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遺跡の銅像
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「それで…これからどうすんだよ。」
ビンごと酒をあおったアルルが、不機嫌に問いかけた。
「……さっき、町で聞いてみたんだけど、誰もバンナーのこともターナリア神殿のことも知らなかった。
だから、きっとここからはずいぶん離れてるんだと思うんだ。」
「困りましたね……バンナーは小さな町ですし、これといって目立つ物も何もありませんから、近くの者じゃないとあの町のことを知らないのかもしれませんね。」
「……ったく。
どっちに行けば良いのかさえわからなくて、これからどうすんのよ!
……そういえば、あいつ……どうした?」
「あいつ…?」
カルフが不思議そうに小首を傾げ、そして、すぐに苦々しい顔で頷いた。
「ヴェリエル様なら、先程、このあたりの様子を見てくると出て行かれました。
それにしても遅いですね。
ちょっと見て参ります。」
「……戻って来なきゃ良いのに…」
カルフの口から小さく低い呟き声が漏れた。
「あんた…まだあのことを根に持ってんの?
……男の癖に、女々しい奴…」
アルルはそう言って鼻を鳴らし、また一口酒をあおった。
「女々しくて悪かったな!
あいつは自分が助かりたいがために、僕の肝を差し出そうとしたんだぞ!
そんな天使がいるか!?」
「だけど、あいつは地上に来てからどんどん人間に近付いてるって言ってたし、そのせいなんじゃないの?」
「あのなぁ……わかってんのか!?
肝を取られるってことは、命を取られるってことなんだぞ!」
「あんたがそれをいやなのは良くて、あいつがいやなのはだめだっていうのか?」
「え……?
そ…それはだなぁ…」
カルフは口篭り、そっと俯いた。
「命が惜しいのは誰だって一緒だってことさ。
それがわかったら、もうあいつに冷たくするのはやめておやり。
そうでなくとも、あの子はサンドラの家に行って以来、なんだか元気がなくなってんだからさ。」
その原因が自分だということには少しも気付かず、アルルはカルフの肩を叩いた。
ビンごと酒をあおったアルルが、不機嫌に問いかけた。
「……さっき、町で聞いてみたんだけど、誰もバンナーのこともターナリア神殿のことも知らなかった。
だから、きっとここからはずいぶん離れてるんだと思うんだ。」
「困りましたね……バンナーは小さな町ですし、これといって目立つ物も何もありませんから、近くの者じゃないとあの町のことを知らないのかもしれませんね。」
「……ったく。
どっちに行けば良いのかさえわからなくて、これからどうすんのよ!
……そういえば、あいつ……どうした?」
「あいつ…?」
カルフが不思議そうに小首を傾げ、そして、すぐに苦々しい顔で頷いた。
「ヴェリエル様なら、先程、このあたりの様子を見てくると出て行かれました。
それにしても遅いですね。
ちょっと見て参ります。」
「……戻って来なきゃ良いのに…」
カルフの口から小さく低い呟き声が漏れた。
「あんた…まだあのことを根に持ってんの?
……男の癖に、女々しい奴…」
アルルはそう言って鼻を鳴らし、また一口酒をあおった。
「女々しくて悪かったな!
あいつは自分が助かりたいがために、僕の肝を差し出そうとしたんだぞ!
そんな天使がいるか!?」
「だけど、あいつは地上に来てからどんどん人間に近付いてるって言ってたし、そのせいなんじゃないの?」
「あのなぁ……わかってんのか!?
肝を取られるってことは、命を取られるってことなんだぞ!」
「あんたがそれをいやなのは良くて、あいつがいやなのはだめだっていうのか?」
「え……?
そ…それはだなぁ…」
カルフは口篭り、そっと俯いた。
「命が惜しいのは誰だって一緒だってことさ。
それがわかったら、もうあいつに冷たくするのはやめておやり。
そうでなくとも、あの子はサンドラの家に行って以来、なんだか元気がなくなってんだからさ。」
その原因が自分だということには少しも気付かず、アルルはカルフの肩を叩いた。
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