お礼（無謀）企画

魔王の復活

４

＊



 「こら、おっちゃん！
 曲がってるじゃないか！
それに、そんなに深く埋めたんじゃ、芽が出ねぇぞ！」

 「す、すみません！」



あの日以来、私はあの男…ジョナサンの家の居候となっている。
 働かざる者食うべからず…とかで、私は、住まわせてもらう代わりに、奴の手伝いをさせられている。
それだけではない。
 今まではすべて使用人のやっていたくだらない家事までもを手伝わされている。
しかも、『エドワーズ』という私の名前を教えたにも関わらず、ずっと『おっちゃん』と呼ばれている。
それは、私にとってはたいそう屈辱的なことだが、悲しいかな…今の私には、それに従うしか生きる術がないのだ。



ただひとつ幸いなことは、このひなびた田舎町にいれば、私の復活を知られることはないということだ。



 未だ私は復讐を諦めてはいない。
 私を壺に封印したあの者達のことを忘れることなどあるものか！
いつか、魔力を取り戻し、あやつらに復讐してやるのだ！
それまで私の復活は知られない方が良い。



 本心を言えば、すぐにでも奴らに復讐したい。
だが、今は無理だ。
 朝早くから暗くなるまで、私には休む暇などないのだから。



 「おっちゃん！またぼーっとしてる！
 手を動かせ！手を…！」

 「は、はい～っ！」



また叱られてしまった…今日はもう五回目だ。
 私は焦って、また作業に取り掛かった。



 負けるものか…このくらいの逆境に…！
 数千年の時を、私は壺の中で耐え忍んできたのだ…！
それに比べれば、なんのこれしき…！



 私は力を込めて鍬を奮った。
 失われた魔力を取り戻し、また魔王として皆に畏れられあがめられるその日を夢見て…



～fin.