち下さい!」

「どうしました? シモツキ?」

「このまま戻るのは危険かと思われます!」

「しかし、この地に留まっているわけにもいかなくなりました」

「そ、それはそうですが……」

 カンナは視線をシモツキからキサラギに戻す。

「キサラギ、先行して都周辺の様子を探ってもらえますか?」

「分かりました」

 キサラギが頷く。カンナが顎に手を当てながら呟く。

「クーデターの首謀者には大体ではありますが見当はついています……その者が考えそうな手を読めば裏をかくことが出来ます……」

「そ、それでは……」

「こういう時にこそ冷静さが問われます。落ち着いて行動しましょう」

「か、かしこまりました!」

 シモツキが頭を下げる。カンナが告げる。

「皆、撤退の準備を……」

「カンナ姫……」

「なんですか、ヤヨイ?」

「妖どもが追撃してくる可能性があります」

「! ふむ、それは確かに……」

 カンナが頷く。シモツキがヤヨイに問う。

「なんだと、奴らと手を組んで事を起こしたというのか?」

「アタシに聞かれても知らないよ」

 ヤヨイが両手を大げさに広げる。

「あまり適当なことを言うな」

「なんでも最悪の可能性を考慮に入れるべきだ、撤退中に後背を突かれたらあっという間にジエンドさ」

「むう……」

「……というわけでカンナ姫。このアタシの軍勢が殿を務めさせていただきます」

「! そうですね、お願いしますか……」

「……ちょっと待った」

 キサラギが口を開く。

「なんだい、キサラギ?」

「姫様の警護を薄くするのは危険だ」

「なんだキサラギ、我だけでは役不足だというのか?」

「それも当然ある」

「なっ⁉」

 キサラギの言葉にシモツキが顔を赤くする。それを無視して、ヤヨイが答える。

「今言ったように撤退戦では殿というのも重要になってくる。それが務まる者はこの中ではアタシしかいないだろう」

「聞き捨てならんな」

「ちょっと黙ってな」

「なにっ⁉」

 ヤヨイの言葉にシモツキがムッとする。

「アンタはカンナ姫にぴったりとくっついて、姫のことを死んでも守れ。どうせそういう方が得意だろう?」

「む、そ、それは確かに……」

 シモツキが腕を組んで頷く。ヤヨイがキサラギに告げる。

「追撃がないようだったらアタシもすぐにカンナ姫に追いつくさ」

「まあ、それがベストか……」

「ベターだが、ベストじゃねえな」

「‼」

 立ち上がったタイヘイが口を開く。キサラギがため息交じりで呟く。

「そういえば、貴様にとどめを刺さねばならなかったな……」

「ちょっと待った」

 タイヘイが右手を前に突き出す。シモツキが首を傾げる。

「なんだ、命乞いか?」

「違えよ、ちょいと提案だ」

「提案?」

「……俺たちと手を組もうぜ」

「⁉」

「殿は俺らが引き受ける。お前らは後ろを気にすることなく、素早く国へと戻れる……どうだ、悪い話じゃないだろう?」

「調子に乗るなよ、何故貴様ら如きと手を組まなければならないのだ!」

「手を組むというのが気に入らないなら同盟ってのはどうだい?」

「もっと気に入らん! 対等ぶるな!」

「国を取り戻したいんだろう? 利用出来るものはなんでも利用した方が良いと思うぜ」

「なにを生意気な!」

「シモツキ……!」

「は、ははっ!」

 カンナが声を上げる。シモツキが頭を下げる。

「……確かに常識破りな貴方という存在は利用価値がありそうですね……」

「だろ?」

「貴方の望みは?」

「言っただろ? 俺らの国を認めて欲しいんだよ」

「私がそれを反故にしたらどうします?」

「残念ながらまたぶつかるだけだな」

 タイヘイが肩をすくめる。

「ふっ……良いでしょう。手を貸して頂きます」

 カンナが手を差し出し、タイヘイと握手をかわす。
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