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遺跡の銅像
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「なんかわかったかい?」
クラウドとヴェリエルは、アルルの言葉も右から左…
あんぐりと口を開けたまま、その視線はどさりとくずおれたカルフに注がれていた。
「ん……?
なんだ、こいつ?
さっきまでなんだかんだと愚痴ってたくせに、もう眠ってるよ。
全く、呑気っていうのか、なんていうのか…」
呆れ顔でカルフをみつめるアルルに気付かれないよう、クラウドは小さく十字を切った。
「あんた達もそんな所に突っ立ってないで座ったらどうなのさ?」
「は…はい、そうですね。」
ヴェリエルは長椅子に腰掛け、クラウドは倒れたカルフを抱き起こし、その後ろに回って両腕を掴むと、気合いを入れた。
「うっ!」
「大丈夫ですか?カルフ様。」
「な、な、ななにがどうした?
今、目の前に大きな星が…」
カルフの上げた額には大きなたんこぶが膨らみ、アルルはそれを見て腹を抱える。
「おいたわしや…今、救急箱を借りて来ますから待ってて下さいね。」
クラウドは憐れみのこもった瞳でカルフをみつめ、次にそれをヴェリエルに移した。
「さぁ、ヴェリエル様、お二人に先程の話を…」
そう言い残し、クラウドは再び部屋を出て行った。
「何なんだよ。
先程の話ってのは…」
「あ…あぁ…
実は、さっき、町の中で聞いたのですが…この先に遺跡があるというのです。」
「遺跡…?
そこに観光に行こうとでもいうの?」
「いえ…
その遺跡には、天使の銅像があり、その天使像に祈れば願いを叶えてくれるという言い伝えが…」
「願いを叶えるだって…?」
アルルは俯き加減に何度も首を振り、手に持った酒瓶をあおって残り全部を飲み干した。
「くっだらない。
あんたら、そんなこと信じてんの?」
アルルは手の甲で口元を拭うと、そんな悪態を吐いた。
「何をおっしゃるんです。
私達は様々な場所で祈りを捧げる人間達の願いを叶えるべく、日夜頑張っていたではありませんか!
ねぇ、カイン様!」
「……カルフ…だ。
僕達はエリート天使であるから、特殊任務ばかりでそういうことはしていないのだぞよ。」
「そうそう。
私達はエリートだから~!」
アルルはそう言うと、下を向いて肩を震わせる。
その様子を横目で睨み、カルフはわざとらしく大きな咳払いをした。
クラウドとヴェリエルは、アルルの言葉も右から左…
あんぐりと口を開けたまま、その視線はどさりとくずおれたカルフに注がれていた。
「ん……?
なんだ、こいつ?
さっきまでなんだかんだと愚痴ってたくせに、もう眠ってるよ。
全く、呑気っていうのか、なんていうのか…」
呆れ顔でカルフをみつめるアルルに気付かれないよう、クラウドは小さく十字を切った。
「あんた達もそんな所に突っ立ってないで座ったらどうなのさ?」
「は…はい、そうですね。」
ヴェリエルは長椅子に腰掛け、クラウドは倒れたカルフを抱き起こし、その後ろに回って両腕を掴むと、気合いを入れた。
「うっ!」
「大丈夫ですか?カルフ様。」
「な、な、ななにがどうした?
今、目の前に大きな星が…」
カルフの上げた額には大きなたんこぶが膨らみ、アルルはそれを見て腹を抱える。
「おいたわしや…今、救急箱を借りて来ますから待ってて下さいね。」
クラウドは憐れみのこもった瞳でカルフをみつめ、次にそれをヴェリエルに移した。
「さぁ、ヴェリエル様、お二人に先程の話を…」
そう言い残し、クラウドは再び部屋を出て行った。
「何なんだよ。
先程の話ってのは…」
「あ…あぁ…
実は、さっき、町の中で聞いたのですが…この先に遺跡があるというのです。」
「遺跡…?
そこに観光に行こうとでもいうの?」
「いえ…
その遺跡には、天使の銅像があり、その天使像に祈れば願いを叶えてくれるという言い伝えが…」
「願いを叶えるだって…?」
アルルは俯き加減に何度も首を振り、手に持った酒瓶をあおって残り全部を飲み干した。
「くっだらない。
あんたら、そんなこと信じてんの?」
アルルは手の甲で口元を拭うと、そんな悪態を吐いた。
「何をおっしゃるんです。
私達は様々な場所で祈りを捧げる人間達の願いを叶えるべく、日夜頑張っていたではありませんか!
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「……カルフ…だ。
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