深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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運命の出会い

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その晩、ジェロームはおかしな気配に目を覚ました。



「待っていたぞ…」

ジェロームは、黒い宝石に静かに語りかける…



(おまえには私の声が聞こえるのか…?)



「あぁ、よく聞こえる。
生身の人間と話をしているようにな。」

(やっと巡り合えた…
私の望む人間に…
今まで、数多くの人間の所へ行ったが、ほとんどの者には私の声さえ届かなかった…
たまに聞こえたと思えば、そういう奴らは気味悪がって宝石を手放した。)

「貴公はなぜそんな所に封じ込められておるのだ?」

(……封じ込められてるだけではないぞ…)

石の中の声が、小さく笑う…



「いろいろと楽しい話がありそうだな…」

ジェロームもそれに微笑を返した。



(早速だが…私をここから出してはくれぬか?)

「そこから出てどうする?
私を器として使うつもりか?」

(……!!
おまえは私の正体を知っているのか?)

「知っているというわけではないが…貴公の光は正しき光ではない。
とても邪なもの…
しかも、宝石に封じ込められているとなれば、その正体はおのずとわかるというものだ。
リュタンにやられたのか?
あんな小さな奴らにやられてしまうとは、ずいぶんとヘマをしたものだな…」

ジェロームは、そう呟きながら鼻で笑った。



(これにはいろいろと深い事情があってな…
リュタンだけにやられたというわけではないのだ。
私の正体がわかっているなら話は早い。
どうだ?私とその器を共有しないか?
その器は、私にとっても申し分ないもの…
それにおまえにとっても損はないと思うぞ。
私と組めば、おまえの美しいその姿はこれから先、年をとることがない…
老いる事なく美しいままでいられるのだ。
その上、普通の人間にはない力を得ることが出来るのだぞ。)

「あいにくだが、そんな分の悪い取引はごめんだな…」

(なんと…!)

「それから…おまえ呼ばわりはやめていただこう。
私は、貴公の行く末を握る人間なのだぞ。」

(…すまなかった。
では、名を教えていただけるか…?)

「我が名はジェローム…
して、貴公の名は?」

(我は……ルシファー…) 


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