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叶わない想い
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*
*
*
「う……うぅん…」
森の小道で目を覚ましたキャロラインは、まだはっきりしない頭のままであたりを見渡した。
「ここは……えっと、別荘を抜け出して…それからどうしたのかしら?
どうして私はこんな所に……あ、あなたは!」
キャロラインの目に映ったのは、小さなドラゴンだった。
「まぁ!ドラゴンだわ!
ドラゴンはとっくの昔に絶滅したと聞いていたのに…どうしてこんな所に…」
小さなドラゴンは、短い足でとことことキャロラインの方に近付き、翼を羽ばたかせるとその肩にそっと舞い降りた。
「まぁ、なんて慣れてるのかしら……不思議な子ね。
それにとっても可愛いわ!
ねぇ!あなたも一緒に行きましょうよ!」
*
「キャロライン!こんな時間まで一体どこに行ってたんだ!
皆、心配して探してたんだぞ!」
別荘の門の近くでキャロラインを待ち構えていたトーマスが、目を吊り上げてキャロラインの傍へ駆け寄った。
「ごめんなさい、お兄様!
ちょっと近くまでお散歩に行ってただけなの…」
「なにが散歩だ。
衛兵を二人もぶったおして……
……キャロライン、後ろになにを隠してる?」
「わ、私、何も隠してなんか…」
「あーーーーーっ!」
キャロラインが持ち返ったドラゴンのせいで別荘は大騒ぎとなった。
どうしてもドラゴンを連れて帰ると駄々をこねるキャロラインに根負けし、ドラゴンはプラニクルへ連れて行かれた。
大きくなった時のことを心配する者も少なからずいたが、貴重な生物を調べたいという学者達のたっての希望と、ドラゴンは繁栄の守り神と信じる者達のおかげで、殺されたり元の場所へ返されるようなことはなかった。
ドラゴンは不思議な程キャロラインに懐き、「ベルガー」と名付けられ、どこへ行くにもキャロラインの傍を離れることはなかった。
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「う……うぅん…」
森の小道で目を覚ましたキャロラインは、まだはっきりしない頭のままであたりを見渡した。
「ここは……えっと、別荘を抜け出して…それからどうしたのかしら?
どうして私はこんな所に……あ、あなたは!」
キャロラインの目に映ったのは、小さなドラゴンだった。
「まぁ!ドラゴンだわ!
ドラゴンはとっくの昔に絶滅したと聞いていたのに…どうしてこんな所に…」
小さなドラゴンは、短い足でとことことキャロラインの方に近付き、翼を羽ばたかせるとその肩にそっと舞い降りた。
「まぁ、なんて慣れてるのかしら……不思議な子ね。
それにとっても可愛いわ!
ねぇ!あなたも一緒に行きましょうよ!」
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「キャロライン!こんな時間まで一体どこに行ってたんだ!
皆、心配して探してたんだぞ!」
別荘の門の近くでキャロラインを待ち構えていたトーマスが、目を吊り上げてキャロラインの傍へ駆け寄った。
「ごめんなさい、お兄様!
ちょっと近くまでお散歩に行ってただけなの…」
「なにが散歩だ。
衛兵を二人もぶったおして……
……キャロライン、後ろになにを隠してる?」
「わ、私、何も隠してなんか…」
「あーーーーーっ!」
キャロラインが持ち返ったドラゴンのせいで別荘は大騒ぎとなった。
どうしてもドラゴンを連れて帰ると駄々をこねるキャロラインに根負けし、ドラゴンはプラニクルへ連れて行かれた。
大きくなった時のことを心配する者も少なからずいたが、貴重な生物を調べたいという学者達のたっての希望と、ドラゴンは繁栄の守り神と信じる者達のおかげで、殺されたり元の場所へ返されるようなことはなかった。
ドラゴンは不思議な程キャロラインに懐き、「ベルガー」と名付けられ、どこへ行くにもキャロラインの傍を離れることはなかった。
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