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月を見て
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「哲平、理香、ちょっと来い!」
夕食後、窓の傍で涼んでいた夫が子供達に声をかけ、立ちあがった。
子供達は、すぐにその声に応えた。
「ちょっと!あんた達、夏休みはお手伝いするんでしょ!
食べたら食器を台所まで持って行って!」
「パパ、待って~♪」
私の声などすっかり無視して走り去った子供達…
リビングの扉がバタンと閉じられた途端に、私はなんとも言えない空しさと悲しさに包まれた。
(なによ。
毎日、あんた達の世話をしてるのは私なのに…
夏休みなんて、朝から晩までほとんど一緒にいるくせに…
子供達を叱るいやな役目を押し付けておいて、後はしらん振り。
それでいて、好かれるなんて、男って本当に都合が良いわね。)
私の心の中に、そんなどす黒い妬みや憎しみが渦巻いた。
「ママ~!
ちょっと、お外に来て~♪」
私のそんな気持ちになんて少しも気付いていない明るい娘の声を私は無視した。
「ママ~!
出てきてってば!」
しつこい…!
どうせたいした用じゃないだろうに…
でも、出ていかなきゃ、出て行くまで呼ばれるんだ。
そう思い、不機嫌な顔をして、私は仕方なく外へ出た。
「ママ~!お誕生日おめでとう~♪」
私の姿が見えた途端、三人の声が合わさってそんな言葉が飛んできた。
パパと子供たちの両手には綺麗な花火が色づいている。
(そっか…今日は私の誕生日だったんだ…)
「あ…ありがとう!」
「忘れててごめんな。
ついさっき思い出して…
いや、ちょっと前までは覚えてたんだぞ。
いろいろ考えてたのに、当日になったらころっと忘れてて…」
花火の明かりに夫の照れたような顔が浮かんだ。
「お花もなにもないから、これ、お花の代わり…
綺麗でしょ?」
娘が嬉しそうに花火を差し出す。
「馬鹿!そんなことしたら危ないだろ!
見せてあげるだけで良いんだよ!」
最近、生意気になって来た息子までが、こんなことをしてくれるなんて…
私の胸は、ついさっきまでの苛々も忘れ、温かいもので満たされていた。
「哲平、理香、ちょっと来い!」
夕食後、窓の傍で涼んでいた夫が子供達に声をかけ、立ちあがった。
子供達は、すぐにその声に応えた。
「ちょっと!あんた達、夏休みはお手伝いするんでしょ!
食べたら食器を台所まで持って行って!」
「パパ、待って~♪」
私の声などすっかり無視して走り去った子供達…
リビングの扉がバタンと閉じられた途端に、私はなんとも言えない空しさと悲しさに包まれた。
(なによ。
毎日、あんた達の世話をしてるのは私なのに…
夏休みなんて、朝から晩までほとんど一緒にいるくせに…
子供達を叱るいやな役目を押し付けておいて、後はしらん振り。
それでいて、好かれるなんて、男って本当に都合が良いわね。)
私の心の中に、そんなどす黒い妬みや憎しみが渦巻いた。
「ママ~!
ちょっと、お外に来て~♪」
私のそんな気持ちになんて少しも気付いていない明るい娘の声を私は無視した。
「ママ~!
出てきてってば!」
しつこい…!
どうせたいした用じゃないだろうに…
でも、出ていかなきゃ、出て行くまで呼ばれるんだ。
そう思い、不機嫌な顔をして、私は仕方なく外へ出た。
「ママ~!お誕生日おめでとう~♪」
私の姿が見えた途端、三人の声が合わさってそんな言葉が飛んできた。
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(そっか…今日は私の誕生日だったんだ…)
「あ…ありがとう!」
「忘れててごめんな。
ついさっき思い出して…
いや、ちょっと前までは覚えてたんだぞ。
いろいろ考えてたのに、当日になったらころっと忘れてて…」
花火の明かりに夫の照れたような顔が浮かんだ。
「お花もなにもないから、これ、お花の代わり…
綺麗でしょ?」
娘が嬉しそうに花火を差し出す。
「馬鹿!そんなことしたら危ないだろ!
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最近、生意気になって来た息子までが、こんなことをしてくれるなんて…
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