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傷だらけの掌
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(さて、次はどこへ行こうか…)
魔物討伐の仕事は終わった。
俺は報酬を受け取り、また仕事を求めて別の町へ行く。
俺の仕事はおもに魔物や盗賊の討伐だ。
長かった戦争が終わり、ようやく平和な世の中になるかと思いきや、傷跡から染み出る膿みのような存在が至る所にいた。
混乱に乗じて窃盗や略奪を繰り返す奴らや、敵国の黒魔導師が作り出した禍禍しき魔物の数々…
傭兵上がりの俺を、必要としない町はない。
本当なら、剣を手にしたくは無かった。
探せば他の職だってあるにはあるだろう。
しかし、俺は、あえて握りたくない剣を握った。
それは、おそらく贖罪のような気持ちからだと思う。
その理由は、俺の掌の傷だけが知っている。
地図を広げ、今いる町のあたりに目を落とす。
ここから街道沿いに行くと、道が二股に分かれている。
海側の方へ行くか、それとも山側にするか…
しばらく考えていたがなかなか決められず、俺は地図を畳んで歩き始めた。
どっちに行くかは、歩いているうちに決めれば良い。
分かれ道は思ったよりも近かった。
まだどちらに進むかは決めていないというのに…
すぐ先に迫った分かれ道を目にして、俺がもう一度その選択に想いを巡らそうとしたその時、子供の甲高い悲鳴が俺の耳に届いた。
その声は、山側の道の方から聞こえ、俺の進むべき方向はその時に決まった。
(さて、次はどこへ行こうか…)
魔物討伐の仕事は終わった。
俺は報酬を受け取り、また仕事を求めて別の町へ行く。
俺の仕事はおもに魔物や盗賊の討伐だ。
長かった戦争が終わり、ようやく平和な世の中になるかと思いきや、傷跡から染み出る膿みのような存在が至る所にいた。
混乱に乗じて窃盗や略奪を繰り返す奴らや、敵国の黒魔導師が作り出した禍禍しき魔物の数々…
傭兵上がりの俺を、必要としない町はない。
本当なら、剣を手にしたくは無かった。
探せば他の職だってあるにはあるだろう。
しかし、俺は、あえて握りたくない剣を握った。
それは、おそらく贖罪のような気持ちからだと思う。
その理由は、俺の掌の傷だけが知っている。
地図を広げ、今いる町のあたりに目を落とす。
ここから街道沿いに行くと、道が二股に分かれている。
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しばらく考えていたがなかなか決められず、俺は地図を畳んで歩き始めた。
どっちに行くかは、歩いているうちに決めれば良い。
分かれ道は思ったよりも近かった。
まだどちらに進むかは決めていないというのに…
すぐ先に迫った分かれ道を目にして、俺がもう一度その選択に想いを巡らそうとしたその時、子供の甲高い悲鳴が俺の耳に届いた。
その声は、山側の道の方から聞こえ、俺の進むべき方向はその時に決まった。
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