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第一章
第8話(2)プラスにマイナスを
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※キャラクター名の訂正
「シモヅキ」を「シモツキ」と訂正します。
間違えておりました、すみません。過去回も直しました。
ご了承ください。
「ヤ、ヤヨイが……」
シモツキが愕然とする。
「おい! シモツキ!」
「はっ! 姫様の守りを固めろ! 伏兵にも警戒だ!」
キサラギに声をかけられ、ハッとしたシモツキが指示を出す。兵士たちが盾を高く掲げながら、カンナを取り囲む。
「ちっ……」
配下から新たに弓を受け取ったサツキだが、弓を射るのを諦め、舌打ちしながら首を振る。ポニーテールがそれに合わせて揺れる。
「ヤヨイ……」
カンナが心配そうにヤヨイを見つめる。
「ううっ……」
ヤヨイがわずかだが動く。
「ヤヨイ!」
カンナが嬉しそうに声を上げる。サツキが再び舌打ち交じりで呟く。
「脚を痛められた分、キック力が低かったか……それにしても厄介なタフネスだね。知っているつもりだったけど……」
サツキがうずくまるヤヨイに向けて弓を構える。カンナが声を上げる。
「ヤヨイの救援を!」
「間に合いませんよ、姫さま……」
カンナの言葉にサツキが苦笑する。
「ヤヨイを!」
「……らしくもない、いや、流石に幼馴染がヤバいと焦るのかね……」
サツキが今にも矢を放とうとする。キサラギがシモツキに声をかける。
「おい、拙者を投げ飛ばせ!」
「……」
「無視をするな!」
「ふん!」
「なっ⁉」
シモツキは地面に転がっていた大小様々な石をサツキと彼女の部隊に向かって投げつける。物凄い勢いの投石にサツキたちは面喰らう。
「くっ、正真正銘のバカ力だから質が悪い……」
サツキは体勢を立て直そうと、隊列を後退させる。
「よし!」
「なにがよしだ!」
キサラギがシモツキに迫る。
「え?」
「え?じゃない、ヤヨイに当たったらどうするつもりだ!」
「当たらないようにちゃんと狙っている。もうちょっとよく見てみろ」
「なに……た、確かに」
ヤヨイの周りには石は転がっていないことが確認出来た。シモツキが笑う。
「忍者は暗い場所でも目が利くと思っていたが、どうやらポンコツか?」
「! 貴様!」
再びキサラギがシモツキに迫ろうとするが、シモツキが手のひらをキサラギの眼前に突き出して、これを制す。
「待て……ヤヨイ救援は我が隊の援護の下、ヤヨイ隊が行う」
「我々は⁉」
「言っただろう、伏兵に警戒しろと!」
「む!」
「おっと!」
上空からカンナ目掛けて急降下してきた、戦場に似つかわしくない黒いスーツ姿の男がカンナの首を狙うが、キサラギがそれを防ぐ。男はカンナとキサラギから離れ、これまたスーツに似つかわしくない黒い翼を背中に広げながら着地する。
「ナガツキか……」
「どうもどうも、噂の伏兵部隊です」
ナガツキと呼ばれた男性は恭しく礼をする。丁寧にセットされた黒髪オールバックの髪型と、右眼にかけた眼帯が特徴的だ。
「人と妖のハーフ、人妖、吸血鬼である貴様も姫の首を狙うか……」
「はっはっは!」
「?」
「嫌だな~狙ったのは首元だよ、首元!」
ナガツキが自分の首元をトントンと叩く。
「……どういうことだ?」
「女性のこの辺に噛みつくと、とっても美味しい血が吸えるんだ。知らなかった?」
「知るか!」
「おっと!」
キサラギが一瞬で間合いを詰め、苦無で斬りかかるが、ナガツキもサーベルでそれを受け止めてみせる。キサラギが少し驚いた顔になる。
「剣術の心得もあったのか……」
「流石に長い爪と体術だけじゃ限界があるからね。もっとも付け焼刃レベルだけど……」
「ふん!」
「おっと!」
「はっ!」
「よっと!」
キサラギの素早い連撃もナガツキは受け止める。
「……ふん、対応出来ているな」
「そうかい? いやあ~自信を持っちゃって良いかな~」
ナガツキが後頭部をかく。
「ならば……それっ!」
キサラギとナガツキの周囲に白い煙が立ち込める。
「⁉ 煙幕か⁉ ベタな手法を……ん? こ、これは!」
ナガツキは慌てて自身の鼻をつまむ。キサラギが呟く。
「……にんにく入りの煙幕はいかがかな?」
「うおおい! もたベタにしゅうけつきにょ弱点をちゅいてきたね!」
ナガツキは鼻をつまみながら叫ぶ。
「降参するなら今だ」
「冗談!」
「む!」
ナガツキが翼を勢いよくはためかせ、煙を飛ばし、得意気に叫ぶ。
「どうだい! いない⁉ ……はっ⁉ う、上か?」
ナガツキが見上げると、高く舞ったキサラギの姿がある。
「……」
「空中戦をご所望なら、判断ミスだね! 翼のある僕には勝てない!」
「そうはさせん……あいにく持ち合わせが無いのだが、これで代用する!」
「‼」
キサラギが両手を水平にし、両足を揃えて伸ばして、『十字架』のポーズを取る。ナガツキが思わず目をそらす。
「効いている……!」
「……今までならね。はっ!」
「⁉」
両手両足を揃えたナガツキが空中で体を90度倒したのだ。キサラギが困惑する。
「これは『マイナス』のポーズ!」
「マ、マイナス?」
「そう、そっちがプラスなら、こっちはマイナス! 『+×-』はマイナス! よって……」
「ぐっ⁉」
「君の動きを僕が凌駕するっていうことだ!」
「が、がはっ!」
ナガツキの長い爪にひっかかれ、キサラギは地面に力なく落下する。
「シモヅキ」を「シモツキ」と訂正します。
間違えておりました、すみません。過去回も直しました。
ご了承ください。
「ヤ、ヤヨイが……」
シモツキが愕然とする。
「おい! シモツキ!」
「はっ! 姫様の守りを固めろ! 伏兵にも警戒だ!」
キサラギに声をかけられ、ハッとしたシモツキが指示を出す。兵士たちが盾を高く掲げながら、カンナを取り囲む。
「ちっ……」
配下から新たに弓を受け取ったサツキだが、弓を射るのを諦め、舌打ちしながら首を振る。ポニーテールがそれに合わせて揺れる。
「ヤヨイ……」
カンナが心配そうにヤヨイを見つめる。
「ううっ……」
ヤヨイがわずかだが動く。
「ヤヨイ!」
カンナが嬉しそうに声を上げる。サツキが再び舌打ち交じりで呟く。
「脚を痛められた分、キック力が低かったか……それにしても厄介なタフネスだね。知っているつもりだったけど……」
サツキがうずくまるヤヨイに向けて弓を構える。カンナが声を上げる。
「ヤヨイの救援を!」
「間に合いませんよ、姫さま……」
カンナの言葉にサツキが苦笑する。
「ヤヨイを!」
「……らしくもない、いや、流石に幼馴染がヤバいと焦るのかね……」
サツキが今にも矢を放とうとする。キサラギがシモツキに声をかける。
「おい、拙者を投げ飛ばせ!」
「……」
「無視をするな!」
「ふん!」
「なっ⁉」
シモツキは地面に転がっていた大小様々な石をサツキと彼女の部隊に向かって投げつける。物凄い勢いの投石にサツキたちは面喰らう。
「くっ、正真正銘のバカ力だから質が悪い……」
サツキは体勢を立て直そうと、隊列を後退させる。
「よし!」
「なにがよしだ!」
キサラギがシモツキに迫る。
「え?」
「え?じゃない、ヤヨイに当たったらどうするつもりだ!」
「当たらないようにちゃんと狙っている。もうちょっとよく見てみろ」
「なに……た、確かに」
ヤヨイの周りには石は転がっていないことが確認出来た。シモツキが笑う。
「忍者は暗い場所でも目が利くと思っていたが、どうやらポンコツか?」
「! 貴様!」
再びキサラギがシモツキに迫ろうとするが、シモツキが手のひらをキサラギの眼前に突き出して、これを制す。
「待て……ヤヨイ救援は我が隊の援護の下、ヤヨイ隊が行う」
「我々は⁉」
「言っただろう、伏兵に警戒しろと!」
「む!」
「おっと!」
上空からカンナ目掛けて急降下してきた、戦場に似つかわしくない黒いスーツ姿の男がカンナの首を狙うが、キサラギがそれを防ぐ。男はカンナとキサラギから離れ、これまたスーツに似つかわしくない黒い翼を背中に広げながら着地する。
「ナガツキか……」
「どうもどうも、噂の伏兵部隊です」
ナガツキと呼ばれた男性は恭しく礼をする。丁寧にセットされた黒髪オールバックの髪型と、右眼にかけた眼帯が特徴的だ。
「人と妖のハーフ、人妖、吸血鬼である貴様も姫の首を狙うか……」
「はっはっは!」
「?」
「嫌だな~狙ったのは首元だよ、首元!」
ナガツキが自分の首元をトントンと叩く。
「……どういうことだ?」
「女性のこの辺に噛みつくと、とっても美味しい血が吸えるんだ。知らなかった?」
「知るか!」
「おっと!」
キサラギが一瞬で間合いを詰め、苦無で斬りかかるが、ナガツキもサーベルでそれを受け止めてみせる。キサラギが少し驚いた顔になる。
「剣術の心得もあったのか……」
「流石に長い爪と体術だけじゃ限界があるからね。もっとも付け焼刃レベルだけど……」
「ふん!」
「おっと!」
「はっ!」
「よっと!」
キサラギの素早い連撃もナガツキは受け止める。
「……ふん、対応出来ているな」
「そうかい? いやあ~自信を持っちゃって良いかな~」
ナガツキが後頭部をかく。
「ならば……それっ!」
キサラギとナガツキの周囲に白い煙が立ち込める。
「⁉ 煙幕か⁉ ベタな手法を……ん? こ、これは!」
ナガツキは慌てて自身の鼻をつまむ。キサラギが呟く。
「……にんにく入りの煙幕はいかがかな?」
「うおおい! もたベタにしゅうけつきにょ弱点をちゅいてきたね!」
ナガツキは鼻をつまみながら叫ぶ。
「降参するなら今だ」
「冗談!」
「む!」
ナガツキが翼を勢いよくはためかせ、煙を飛ばし、得意気に叫ぶ。
「どうだい! いない⁉ ……はっ⁉ う、上か?」
ナガツキが見上げると、高く舞ったキサラギの姿がある。
「……」
「空中戦をご所望なら、判断ミスだね! 翼のある僕には勝てない!」
「そうはさせん……あいにく持ち合わせが無いのだが、これで代用する!」
「‼」
キサラギが両手を水平にし、両足を揃えて伸ばして、『十字架』のポーズを取る。ナガツキが思わず目をそらす。
「効いている……!」
「……今までならね。はっ!」
「⁉」
両手両足を揃えたナガツキが空中で体を90度倒したのだ。キサラギが困惑する。
「これは『マイナス』のポーズ!」
「マ、マイナス?」
「そう、そっちがプラスなら、こっちはマイナス! 『+×-』はマイナス! よって……」
「ぐっ⁉」
「君の動きを僕が凌駕するっていうことだ!」
「が、がはっ!」
ナガツキの長い爪にひっかかれ、キサラギは地面に力なく落下する。
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