深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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運命の出会い

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「どうすれば良い?」

(簡単なことだ。
私をここから出したいと念じながら、宝石を潰してくれれば良い。
ジェローム、そなたにはそれが出来る…
いや、それが出来るのはそなただけなのだ!)

「わかった…
しかし、その前にやることがある。
少しだけ待っていてくれ。」

しばらくして戻って来たジェロームは、ベルナールの首に銀のロザリオを架けた。



(それは何の真似だ…)

「……鋭いな、やはりわかったか?
これは、まぁ、保険のようなものだな。
貴公のことを信じていないというわけではないが、万一ということもあるからな。
なに…貴公が約束を守ってくれればすぐにはずしてやるさ…
では、今、そこから出してやるからな…」

ジェロームは、黒い宝石を両手で包み込み、渾身の力を込めた。
ジェロームの身体が小刻みに震え出し、額からは玉のような汗が噴き出した。
荒い呼吸の音だけが部屋に響く…



(ジェローム、あと少しだ!
頑張ってくれ!!)

「はぁーーーーーっ!!」

ジェロームの口から気合いのこもった叫び声が飛び出し、ベルナールはその声に瞳を大きく見開いた。
その刹那、乾いた音を立ててジェロームの手の中の宝石が砕け散った。
ジェロームの掌からは真っ赤な血が滴り落ちる…



その瞬間、ベルナールの背中がびくんと大きくのけ反った。
束の間の後、俯くベルナールの喉の奥から低い笑い声が響く…



「……素晴らしい…」

ベルナールが小さな声を発した。



「ルシファー…なのか…?」

「……あぁ……」

「どうだ…新しい器の感触は…?」

「とても良い…
ジェローム、感謝しているぞ…
実体があるということがこれほどまでに心地良いものだったとはな…」

「もっと良い気持ちにさせてやろう…」

ジェロームの力強い腕がベルナールの身体を抱き締め、激しい口付けを浴びせる。



「良い目だ…
心を持った目はやはり違うものだな…
それが善だろうと悪だろうとな…」

「なんなら、本当のベルナールのように泣き叫んで見せようか?」

「いや、結構だ…私は演技されるのは好きではないのでな…」

「では…自然体で楽しませて差し上げよう…
あの忌まわしい宝石から出していただいたお礼にな…
ただし……こういうことは、これが最初で最後だ…」

ベルナールは、ジェロームの手の平の血を優しく舐めとる。
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