深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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策略

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「ねぇ、ベルナール、少し散歩にでかけない?」

次の日の夕食後、シャルロットが唐突にそう言った。



「そうだね。
どこへ行くんだい?」

「ふふふっ…内緒よ…」

ランプを持って二人は別荘を出た。
シャルロットは、行き先を決めているかのように目的を持った足取りでまっすぐに進んで行く。



「シャルロット、どこに行くんだい?」

「もう少しよ。」

別荘を出てから、小一時間程歩いた頃、二人は小高い丘の上にいた。



「ここよ。思ってたより近かったのね。
子供の頃はもっと遠いと思ってたわ。」

「シャルロット、ここはもしかして…」

「ベルナール、見て…」

夜空には、宝石を巻き散らかしたような無数の星々がきらきらと瞬いていた。



「とても綺麗だ…
星に手が届きそうだね。」

「そうでしょう?」

「シャルロット、こうやって寝転んだ方がよく見えるよ!」

大地の上に横になるベルナールに倣い、シャルロットも同じように寝転がって空を仰いだ。



「本当に綺麗…」

「シャルロット…」

「あ…ベルナール…!」

シャルロットの唇に、突然、ベルナールの熱い唇が重なった。
何が起こったか理解する間もなく、シャルロットは初めての心地良い感触に酔いしれた。



「ごめん…シャルロット…」

身体を起こしたベルナールが、そう言ってシャルロットに背を向けた。



「どうして謝るの?」

「だって……シャルロット、怒ってないの?」

「怒るわけないでしょう?
私達は婚約者同士よ。
愛し合ってるのよ。
それより…昨夜はどうしてキスしてくれなかったの?
私、もしかして、あなたに嫌われてるんじゃないかと心配になったわ…」

「違うよ!
ただ…君にキスしてしまったら、僕はそれ以上のことを求めてしまいそうで…
自分の理性が抑えられるかどうか自信がなくて…
そんなことしたら君に嫌われるかもしれないってそのことが怖かったから…」

「馬鹿ね…ベルナールったら…」

シャルロットが、ベルナールの手を取って立ち上がった。



「別荘はこの近くなの。」

二人は、手を繋ぎ寄り添いながら夜道を歩き出した。
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