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風の吹く祠
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風の祠……
それは、この世と地獄とを結ぶと伝えられるおぞましい場所……
言い伝えによれば、そこを訪れたものは死してなお終わる事のない苦痛を味わうことになるのだという。
この世界の誰もがその場所を知りながら、誰もがあえて近寄ろうともしないその場所へ、今、私は向かっている。
これこそが、神に背き、シェリルという愛しき人を不幸にしてしまった私の背負うべき罰だから……
(……ここだな…)
どこにでもありそうな小さな洞窟…そこが、風の祠だ。
幼い頃からずっと耳にして来た記憶が思い出され、なかなか足を踏み入ることが出来ない。
(しっかりしろ…!
私は、それだけの罪を犯したのだぞ!)
自分自身を叱り付け、無理矢理に奮い立たせて足を動かす。
情け無いことに、私の身体はぶるぶると奮えている。
重い足を引きずりながら少しずつ奥へと進む。
だんだんと暗くなり始め、あたりの様子が見えなくなって、私は持っていたランプに火を灯した。
明るくなったことで、ほんの少し気持ちも晴れた。
まだ何の変化もない。
岩の壁に囲まれたただの洞窟だ。
しかし、そのことが却って私を不安にさせた。
「あぁっ!」
不意に吹きつける突風に、私は思わず声を上げた。
まるで、私の侵入を拒むようなその突風に、私は再び向き直った。
私が進むごとに風は勢いを増し、ランプは私の手から離れ、軽い音を立てたのと同時にあたりは真っ暗な闇となった。
それでも、私は引き返すわけにはいかない。
(風よ……
なぜ、私を拒む…!?
私は償いをしに来たのだ。
私の犯した罪を償いに……)
風はますます強さを増す。
息が出来ず、顔を背け、足を踏ん張っても、その勢いに私は何度も転がされた。
まるで、木の葉が舞うように…
身体のあちこちが傷付き、痛む。
しかし、それでも、私は諦めることなく風に向かい続けた。
疲労し、転がされたまま眠っては、また目が覚めると私は風に向かった。
そして、そんなことを何度も何度も繰り返し続けたある時……
…………風が止んだ。
それは、この世と地獄とを結ぶと伝えられるおぞましい場所……
言い伝えによれば、そこを訪れたものは死してなお終わる事のない苦痛を味わうことになるのだという。
この世界の誰もがその場所を知りながら、誰もがあえて近寄ろうともしないその場所へ、今、私は向かっている。
これこそが、神に背き、シェリルという愛しき人を不幸にしてしまった私の背負うべき罰だから……
(……ここだな…)
どこにでもありそうな小さな洞窟…そこが、風の祠だ。
幼い頃からずっと耳にして来た記憶が思い出され、なかなか足を踏み入ることが出来ない。
(しっかりしろ…!
私は、それだけの罪を犯したのだぞ!)
自分自身を叱り付け、無理矢理に奮い立たせて足を動かす。
情け無いことに、私の身体はぶるぶると奮えている。
重い足を引きずりながら少しずつ奥へと進む。
だんだんと暗くなり始め、あたりの様子が見えなくなって、私は持っていたランプに火を灯した。
明るくなったことで、ほんの少し気持ちも晴れた。
まだ何の変化もない。
岩の壁に囲まれたただの洞窟だ。
しかし、そのことが却って私を不安にさせた。
「あぁっ!」
不意に吹きつける突風に、私は思わず声を上げた。
まるで、私の侵入を拒むようなその突風に、私は再び向き直った。
私が進むごとに風は勢いを増し、ランプは私の手から離れ、軽い音を立てたのと同時にあたりは真っ暗な闇となった。
それでも、私は引き返すわけにはいかない。
(風よ……
なぜ、私を拒む…!?
私は償いをしに来たのだ。
私の犯した罪を償いに……)
風はますます強さを増す。
息が出来ず、顔を背け、足を踏ん張っても、その勢いに私は何度も転がされた。
まるで、木の葉が舞うように…
身体のあちこちが傷付き、痛む。
しかし、それでも、私は諦めることなく風に向かい続けた。
疲労し、転がされたまま眠っては、また目が覚めると私は風に向かった。
そして、そんなことを何度も何度も繰り返し続けたある時……
…………風が止んだ。
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