7 / 63
第一章
第2レース(2)別れと出会いの春
しおりを挟む
「なっ……ど、どういうこと?」
「競竜学校の騎手課程短期コースを受講する」
炎仁は鞄から書類を取り出して真帆に見せる。
「こ、これは……」
「俺は……競竜騎手、ジョッキーになる!」
「なんでそんなことに?」
真帆が戸惑いを抑えながら尋ねる。
「えっと……」
炎仁が軽く頭を抱える。真帆が思わず声を上げる。
「納得のいく説明をしてよ!」
「う~ん……」
「う~んって唸ってないで!」
「……『借金』、『女』、『敗北』……かな?」
「あ、あまりにも不穏なワード群!」
「他に上手く説明しようがないんだ……」
「圧倒的な語彙力不足!」
真帆が愕然とする。
「とにかくジョッキーを目指すことになった……」
「この短期コースっていうのは?」
「一年で一人前のジョッキーになることが出来るらしい」
「ふ~ん! そうなんだ!」
「おっと!」
「真帆!」
真帆は自分と炎仁の弁当箱を手際よく包むと、それを自分の机にドンと置き、教室を出ていってしまう。カズミがその後に続く。タケシが呆れる。
「あ~あ」
「相当怒っているようだな」
「お、そういうのは分かるんだな」
「どうすればいい?」
「そりゃあお前、ここは後を追いかけろよ」
「それもそうか。ただ……」
「ただ?」
「何をそんなに怒っているのか分からないんだが……」
「あ~そりゃ下手に謝っても逆効果かもな……」
「どうすればいい?」
「そうだな……」
タケシが炎仁に耳打ちする。ハッとした炎仁は真帆を追って教室を出る。
「……真帆!」
「!」
真帆とカズミは屋上のドアの前にいた。屋上に出ようと思ったが、鍵が無い為、出られなかったのだ。真帆は炎仁を無視して階段を下りようとする。
「真帆! 大事な話がある!」
炎仁の手には屋上に繋がる鍵があった。以前ここで清掃作業をした際に鍵の保管場所を覚えていたため、ちょっと拝借するのは容易なことだった。
「……」
「聞いてくれないか」
「……うん」
「真帆、大丈夫?」
「うん、大丈夫、ありがとう」
「じゃあ、アタシは先に教室に戻っているから」
カズミが去り、炎仁と真帆は屋上に出た。風が気持ちいい午後の空だった。
「う~ん、屋上に出るのも久しぶり……」
「そうか……」
「それで? 大事な話って?」
「あ、ああ、俺が高校の推薦を蹴り、競竜学校へ入るという話だが……なんでまたそういうことになったのかというと……」
「おじいさんが亡くなったことが関係しているの?」
「え! す、鋭いな……」
炎仁は驚いた視線を向ける。少し硬かった真帆の表情が緩む。
「そりゃあ、それくらいの見当はつくわよ……でも、あの牧場はもう競走竜が一頭しかいなかったんじゃなかった?」
「ああ、その一頭、『イグニース』に乗り、撫子瑞穂とレースをすることになった」
「な、撫子瑞穂⁉ 女性のトップジョッキー⁉ なんでまたそんなことに……?」
「まあ、簡単に言えば牧場をかけての真剣勝負だ」
「炎ちゃん、レースの経験は?」
「知っているだろう? あるわけない」
炎仁が笑って首を振る。真帆が聞きづらそうに尋ねる。
「……それで結果は?」
「勝った、俺が」
「ええっ⁉」
「それで牧場の差し押さえは当面は待ってもらえることになった。ただ……」
「ただ?」
「それはそれ、これはこれ! ということでじいちゃんの遺した莫大な借金が俺のもとには残った。これをどうにかしなければ、じいちゃんの大事な宝物が他人の手に渡ってしまう! それだけはどうしても避けたかった……」
炎仁が俯いて拳を握りしめる。真帆が問いかける。
「それで……ジョッキー、競竜騎手になるってこと?」
「ああ、さっき見せた課程に合格すれば、一年でジョッキーになれる! デビュー出来る! 賞金を稼いで、稼いで、稼ぎまくって、借金を返済すれば、晴れてじいちゃんの牧場を取り戻すことが出来る! ……そういう理由だ」
「……ふふっ」
真帆が炎仁の横顔をしばらく見つめた後、笑う。
「な、なんだよ」
「本当にそれだけの理由?」
「え?」
「他にも理由があるんじゃない?」
「……よく分かったな」
「炎ちゃんのことは昔からよく知っているつもりだから」
真帆の笑みにつられ、炎仁も笑う。
「この間のレース、その時は無我夢中でよく分からなかったんだが……」
「……うん」
「後になって徐々に実感が湧いてきたんだ……」
「……うん」
「すごく楽しかった! イグニースだって初めてレースするにも関わらず、堂々とした走りを見せてくれた! 走っているときや滑空するときの風が気持ち良かった! それにジャンプするとき、俺とイグニースの心が一つになったような感覚になれた! あんなことは今まで無かった! 俺はイグニースともっと色々なところを走って、飛んでみたい! 色々な景色を見てみたい! そう思ったんだ!」
「……そっちの方が主な理由になっているんじゃないの?」
「かもしれないな」
真帆の指摘に炎仁は笑った。真帆は屋上の出入り口に戻ろうとする。
「そう、それなら何も言わないわ……だけど……」
「だけど?」
「……一言でも良いから相談して欲しかったな」
「!」
振り返った真帆の頬には一筋の涙が伝っていた。
「ご、ごめん……」
炎仁の謝罪を聞くか聞かないうちに真帆は屋上から校舎へと戻っていく。季節はそれからあっという間に過ぎ去り、炎仁たちは中学卒業の日を迎えた。炎仁と真帆の仲は少しギクシャクしたものになってしまい、この日までほとんどまともな会話らしい会話をすることが無かった。
「……」
「真帆……」
「……じゃあね、炎ちゃん」
「あ、ああ……」
炎仁と真帆は校門のところで別れた。炎仁は心の中のもやもやした気持ちを拭うことがなかなか出来なかったが、すぐに一か月が経過し、競竜学校入学の日を迎えた。炎仁は千葉県のとある駅に下り、バスの停留所に向かう。
「えっと……学校行きのバスは……」
「関東競竜学校はこちらのバスですよ」
藍色の髪を三つ編みにして片側に寄せた、黒いパンツスーツ姿の眼鏡をかけた女子が炎仁に話しかけてきた。小柄な炎仁より一回り小さい。
「え? あ、本当だ、ありがとうございます」
「いえ……」
しばらく待っていると、バスが来て、二人は乗り込む。炎仁は女子に空いている席を譲り、何気なく話しかける。
「貴女も競竜学校へ?」
「ええ、そうですよ、紅蓮炎仁君」
「え? な、なんで、俺の名前を?」
「御爺様のご葬儀でお見かけしましたから」
「は、はあ……」
「私の家も茨城でドラゴンの生産牧場『三日月牧場』をやっているので……」
「そうなんですか」
「三日月海(みかづきうみ)と申します。よろしくお願いします」
「あ、紅蓮炎仁です、こちらこそよろしくお願いします」
炎仁は頭をペコリと下げる。バスはしばらく走った後、炎仁たちの目当てのバス停に停車する。二人がバスを降りた先に、腕を組んだおかっぱボブのヘアスタイルでこれまた黒いパンツスーツ姿の女子が立っている。綺麗に切り揃えられた髪に混ざる桃色のメッシュが特徴的で身長は炎仁と同じくらいである。
「待っていましたわ、紅蓮炎仁! ここで会ったが百年目!」
「ええっ⁉ ど、どちら様ですか?」
「そんなことはどうでもいいですわ!」
「い、いや、どうでも良くはないでしょう?」
「……入学式に遅れますよ、撫子飛鳥(なでしこあすか)さん」
海が眼鏡をくいっと上げながら口を挟む。炎仁がはっとする。
「え、な、撫子って……」
「確かにそちらのお嬢さんのおっしゃるように遅れてしまいますわね! それはまずいですわ! 挨拶は後ほどに致しましょう!」
飛鳥と呼ばれた女性は颯爽と歩き出す。海が呟く。
「学校はこちらですよ……」
「……参りましょうか!」
飛鳥はくるっと反転し、何事もなかったかのように歩き出す。炎仁が感心する。
「三日月さん、詳しいですね」
「……ライバルのことは頭に入れております。データがなにより重要ですから」
「凄いですね……」
「うおおおっ!」
「「「⁉」」」
三人の歩いている脇道からオレンジ色の竜体をしたドラゴンに乗った女子がいきなり現れた。明るい髪色をしており、やや短い毛先を遊ばせているのが印象的で、黒いパンツスーツをやや着崩している。その女子は炎仁たちに気付く。
「おっと、アンタらも競竜学校の生徒か? アタシは朝日青空(あさひあおぞら)! よろしくな!」
「ちょ、ちょっと貴女! ……行ってしまいましたわ。いくら競竜学校だからって、ドラゴンで登校するなんて……」
飛鳥が唖然とした表情で呟く。炎仁が海に尋ねる。
「三日月さん、ひょっとしてあの方のデータも?」
「い、いえ、あのような方のデータは入っておりません……」
海は困惑気味に頭を片手で抑える。数分後、炎仁たちは学校の入口に近づく。
「おっ、人が結構いるな……あれは報道陣? 誰かを囲んでいるのか?」
「ええ、今回のコースの受講者には注目を大いに集める方がいますからね」
「ふっ、取材は極力お控え下さいとSNSでお願いしておりましたのに……これも人気者の宿命ですわね」
「それもゼロではないでしょうけど、一番のお目当ては他の方のようですよ」
「な、なんですって⁉」
海の言葉に飛鳥が驚く。報道陣の声が聞こえてくる。
「紺碧真帆さん! 竜術競技からの転向! 一言意気込みをお願いします!」
「ま、真帆⁉」
思わぬ名前を聞き、炎仁はびっくりする。
「競竜学校の騎手課程短期コースを受講する」
炎仁は鞄から書類を取り出して真帆に見せる。
「こ、これは……」
「俺は……競竜騎手、ジョッキーになる!」
「なんでそんなことに?」
真帆が戸惑いを抑えながら尋ねる。
「えっと……」
炎仁が軽く頭を抱える。真帆が思わず声を上げる。
「納得のいく説明をしてよ!」
「う~ん……」
「う~んって唸ってないで!」
「……『借金』、『女』、『敗北』……かな?」
「あ、あまりにも不穏なワード群!」
「他に上手く説明しようがないんだ……」
「圧倒的な語彙力不足!」
真帆が愕然とする。
「とにかくジョッキーを目指すことになった……」
「この短期コースっていうのは?」
「一年で一人前のジョッキーになることが出来るらしい」
「ふ~ん! そうなんだ!」
「おっと!」
「真帆!」
真帆は自分と炎仁の弁当箱を手際よく包むと、それを自分の机にドンと置き、教室を出ていってしまう。カズミがその後に続く。タケシが呆れる。
「あ~あ」
「相当怒っているようだな」
「お、そういうのは分かるんだな」
「どうすればいい?」
「そりゃあお前、ここは後を追いかけろよ」
「それもそうか。ただ……」
「ただ?」
「何をそんなに怒っているのか分からないんだが……」
「あ~そりゃ下手に謝っても逆効果かもな……」
「どうすればいい?」
「そうだな……」
タケシが炎仁に耳打ちする。ハッとした炎仁は真帆を追って教室を出る。
「……真帆!」
「!」
真帆とカズミは屋上のドアの前にいた。屋上に出ようと思ったが、鍵が無い為、出られなかったのだ。真帆は炎仁を無視して階段を下りようとする。
「真帆! 大事な話がある!」
炎仁の手には屋上に繋がる鍵があった。以前ここで清掃作業をした際に鍵の保管場所を覚えていたため、ちょっと拝借するのは容易なことだった。
「……」
「聞いてくれないか」
「……うん」
「真帆、大丈夫?」
「うん、大丈夫、ありがとう」
「じゃあ、アタシは先に教室に戻っているから」
カズミが去り、炎仁と真帆は屋上に出た。風が気持ちいい午後の空だった。
「う~ん、屋上に出るのも久しぶり……」
「そうか……」
「それで? 大事な話って?」
「あ、ああ、俺が高校の推薦を蹴り、競竜学校へ入るという話だが……なんでまたそういうことになったのかというと……」
「おじいさんが亡くなったことが関係しているの?」
「え! す、鋭いな……」
炎仁は驚いた視線を向ける。少し硬かった真帆の表情が緩む。
「そりゃあ、それくらいの見当はつくわよ……でも、あの牧場はもう競走竜が一頭しかいなかったんじゃなかった?」
「ああ、その一頭、『イグニース』に乗り、撫子瑞穂とレースをすることになった」
「な、撫子瑞穂⁉ 女性のトップジョッキー⁉ なんでまたそんなことに……?」
「まあ、簡単に言えば牧場をかけての真剣勝負だ」
「炎ちゃん、レースの経験は?」
「知っているだろう? あるわけない」
炎仁が笑って首を振る。真帆が聞きづらそうに尋ねる。
「……それで結果は?」
「勝った、俺が」
「ええっ⁉」
「それで牧場の差し押さえは当面は待ってもらえることになった。ただ……」
「ただ?」
「それはそれ、これはこれ! ということでじいちゃんの遺した莫大な借金が俺のもとには残った。これをどうにかしなければ、じいちゃんの大事な宝物が他人の手に渡ってしまう! それだけはどうしても避けたかった……」
炎仁が俯いて拳を握りしめる。真帆が問いかける。
「それで……ジョッキー、競竜騎手になるってこと?」
「ああ、さっき見せた課程に合格すれば、一年でジョッキーになれる! デビュー出来る! 賞金を稼いで、稼いで、稼ぎまくって、借金を返済すれば、晴れてじいちゃんの牧場を取り戻すことが出来る! ……そういう理由だ」
「……ふふっ」
真帆が炎仁の横顔をしばらく見つめた後、笑う。
「な、なんだよ」
「本当にそれだけの理由?」
「え?」
「他にも理由があるんじゃない?」
「……よく分かったな」
「炎ちゃんのことは昔からよく知っているつもりだから」
真帆の笑みにつられ、炎仁も笑う。
「この間のレース、その時は無我夢中でよく分からなかったんだが……」
「……うん」
「後になって徐々に実感が湧いてきたんだ……」
「……うん」
「すごく楽しかった! イグニースだって初めてレースするにも関わらず、堂々とした走りを見せてくれた! 走っているときや滑空するときの風が気持ち良かった! それにジャンプするとき、俺とイグニースの心が一つになったような感覚になれた! あんなことは今まで無かった! 俺はイグニースともっと色々なところを走って、飛んでみたい! 色々な景色を見てみたい! そう思ったんだ!」
「……そっちの方が主な理由になっているんじゃないの?」
「かもしれないな」
真帆の指摘に炎仁は笑った。真帆は屋上の出入り口に戻ろうとする。
「そう、それなら何も言わないわ……だけど……」
「だけど?」
「……一言でも良いから相談して欲しかったな」
「!」
振り返った真帆の頬には一筋の涙が伝っていた。
「ご、ごめん……」
炎仁の謝罪を聞くか聞かないうちに真帆は屋上から校舎へと戻っていく。季節はそれからあっという間に過ぎ去り、炎仁たちは中学卒業の日を迎えた。炎仁と真帆の仲は少しギクシャクしたものになってしまい、この日までほとんどまともな会話らしい会話をすることが無かった。
「……」
「真帆……」
「……じゃあね、炎ちゃん」
「あ、ああ……」
炎仁と真帆は校門のところで別れた。炎仁は心の中のもやもやした気持ちを拭うことがなかなか出来なかったが、すぐに一か月が経過し、競竜学校入学の日を迎えた。炎仁は千葉県のとある駅に下り、バスの停留所に向かう。
「えっと……学校行きのバスは……」
「関東競竜学校はこちらのバスですよ」
藍色の髪を三つ編みにして片側に寄せた、黒いパンツスーツ姿の眼鏡をかけた女子が炎仁に話しかけてきた。小柄な炎仁より一回り小さい。
「え? あ、本当だ、ありがとうございます」
「いえ……」
しばらく待っていると、バスが来て、二人は乗り込む。炎仁は女子に空いている席を譲り、何気なく話しかける。
「貴女も競竜学校へ?」
「ええ、そうですよ、紅蓮炎仁君」
「え? な、なんで、俺の名前を?」
「御爺様のご葬儀でお見かけしましたから」
「は、はあ……」
「私の家も茨城でドラゴンの生産牧場『三日月牧場』をやっているので……」
「そうなんですか」
「三日月海(みかづきうみ)と申します。よろしくお願いします」
「あ、紅蓮炎仁です、こちらこそよろしくお願いします」
炎仁は頭をペコリと下げる。バスはしばらく走った後、炎仁たちの目当てのバス停に停車する。二人がバスを降りた先に、腕を組んだおかっぱボブのヘアスタイルでこれまた黒いパンツスーツ姿の女子が立っている。綺麗に切り揃えられた髪に混ざる桃色のメッシュが特徴的で身長は炎仁と同じくらいである。
「待っていましたわ、紅蓮炎仁! ここで会ったが百年目!」
「ええっ⁉ ど、どちら様ですか?」
「そんなことはどうでもいいですわ!」
「い、いや、どうでも良くはないでしょう?」
「……入学式に遅れますよ、撫子飛鳥(なでしこあすか)さん」
海が眼鏡をくいっと上げながら口を挟む。炎仁がはっとする。
「え、な、撫子って……」
「確かにそちらのお嬢さんのおっしゃるように遅れてしまいますわね! それはまずいですわ! 挨拶は後ほどに致しましょう!」
飛鳥と呼ばれた女性は颯爽と歩き出す。海が呟く。
「学校はこちらですよ……」
「……参りましょうか!」
飛鳥はくるっと反転し、何事もなかったかのように歩き出す。炎仁が感心する。
「三日月さん、詳しいですね」
「……ライバルのことは頭に入れております。データがなにより重要ですから」
「凄いですね……」
「うおおおっ!」
「「「⁉」」」
三人の歩いている脇道からオレンジ色の竜体をしたドラゴンに乗った女子がいきなり現れた。明るい髪色をしており、やや短い毛先を遊ばせているのが印象的で、黒いパンツスーツをやや着崩している。その女子は炎仁たちに気付く。
「おっと、アンタらも競竜学校の生徒か? アタシは朝日青空(あさひあおぞら)! よろしくな!」
「ちょ、ちょっと貴女! ……行ってしまいましたわ。いくら競竜学校だからって、ドラゴンで登校するなんて……」
飛鳥が唖然とした表情で呟く。炎仁が海に尋ねる。
「三日月さん、ひょっとしてあの方のデータも?」
「い、いえ、あのような方のデータは入っておりません……」
海は困惑気味に頭を片手で抑える。数分後、炎仁たちは学校の入口に近づく。
「おっ、人が結構いるな……あれは報道陣? 誰かを囲んでいるのか?」
「ええ、今回のコースの受講者には注目を大いに集める方がいますからね」
「ふっ、取材は極力お控え下さいとSNSでお願いしておりましたのに……これも人気者の宿命ですわね」
「それもゼロではないでしょうけど、一番のお目当ては他の方のようですよ」
「な、なんですって⁉」
海の言葉に飛鳥が驚く。報道陣の声が聞こえてくる。
「紺碧真帆さん! 竜術競技からの転向! 一言意気込みをお願いします!」
「ま、真帆⁉」
思わぬ名前を聞き、炎仁はびっくりする。
0
あなたにおすすめの小説
「美少女157人も召喚できるだと!?」社畜の俺、尖ったトラウマを全部『まあるく』収めて大賢者になる。── やっぱりせかいはまあるいほうがいい
あとりえむ
ファンタジー
『ヒロイン全員 挿絵付き』の異世界セラピーファンタジー。あなたの推しのヒロインは誰ですか?
「やはり、世界は丸いほうがいい……」
過労死した元データアナリスト参 一肆(まいる かずし)が女神様から授かったのは、アホみたいな数式から導き出された究極のハーレム召喚だった。
157人のヒロインたちに埋もれて、尖った世界を『まあるく』浄化しくしていく……
Dカップの村娘からIカップの竜の姫君まで、あらゆる属性のヒロイン達と一緒に、襲い来る「社畜のトラウマ」に立ち向かう。
全人類の半分の夢が詰め込まれた、極上のスキンシップの冒険譚が今開幕する!
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ダンジョン嫌いの元英雄は裏方仕事に徹したい ~うっかりA級攻略者をワンパンしたら、切り抜き動画が世界中に拡散されてしまった件~
厳座励主(ごんざれす)
ファンタジー
「英雄なんて、もう二度とごめんだ」
ダンジョン出現から10年。
攻略が『配信』という娯楽に形を変えた現代。
かつて日本を救った伝説の英雄は、ある事情から表舞台を去り、ダンジョン攻略支援用AI『アリス』の開発に没頭する裏方へと転身していた。
ダンジョンも、配信も、そして英雄と呼ばれることも。
すべてを忌み嫌う彼は、裏方に徹してその生涯を終える……はずだった。
アリスの試験運用中に遭遇した、迷惑系配信者の暴挙。
少女を救うために放った一撃が、あろうことか世界中にライブ配信されてしまう。
その結果――
「――ダンジョン嫌いニキ、強すぎるだろ!!」
意図せず爆増するファン、殺到するスポンサー。
静寂を望む願いをよそに、世界は彼を再び『英雄』の座へと引きずり戻していく。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる