【第1章完】異世界スカウトマン~お望みのパーティーメンバー見つけます~

阿弥陀乃トンマージ

文字の大きさ
31 / 50
第1章

第8話(2)面接

しおりを挟む
「お名前をよろしく……」

 リュートが自己紹介を促す。

「はい。ユキと言います」

「ふむ、責任感が強そうだね~」

 小太りの勇者がニヤニヤと見つめる。

「クラス委員長を務めておりました」

「クラス? 委員長?」

 小太りの勇者が首を傾げる。

「彼女は転生者だ」

「ほう、転生者!」

 リュートの言葉に小太りの勇者が驚く。

「珍しいか?」

「いや、話は聞くが……初めて見るな」

 小太りの勇者がジロジロと見る。

「あ、あの……」

「……ふむ……」

「えっと……」

 ユキが困った様子を見せる。

「そう言われてみると……」

「え?」

「その綺麗な黒髪も、どことなく異世界チックだね~」

「そ、そうですか? 自分ではよく分かりませんが……」

 ユキが自らの髪を触る。

「彼女は光明魔法の使い手だ。魔法に目覚めたばかりで未熟な部分もあるが、元来の生真面目な性格で、どんどんと習得している……」

「ほう、それは頼もしい限りだよね……」

 小太りの勇者が自らのたるんだ顎を撫でながら頷く。

「何か質問は?」

「明るい方が便利だよね?」

「はい?」

「あ、暗い方が好きかな? はっはっは!」

「は、はい……?」

 ユキが首を傾げる。

「……どうだ?」

「合格!」

 小太りの勇者がだらしない笑顔で告げる。

「……それではお名前の方を……」

 リュートが促す。

「えっと、カグラって言います」

「うんうん、活発そうな娘だね~」

「まあ、スポーツばっかりやっていたからね」

「スポーツ?」

 小太りの勇者が首を捻る。

「おじさん、スポーツ知らないの?」

「お、おじさん⁉」

 小太りの勇者が面食らう。

「おじさんはおじさんでしょ」

「ま、まだ二十代なんだけどな~」

「え、嘘だ⁉」

「う、嘘?」

「全然二十代には見えないよ!」

 カグラが小太りの勇者を指差す。

「は、ははは……」

 小太りの勇者が思わず苦笑する。

「……貫禄があるということだろう」

「あ、そ、そうか、なるほどね……」

 リュートの言葉に小太りの勇者が納得する。

「彼女も転生者だ」

「ほう」

「蒼翠魔法の使い手だ。まだ覚えたてだが、伸び代はある」

「蒼翠魔法ってなんだっけそれ?」

 小太りの勇者が首を傾げる。

「……説明すると長くなるが」

「要点だけよろしく」

「はあ……主にサポート系の魔法だと考えればいい」

 リュートがため息まじりで説明する。

「そっか、色々とサポートしてもらっちゃおうかな~? あっはっはっは!」

「えっ……」

 カグラが戸惑う。

「……どうかな?」

「合格だ!」

 小太りの勇者が締まりのない笑顔で告げる。

「それでは、自己紹介をよろしく……」

「マイ……」

 マイが心底面倒くさそうに名乗る。

「ほ~う、強気そうな娘だね~良きかな、良きかな♪」

「ああん?」

 マイが小太りの勇者を睨む。

「おおっ、そういう目つきも実にたまらないね~♪」

「な、なんだ……?」

「見た感じ、さっきのユキちゃんやカグラちゃんと似た雰囲気を感じるのだけれど……?」

 小太りの勇者がリュートに問う。

「察しの通り、彼女も転生者だ」

「やっぱり!」

 小太りの勇者が両手をポンと叩く。

「なにテンション上がってんだよ……」

 マイが目を細める。

「ユキちゃんやカグラちゃんと同じクラス?だったってことだよね?」

「……そうだよ」

「いや~俺もそのクラスに入りたかったな~」

「ああん? てめえの年齢考えろよ」

「て、てめえ⁉」

「なんだ?」

「いや~生意気な言動もまた良きかな~」

「な、なんだよ……?」

「彼女は紅蓮魔法の使い手だ。実にユニークな使い方だ。転生者ならではの発想とでもいうのかな。未熟な点はあるが、さきほどの二人との連携には目を見張るものがある……」

「ほ~う、連携ね~」

「……何か質問は?」

「ユキちゃんとカグラちゃんとは仲が良いのかな?」

「……それを聞いてどうするんだよ? 仲良くなければここまで来ねえよ」

 マイがムスっとした様子で答える。

「そっか~それなら別の意味でも連携出来そうだね~がっはっはっは!」

「は、はあ……?」

 マイが困惑する。

「……どうだい?」

「合格だね!」

 小太りの勇者がいやらしい笑顔で告げる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞 ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。 諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。 そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。 捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。 腕には、守るべきメイドの少女。 眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。 ―――それは、ただの不運な落下のはずだった。 崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。 その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。 死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。 だが、その力の代償は、あまりにも大きい。 彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”―― つまり平和で自堕落な生活そのものだった。 これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、 守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、 いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。 ―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

処理中です...