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運命の出会い
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「そういう時は道具を使え。
自分の器を傷付けてはいかん。
こんなに美しいのだからな…」
「今度からはそうしよう…」
「それで、これから先、どうするつもりなんだ?」
ベルナールは黙って微笑み、ジェロームに唇を重ねた。
「秘密ってわけか…
仕方がないな、好きにしろ…
協力出来ることがあればなんでも言ってくれ。」
「ずいぶんと優しいのだな。」
「惚れた弱みというやつだな…」
*
*
*
一週間程が経ち、ロクシーはようやく少しずつ起きあがれるようになった。
それまでの数日間は、身体を動かすことさえ出来なかったのだ。
ロクシーは、部屋を出てひさしぶりの外の空気を楽しんだ。
「ずいぶんと元気になったようだな。」
突然のベルナールの訪問に、ロクシーは身を固くした。
「こ、これは、ベルナール様!
は、はい、おかげさまで…」
「今日はおまえに尋ねたいことがあるのだ…」
「は、はい、何でしょうか?」
「このあたりで不思議な力を持っている…または、悪魔と契約を交わしているような者に心当たりはないか?」
「悪魔と契約を…ですか?」
ロクシーの話によると、貴族の中にもそういう者はいるにはいるが、それは一時的なものがほとんどで、しかも、それほど高位の悪魔ではないということだった。
「そんなことなら、こちらのジェローム様に勝る方はいらっしゃいませんよ。
しかも、ジェローム様はそういった情報にも広く通じていらっしゃる。
なぜ、ジェローム様にお尋ねにならないので…?」
「……彼にはあまり借りを作りたくないのだ…
しかし、おまえは本当に使えない奴だな…もう良い。
もうシャンプティエの元へ戻れ。
用があったら、また連絡する。」
「は…はいっ…では…また…」
ロクシーは足を引きずりながら部屋に戻った。
(なんてことだ…
結局は、ジェロームの世話にならねばならんとはな…)
ベルナールは、肩を落とし深い溜息を吐いた。
自分の器を傷付けてはいかん。
こんなに美しいのだからな…」
「今度からはそうしよう…」
「それで、これから先、どうするつもりなんだ?」
ベルナールは黙って微笑み、ジェロームに唇を重ねた。
「秘密ってわけか…
仕方がないな、好きにしろ…
協力出来ることがあればなんでも言ってくれ。」
「ずいぶんと優しいのだな。」
「惚れた弱みというやつだな…」
*
*
*
一週間程が経ち、ロクシーはようやく少しずつ起きあがれるようになった。
それまでの数日間は、身体を動かすことさえ出来なかったのだ。
ロクシーは、部屋を出てひさしぶりの外の空気を楽しんだ。
「ずいぶんと元気になったようだな。」
突然のベルナールの訪問に、ロクシーは身を固くした。
「こ、これは、ベルナール様!
は、はい、おかげさまで…」
「今日はおまえに尋ねたいことがあるのだ…」
「は、はい、何でしょうか?」
「このあたりで不思議な力を持っている…または、悪魔と契約を交わしているような者に心当たりはないか?」
「悪魔と契約を…ですか?」
ロクシーの話によると、貴族の中にもそういう者はいるにはいるが、それは一時的なものがほとんどで、しかも、それほど高位の悪魔ではないということだった。
「そんなことなら、こちらのジェローム様に勝る方はいらっしゃいませんよ。
しかも、ジェローム様はそういった情報にも広く通じていらっしゃる。
なぜ、ジェローム様にお尋ねにならないので…?」
「……彼にはあまり借りを作りたくないのだ…
しかし、おまえは本当に使えない奴だな…もう良い。
もうシャンプティエの元へ戻れ。
用があったら、また連絡する。」
「は…はいっ…では…また…」
ロクシーは足を引きずりながら部屋に戻った。
(なんてことだ…
結局は、ジェロームの世話にならねばならんとはな…)
ベルナールは、肩を落とし深い溜息を吐いた。
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