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喋る大樹
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「お~い!誰かいないか~!?」
森の中に、アレクの声が響き渡る。
「……いるよ。」
返された声に、アレクはあたりをきょろきょろと見渡すが、どこにも声の主はみつからなかった。
その刹那…
「だ、誰だ、お前!」
ゆっくりと降りて来たアズロに、アレクは目を丸くした。
「僕?僕はアズロ…」
「アズロ……?
な、なんだって、浮いてるんだ?」
「あぁ…さっきまで空にいたから。」
アズロは悪びれた様子もなく、青い空を指差す。
「空…だって…?」
「そんなことより、君はどうしてこんな所にいるの?
このあたりは、民間人の立ち入りは許されていないはずだけど…」
「民間人…?
どういうことだ?」
二人はかみ合わない会話に、顔を見合わせた。
「えっと…君は誰で、ここで何をしてるのかな?」
「俺はアレク…魔導師だ。
いつものようにギルドの仕事をしてたんだが、突然こんな所に来ていて…俺にもわけがわからないんだ。」
「突然、ここに…?
そうなる前に、何か変わったことはなかった?」
「あった。
俺は家を探してたんだが、その途中で空気の揺らめきみたいな…」
「それだ!」
アズロは、景気良く手を叩いた。
「僕も以前経験があるんだ。
空気の揺らめきみたいなものに触れた途端、今までとはすっかり違う場所に出てしまって…」
「どういうことなんだ?
ここは一体、どこなんだ?」
「ここはセレスだよ。
南の地、ヴァルド。」
「セレス?
ヴァルド?
聞いたことがないな。」
「そりゃあそうだよ。
多分、ここは君の住んでた世界とはまるで違う世界だから。」
アレクは小さく首を傾げる。
「もっとわかりやすく話してくれないか?」
「つまり…ここは異世界だってこと。」
「異世界?……つまらない冗談は止せよ。」
アズロは真面目な顔で首を振る。
「……どういうことだ?」
「だから、ここが異世界だっていうのは冗談なんかじゃないってことだよ。
この森はね、ちょっと不思議な場所で、だからこそ、民間人の立ち入りは禁止されてるんだ。」
「じゃあ、おまえは民間人じゃないってことだな。」
「ま、ね。
そんなことより、まずは場所を移動しよう。
この先にゆっくり出来る場所があるから。」
森の中に、アレクの声が響き渡る。
「……いるよ。」
返された声に、アレクはあたりをきょろきょろと見渡すが、どこにも声の主はみつからなかった。
その刹那…
「だ、誰だ、お前!」
ゆっくりと降りて来たアズロに、アレクは目を丸くした。
「僕?僕はアズロ…」
「アズロ……?
な、なんだって、浮いてるんだ?」
「あぁ…さっきまで空にいたから。」
アズロは悪びれた様子もなく、青い空を指差す。
「空…だって…?」
「そんなことより、君はどうしてこんな所にいるの?
このあたりは、民間人の立ち入りは許されていないはずだけど…」
「民間人…?
どういうことだ?」
二人はかみ合わない会話に、顔を見合わせた。
「えっと…君は誰で、ここで何をしてるのかな?」
「俺はアレク…魔導師だ。
いつものようにギルドの仕事をしてたんだが、突然こんな所に来ていて…俺にもわけがわからないんだ。」
「突然、ここに…?
そうなる前に、何か変わったことはなかった?」
「あった。
俺は家を探してたんだが、その途中で空気の揺らめきみたいな…」
「それだ!」
アズロは、景気良く手を叩いた。
「僕も以前経験があるんだ。
空気の揺らめきみたいなものに触れた途端、今までとはすっかり違う場所に出てしまって…」
「どういうことなんだ?
ここは一体、どこなんだ?」
「ここはセレスだよ。
南の地、ヴァルド。」
「セレス?
ヴァルド?
聞いたことがないな。」
「そりゃあそうだよ。
多分、ここは君の住んでた世界とはまるで違う世界だから。」
アレクは小さく首を傾げる。
「もっとわかりやすく話してくれないか?」
「つまり…ここは異世界だってこと。」
「異世界?……つまらない冗談は止せよ。」
アズロは真面目な顔で首を振る。
「……どういうことだ?」
「だから、ここが異世界だっていうのは冗談なんかじゃないってことだよ。
この森はね、ちょっと不思議な場所で、だからこそ、民間人の立ち入りは禁止されてるんだ。」
「じゃあ、おまえは民間人じゃないってことだな。」
「ま、ね。
そんなことより、まずは場所を移動しよう。
この先にゆっくり出来る場所があるから。」
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