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運命の出会い
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*
「残念だな…
これが最初で最後だとは…」
ジェロームが片肘を着き、ベルナールの顔を見下ろしながらそっと呟いた。
「何を…
そなたは近いうちに永遠の命を手に入れるのだ。
長い年月の間には、もっと美しく愉しい玩具にいくらでも巡り合えるさ…」
「そうだと良いのだがな…」
ジェロームは、ほつれたベルナールの前髪を優しく撫でつけた。
「……さて…これからは忙しくなる。
そろそろ起きるか…」
「もう少しくらい良いではないか…」
起きあがろうとするベルナールの肩にジェロームが腕を回した。
「いや…私にはやらなければならないことがあるのでな…」
ジェロームは、微笑みながらそう語るベルナールの瞳の中に強い決意を感じ渋々腕をひいた。
「……冷たい男だな…」
「そなた程ではないと思うが…」
二人は顔を見合わせて微笑んだ。
*
朝食の場に、予期せぬベルナールが現れたことで、ジェロームの家の使用人達は目を丸くして驚いた。
「この通り、ベルナールは元気になった。
皆には世話をかけたが、これからはもうその必要はない…」
ジェロームに寄り添うベルナールに使用人達の羨望の眼差しが集まる。
「これから私は使用人達に苛められそうだな…」
ベルナールはジェロームの耳元でそっと囁く。
「そんなものに屈する貴公ではあるまい。
ただ…皆は私がベルナールのことを気に入っていたことはよく知っている。
それゆえ、使用人達の前ではそれなりの態度を見せてくれよ。」
「あぁ…わかっている…
……それで、これからのことだが…」
「私にふさわしい悪魔探しだな。
それには少しあてがある…
すぐに連絡を取るから、待っていてくれ。」
*
次の日、ジェロームの屋敷をシャンプティエという宝石商が訪れた。
「ベルナール、あれだ…」
「あぁ、すぐにわかった…」
扉の隙間からのぞく二人の視線は、シャンプティエの隣の男性に注がれた。
やや陰気な印象はあるが、どこにでもいそうなごく普通の男だ。
黒い髪に黒い瞳、中肉中背で年の頃は三十半ばと言った所だ。
「残念だな…
これが最初で最後だとは…」
ジェロームが片肘を着き、ベルナールの顔を見下ろしながらそっと呟いた。
「何を…
そなたは近いうちに永遠の命を手に入れるのだ。
長い年月の間には、もっと美しく愉しい玩具にいくらでも巡り合えるさ…」
「そうだと良いのだがな…」
ジェロームは、ほつれたベルナールの前髪を優しく撫でつけた。
「……さて…これからは忙しくなる。
そろそろ起きるか…」
「もう少しくらい良いではないか…」
起きあがろうとするベルナールの肩にジェロームが腕を回した。
「いや…私にはやらなければならないことがあるのでな…」
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「……冷たい男だな…」
「そなた程ではないと思うが…」
二人は顔を見合わせて微笑んだ。
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朝食の場に、予期せぬベルナールが現れたことで、ジェロームの家の使用人達は目を丸くして驚いた。
「この通り、ベルナールは元気になった。
皆には世話をかけたが、これからはもうその必要はない…」
ジェロームに寄り添うベルナールに使用人達の羨望の眼差しが集まる。
「これから私は使用人達に苛められそうだな…」
ベルナールはジェロームの耳元でそっと囁く。
「そんなものに屈する貴公ではあるまい。
ただ…皆は私がベルナールのことを気に入っていたことはよく知っている。
それゆえ、使用人達の前ではそれなりの態度を見せてくれよ。」
「あぁ…わかっている…
……それで、これからのことだが…」
「私にふさわしい悪魔探しだな。
それには少しあてがある…
すぐに連絡を取るから、待っていてくれ。」
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次の日、ジェロームの屋敷をシャンプティエという宝石商が訪れた。
「ベルナール、あれだ…」
「あぁ、すぐにわかった…」
扉の隙間からのぞく二人の視線は、シャンプティエの隣の男性に注がれた。
やや陰気な印象はあるが、どこにでもいそうなごく普通の男だ。
黒い髪に黒い瞳、中肉中背で年の頃は三十半ばと言った所だ。
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