深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
14 / 355
運命の出会い

しおりを挟む
(……私に断ること等出来ないことはわかっているくせに…
そなたはずいぶんと意地の悪い男だな。
しかし、それならば、私はどうなる?私の器は…
高位悪魔を探す間も、器は必要になるのだぞ。)

「それなら心配ない。
貴公に打って付けの器があるのだ。
これ以上ない程の器がな…」

そう言うと、ジェロームは黒い宝石を手に部屋を出た。
長い廊下を進み、ジェロームは突き当たりの部屋へ向かった。



「ベルナール…起きていたのか…」

月明かりの注がれる窓際に、華奢な男性が佇んでいた。
ジェロームの声でゆっくりと振り返ったその顔が、突然怯えたような表情に変わる。



「少しは眠らないと身体に良くないぞ…」

ジェロームは、ベルナールと呼ばれる男性の絹糸のように細くしなやかな金の髪をなで、透き通るような白い肌を両手で包み込むと、桜色のその唇に自分の唇をねっとりと重ね合わせた。
ベルナールは、ジェロームにされるがまま人形のように立ち尽している。



「どうだ、ルシファー…とても美しい器だろう…?」

ジェロームは、そう呟くと無造作にベルナールの着ていたものを剥ぎ取った。



「見ろ…この身体を…この所、少し筋肉が落ちたが、まるで彫刻家が綿密に計算し尽くして作りあげたようだとは思わないか?
体力的にもほぼ問題はない。
知能も悪くはなかった。
どうだ、ルシファー…これ以上の器はめったに手には入らぬぞ…」

ジェロームは後ろから両手でベルナールの身体を包み込み、その首筋に熱い吐息と舌を這わせる…



(なるほど…華奢ではあるが美しさでは申し分のない器だ…
しかし、その者は…)

「こやつは旅先で偶然にみつけたのだ。
貧乏貴族のせがれでな…
養子に迎えたいと金を積んだら、こやつの両親は二つ返事で応じよった。
だが、残念なことにこやつの心は思ったよりも脆かった。
ほんの少し可愛がってやっただけで、こやつの心はあっさりと壊れてしまったのだ。
心を失くした者を抱いても面白くはないのだが、そうはいってもこの美しさだ…捨てるには惜しい。
それでこうして住まわせておいたのだが…まさかこんな風に役に立つことが来るとはな…
不思議なものだな…」


(なるほど、そういうことか…
そなたに見初められてしまうとは、不幸な男だな。
こんなになってしまうとは、どんな可愛がり方をされたのやら…
とにかく、これで取引は成立だ。
ジェローム、すぐに私をここから出してくれ。)
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最強のチート『不死』は理想とはかけ離れていました ~ 人と関わりたくないので史上最強の家族と引きこもりを目指したいと思います

涅夢 - くろむ
ファンタジー
何をやってもうまくいかなかった前世。人間不信になってしまった超ネガティブ中年。そんなおっさんが転生時に見つけてしまった「不死」という能力。これで悠々自適なスローライフが確実なものに……。だがしかし、最強のチート能力であるはずの「不死」は理想とはかけ離れていた。 『え!?なんでワカメ!?』 うっかり人外に身を落としてしまった主人公。謎の海藻から始まる異世界生活。目的からかけ離れた波乱万丈の毎日が始まる……。 いくら強くなっても不安で仕方ない。完璧なスローライフには憂いがあってはならないのだ!「創造魔法」や「寄生」を駆使して生き残れ! なるべく人と関わりたくない主人公が目指すは「史上最強の引きこもり」 と、その道連れに史上最強になっていく家族の心温まるほっこり生活もお送りします。 いや、そっちがメインのはず…… (小説家になろうでも同時掲載中です)

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

魚夢ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった

ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。 学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。 だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。 暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。 よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!? ……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい! そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。 赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。 「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」 そう、他人事のように見送った俺だったが……。 直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。 「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」 ――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。

世の中は意外と魔術で何とかなる

ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。 神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。 『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』 平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。

王宮メイドは今日も夫を「観察」する

kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」 王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。 ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。 だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……? ※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。

いつまでもドアマットと思うなよ

あんど もあ
ファンタジー
二年前に母を亡くしたミレーネは、後妻と妹が家にやって来てからすっかり使用人以下の扱いをされている。王宮で舞踏会が開催されるが、用意されたのは妹のドレスだけ。そんなミレーネに手を差し伸べる人が……。

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

処理中です...