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運命の出会い
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「ジェローム…少々尋ねたいことがあるのだが…」
いつもとは少し違うベルナールの控えめな態度に、ジェロームの瞳が妖しく光る…
「どうしたんだ?
ここ数日、なにやら考えこんでいるようだったが…
なんだ、深刻な話か?」
「悪魔と手を組んでいる者…もしくは、特別な力を持っている者に心当たりはないだろうか?」
「特別な力か…
貴公は、悪魔の中でも高位の悪魔。
相当な能力の持っているはず…
その貴公が、言う『特別な力』とはどういう力のことなのだ?
一体、何を考えている?」
「それは……」
「それは言えぬのか…
ならば、残念だが私も協力のしようがないな…」
ジェロームはそう言って、冷たくそっぽを向いた。
「ジェローム…またそんなことを…」
「しかし、その通りではないか。
何を求めているのかわからぬ者には、私とて何を与えて良いのかわからぬ。」
ジェロームは静かにそう話しながら、ベルナールの長い髪を優しく撫でた。
「……そなたには負けた…正直に話そう。
実は……私は、本来この時代の者ではない。
リュタンによって、過去へ投げ出されてしまったのだ…」
ベルナールは、ミューラントによって過去に飛ばされたこと、そして、思わぬ偶然から、リュタンの村を出られたことをジェロームに話して聞かせた。
「そんなことがあったのか…
それで、貴公は元の時代に帰り、ミューラントに復讐をすると…?」
「いや…おそらくミューラントはもうこの世にはいまい。
奴は自らの命を賭して私を過去に送ったはずだ。
だが、残念なことに奴の力はあと少し足りなかったようだ…
ファーリンドやダイナールの時代に飛ばされていたら…私は、今ここにいることはなかっただろうな…」
「その名は聞いたことがある。
ファーリンドというのは先代のリュタンの王だな。
最近、オヴェロンという者に変わったと聞くぞ。」
「そうだったのか…!
では、本当にほんの僅かな誤差だったのだな…
……ツイていた…私はギリギリの所で助かっていたのだな…」
「しかも、たまたま人間がそれを外へ持ち出すとはな…
ツイているどころの話ではないぞ…
その上、私の所へやってきた…
これ以上の幸運はないぞ…そうは思わぬか?」
ジェロームは後ろから腕を回し、ベルナールの身体を抱き締めた。
「……そうかもしれないな…」
「本当にそう思っているのか?」
「もちろんだ…」
ベルナールは振り向き、ジェロームの唇に自ら熱い唇を重ねた。
「ジェローム…少々尋ねたいことがあるのだが…」
いつもとは少し違うベルナールの控えめな態度に、ジェロームの瞳が妖しく光る…
「どうしたんだ?
ここ数日、なにやら考えこんでいるようだったが…
なんだ、深刻な話か?」
「悪魔と手を組んでいる者…もしくは、特別な力を持っている者に心当たりはないだろうか?」
「特別な力か…
貴公は、悪魔の中でも高位の悪魔。
相当な能力の持っているはず…
その貴公が、言う『特別な力』とはどういう力のことなのだ?
一体、何を考えている?」
「それは……」
「それは言えぬのか…
ならば、残念だが私も協力のしようがないな…」
ジェロームはそう言って、冷たくそっぽを向いた。
「ジェローム…またそんなことを…」
「しかし、その通りではないか。
何を求めているのかわからぬ者には、私とて何を与えて良いのかわからぬ。」
ジェロームは静かにそう話しながら、ベルナールの長い髪を優しく撫でた。
「……そなたには負けた…正直に話そう。
実は……私は、本来この時代の者ではない。
リュタンによって、過去へ投げ出されてしまったのだ…」
ベルナールは、ミューラントによって過去に飛ばされたこと、そして、思わぬ偶然から、リュタンの村を出られたことをジェロームに話して聞かせた。
「そんなことがあったのか…
それで、貴公は元の時代に帰り、ミューラントに復讐をすると…?」
「いや…おそらくミューラントはもうこの世にはいまい。
奴は自らの命を賭して私を過去に送ったはずだ。
だが、残念なことに奴の力はあと少し足りなかったようだ…
ファーリンドやダイナールの時代に飛ばされていたら…私は、今ここにいることはなかっただろうな…」
「その名は聞いたことがある。
ファーリンドというのは先代のリュタンの王だな。
最近、オヴェロンという者に変わったと聞くぞ。」
「そうだったのか…!
では、本当にほんの僅かな誤差だったのだな…
……ツイていた…私はギリギリの所で助かっていたのだな…」
「しかも、たまたま人間がそれを外へ持ち出すとはな…
ツイているどころの話ではないぞ…
その上、私の所へやってきた…
これ以上の幸運はないぞ…そうは思わぬか?」
ジェロームは後ろから腕を回し、ベルナールの身体を抱き締めた。
「……そうかもしれないな…」
「本当にそう思っているのか?」
「もちろんだ…」
ベルナールは振り向き、ジェロームの唇に自ら熱い唇を重ねた。
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