80 / 289
一緒に行こうよ
4
しおりを挟む
*
「あそこなんだけど……」
マシューは、洞窟を指差した。
「じゃあ、俺が見て来るから、様子がおかしかったらすぐに逃げるんだぞ。
そして、自警団の人達に知らせてくれ。」
「キーファ、君、一人で行くつもりなの!?」
「あぁ、相手は強盗犯だ。
あんたを危険な目に会わせるわけにはいかない。
じゃあ、頼んだぜ!」
「あ…キー……」
キーファはマシューが声をかける間もなく、洞窟に向かって走り出した。
(……まさか、いる筈ないよね…)
茂みの中でマシューは息を潜め、じっと様子を見守った。
そのうち、不意に争うような大きな物音と怒号が響き、マシューの心臓は縮みあがる。
(ど、ど、どうしよう!
本当に犯人がいたんだろうか…)
マシューはキーファのことが気になり、様子を見に行こうと考えるが、足がすくんで歩けない。
(…そ、そうだ!
自警団の人達に…!)
マシューは、一度だけ洞窟を振り向いて、震える足を必死に動かしながら自警団の男達を探しに行った。
*
「良くやった!
……でも、こんな無茶なことはもう二度とやるんじゃないぞ!
下手すりゃ、命を落とす事になるんだからな!」
「はい…」
キーファは気まずい顔で、ぼりぼりと頭をかいた。
マシューが自警団の男をみつけ、洞窟へ案内した時、キーファはずいぶん傷付きながらもようやく強盗犯を押さえ込んだ所だった。
かくして、強盗犯は無事に捕えることが出来、マシューとキーファはその無謀な行動をたしなめられながらも称賛された。
「あ~あ…ついに、少年の家の世話になっちまった。」
キーファは、天井をみつめながら小さな溜め息を吐いた。
「仕方ないよ。
君は怪我をしたんだし、僕達、宿に泊まるお金もないんだから。
そんなことより…さっきはごめんね。
僕、助けにも行かなくて……」
「何言ってんだ。
あんたが、自警団の人をみつけて連れて来てくれたから助かったんじゃないか。
あのままだったら、俺は危なかったかもしれない。
これでも力には自信はあったのに、やっぱり俺の力なんてたいしたことないんだな…」
「そんなことないよ!
あの男は、四人の男を倒して金を奪っていったらしいんだ。
とびきり強い奴なんだよ。
それに前科もあるって言ってたから、きっと喧嘩にも慣れてるんだよ。」
「そうだな…やっぱり実戦って大切だよな。」
そう言って、キーファは目を伏せ失笑する。
「あそこなんだけど……」
マシューは、洞窟を指差した。
「じゃあ、俺が見て来るから、様子がおかしかったらすぐに逃げるんだぞ。
そして、自警団の人達に知らせてくれ。」
「キーファ、君、一人で行くつもりなの!?」
「あぁ、相手は強盗犯だ。
あんたを危険な目に会わせるわけにはいかない。
じゃあ、頼んだぜ!」
「あ…キー……」
キーファはマシューが声をかける間もなく、洞窟に向かって走り出した。
(……まさか、いる筈ないよね…)
茂みの中でマシューは息を潜め、じっと様子を見守った。
そのうち、不意に争うような大きな物音と怒号が響き、マシューの心臓は縮みあがる。
(ど、ど、どうしよう!
本当に犯人がいたんだろうか…)
マシューはキーファのことが気になり、様子を見に行こうと考えるが、足がすくんで歩けない。
(…そ、そうだ!
自警団の人達に…!)
マシューは、一度だけ洞窟を振り向いて、震える足を必死に動かしながら自警団の男達を探しに行った。
*
「良くやった!
……でも、こんな無茶なことはもう二度とやるんじゃないぞ!
下手すりゃ、命を落とす事になるんだからな!」
「はい…」
キーファは気まずい顔で、ぼりぼりと頭をかいた。
マシューが自警団の男をみつけ、洞窟へ案内した時、キーファはずいぶん傷付きながらもようやく強盗犯を押さえ込んだ所だった。
かくして、強盗犯は無事に捕えることが出来、マシューとキーファはその無謀な行動をたしなめられながらも称賛された。
「あ~あ…ついに、少年の家の世話になっちまった。」
キーファは、天井をみつめながら小さな溜め息を吐いた。
「仕方ないよ。
君は怪我をしたんだし、僕達、宿に泊まるお金もないんだから。
そんなことより…さっきはごめんね。
僕、助けにも行かなくて……」
「何言ってんだ。
あんたが、自警団の人をみつけて連れて来てくれたから助かったんじゃないか。
あのままだったら、俺は危なかったかもしれない。
これでも力には自信はあったのに、やっぱり俺の力なんてたいしたことないんだな…」
「そんなことないよ!
あの男は、四人の男を倒して金を奪っていったらしいんだ。
とびきり強い奴なんだよ。
それに前科もあるって言ってたから、きっと喧嘩にも慣れてるんだよ。」
「そうだな…やっぱり実戦って大切だよな。」
そう言って、キーファは目を伏せ失笑する。
0
あなたにおすすめの小説
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる