深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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運命の出会い

20

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「伯爵、大変です!
シャンプティエさんのお店の方が…」

「何…?」

ジェロームとシャンプティエが玄関ホールへ向かうと、そこには息も絶え絶えのロクシーが転がっていた。



「ロクシー!!」

「この者を離れへ運べ!
それと、シャルル医師をすぐに呼ぶのだ!」

「伯爵!
あの…実はこの者は…」

シャンプティエは、焦ったように言葉を言いかけそして口ごもった。



「…シャンプティエ…私にそんなことがわからぬと思っていたのか?」

ジェロームの低い声にシャンプティエは瞳を大きく見開いた。



「安心しろ…シャルルという医者は人間以外も診られるのだ。」

「ジェローム様……」

シャンプティエはそのまま黙って俯いた。



「ベルナール、何があったのだ?」

「はい、伯爵のご用を済ませて帰ろうとしていたら、急におかしな奴らに囲まれまして…
相手は5人の屈強な男達でしたが、ロクシーさんは命がけで僕を守って下さったんです…」

「そうだったのか…
怖い想いをしたな…
おぉ…おまえも手に怪我をしているではないか…早く手当てをせねば…」

ジェロームは、ベルナールの傷付いた拳の血を丹念に舐め取った。



「シャンプティエ、あの者は治るまでこちらで面倒をみる。
本当によくやってくれた。
それと、今日持って来た宝石は全部置いていけ。
金はフレディに請求すれば良い。」

「あ、あれを、ぜ、全部でございますか!?」

「あぁ、ベルナールを守ってくれたお礼だ。」

「あ…ありがとうございます!ジェローム様!!」

シャンプティエは身体が二つに折れ曲がるほど、深く頭を下げた。







「どういうつもりだ?
ロクシーになぜあんな真似を…」

「なに…少し礼をしたまでだ。
私をアレクシスに売ってくれたことへのな。」

ベルナールは笑いを噛み殺す。



「たいそうなお礼だな。
しかし、それなら、なぜ、止めを刺さなかった?」

「あんな奴でも、この先、まだ使い道があるのではないかと思ってな。」

「それなら、あれはやりすぎだ…」

「あいつの顔を見ていたら、つい苛々してしまってな…
気の短いのが私の悪い所だ。」

ベルナールはそう言って静かに笑った。
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