パーティから追放したのに古代&異世界の知識を得た途端勧誘するなんておかしいと思いませんか、勇者様?~人智を超えた魔法具で成り上がり追放者~

R4Y(レイ)

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第1章 第二の人生

第1話 異世界転生

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 ああ、体が嘘のように軽い。俺は死んでしまったのだろうか……。
「――神原皐月さん。すみません、このような人生になってしまって……」
 謝らないでほしい、俺の運が悪かっただけなんだから。
 そんな俺の心情を見抜いてか、目の前にいるいかにも神話に出て来そうな女神は俺に温情を与えるかのように。
「神原さん、良ければ第二の人生を始めてみませんか?」
 と、話を持ち掛けて来た。
 正直俺としては願ったり叶ったりなのだが、そんな事をして大丈夫なのか、と問いたい。
「大丈夫です。異世界ならあなたの事を誰も知らないので、問題はありません!」
 はっきりと言い切られたが俺の事を誰も知らない、なんていうのはちょっとばかり悲しいな。
「あ、い、いや、そういう事じゃなくてですね!?」
 はは、もちろん分かっている。
 しかし、川のような美しいロングの黒髪と全てを見通すかのような黒い眼。身長は165、だろうか。
 もし俺に彼女が出来るのならこんな人がいいな。
「もうっ! からかわないで下さい!」
 すまない、ちょっとした冗談だ。
 コホン、と仕切り直すように咳をすると、俺の死因を語った。
「さて、あなたは生まれつき体が弱く、現在の医療設備では難しいような病気を患っていて、若くして病死……」
 ああ、あっている。
「そんな充実した日常を送ることの出来なかったあなたには第ニの人生が授けられます」
 もし、それが本当なのなら、俺はこれ以上嬉しい事はない。
「しかし、その対価としてその世界を救って頂きます」
 もし、新しい生活が送れるのなら、その程度の対価など取るに足らない。
「引き受けて頂けますか?」
 ああ、引き受けた。
「では、皐月さん。一度目は散々でしたが二度目の人生では、是非満喫して下さいね!」
 ――その瞬間、俺の意識は落ちていった……。






「……ん……ここは……?」
 俺は死んだはずじゃ……っ!!
「ぐあっ……!」
 頭が……痛い……!
 知らない人の記憶が入ってくる……!
 いや、違う、コレは俺だ、ただそれは"皐月"という俺じゃなくて……。
「"シラン"だ……」
 ……頭痛が引いてきた。一旦状況を整理してみよう。
 まず俺は神原皐月であり、シランだ。
 王都から馬車で2日ほどかかるくらいの田舎の村に生まれた庶民でまだ8歳。ちょっと山菜採りに出かけた時にぶっ倒れたんだと思われる。
 15歳になったら王都にある養成学校に通うことになるからそれまでにある程度力をつけておきたいな……。それに魔法も覚えときたいし。
 さて、第二の人生なんだし、満喫しようか!
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