55 / 355
策略
18
しおりを挟む
「あれよ。」
扉の向こう側にあったのは、ごくありきたりな井戸だった。
(これが、時の奈落…)
ランプの灯かりをかざしてもは井戸の中は暗くてなにも見えない。
ベルナールは、袖のボタンをひきちぎり、井戸に投げ捨てた。
しかし、その後、小さな物音ひとつ立たなかった。
「ね?わかったでしょう?この井戸は底がないのよ。
もう良いでしょう?
帰りましょうよ、私、なんだかここは怖いわ…」
「そうかな…僕はここにいると…妙に欲情してしまう…
誰もいない地下の隠し部屋なんて、なんだかわくわくしないかい?
ねぇ、シャルロット…」
ベルナールは、シャルロットに口付けた。
いつもよりもずっと激しく…
「ベルナール…」
シャルロットの頬が染まり、瞳を潤ませながらベルナールにしなだれかかる。
「シャルロット、その前に葡萄酒を選んで来てくれないかな?
ここには良い葡萄酒がたくさんありそうだね…
僕が昨夜よりもっとワイルドになれそうな葡萄酒を選んで来ておくれ…」
そう言って、ベルナールは悪戯っぽい顔で目くばせをする。
「ベルナールったら…
待っててね、すぐに戻ってくるわ…」
シャルロットがベルナールに口付け、部屋を出ていくと、ベルナールはすぐに靴を脱いだ。
自分のいた時代が何年後のことなのかははっきりとはわからない…
だが、それを知る術もないのだ。
失敗すれば、困ったことになる。
いや、最悪の場合は時の奈落とやらに飛ばされて命を落とすことになるかもしれない…
しかし、それでもやるしかない…!
ベルナールの心は決まった。
今一度、井戸の中をのぞきこみ、ベルナールは井戸の縁に足をかけた。
(どうか、あの時代へ…
もう一度、ケイトとオルジェの息子に乗り移り、今度こそ奴らを酷い目にあわせてやる!!あの人間共に、そしてリュタン達と…アズラエルに…自ら死にたくなるほどの制裁を加えてやる!
どうか…どうか、あの時代へ…!!)
ベルナールは、噴き出しそうな熱い想いを胸に、真っ暗な井戸の中へ飛び込んだ。
扉の向こう側にあったのは、ごくありきたりな井戸だった。
(これが、時の奈落…)
ランプの灯かりをかざしてもは井戸の中は暗くてなにも見えない。
ベルナールは、袖のボタンをひきちぎり、井戸に投げ捨てた。
しかし、その後、小さな物音ひとつ立たなかった。
「ね?わかったでしょう?この井戸は底がないのよ。
もう良いでしょう?
帰りましょうよ、私、なんだかここは怖いわ…」
「そうかな…僕はここにいると…妙に欲情してしまう…
誰もいない地下の隠し部屋なんて、なんだかわくわくしないかい?
ねぇ、シャルロット…」
ベルナールは、シャルロットに口付けた。
いつもよりもずっと激しく…
「ベルナール…」
シャルロットの頬が染まり、瞳を潤ませながらベルナールにしなだれかかる。
「シャルロット、その前に葡萄酒を選んで来てくれないかな?
ここには良い葡萄酒がたくさんありそうだね…
僕が昨夜よりもっとワイルドになれそうな葡萄酒を選んで来ておくれ…」
そう言って、ベルナールは悪戯っぽい顔で目くばせをする。
「ベルナールったら…
待っててね、すぐに戻ってくるわ…」
シャルロットがベルナールに口付け、部屋を出ていくと、ベルナールはすぐに靴を脱いだ。
自分のいた時代が何年後のことなのかははっきりとはわからない…
だが、それを知る術もないのだ。
失敗すれば、困ったことになる。
いや、最悪の場合は時の奈落とやらに飛ばされて命を落とすことになるかもしれない…
しかし、それでもやるしかない…!
ベルナールの心は決まった。
今一度、井戸の中をのぞきこみ、ベルナールは井戸の縁に足をかけた。
(どうか、あの時代へ…
もう一度、ケイトとオルジェの息子に乗り移り、今度こそ奴らを酷い目にあわせてやる!!あの人間共に、そしてリュタン達と…アズラエルに…自ら死にたくなるほどの制裁を加えてやる!
どうか…どうか、あの時代へ…!!)
ベルナールは、噴き出しそうな熱い想いを胸に、真っ暗な井戸の中へ飛び込んだ。
0
あなたにおすすめの小説
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
「お前を愛することはない」と言われたお飾りの妻ですが、何か?
あんど もあ
ファンタジー
「お前を愛することはない!」「そんな事を言うために女性の寝室に押し入ったのですか? もう寝るつもりで化粧を落として髪をほどいて寝着に着替えてるのに! 最っ低!」
仕事大好き女が「お飾りの妻最高!」と恋愛感情無しで結婚したらこうなるよね、というお話。
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
魔王と呼ばれた勇者、或いは勇者と呼ばれた魔王 〜最強の魔剣で自由に生きる! 金も女も、国さえも思いのまま!! …でも何かが違うみたいです
ちありや
ファンタジー
クラスメートからのイジメが元で死んでしまった主人公は、その報われぬ魂を見かねた女神によって掬い上げられ異世界で転生する。
女神から授けられた不思議な剣を持つことで、彼はあらゆる敵に打ち勝ちあらゆる難問を解き明かし、あらゆる女性を虜にする力を手に入れる。
無敵の力を手に入れた男が次に望む物は果たして…?
不定期連載(7〜10日間隔で出していく予定)
織田信長 -尾州払暁-
藪から犬
歴史・時代
織田信長は、戦国の世における天下統一の先駆者として一般に強くイメージされますが、当然ながら、生まれついてそうであるわけはありません。
守護代・織田大和守家の家来(傍流)である弾正忠家の家督を継承してから、およそ14年間を尾張(現・愛知県西部)の平定に費やしています。そして、そのほとんどが一族間での骨肉の争いであり、一歩踏み外せば死に直結するような、四面楚歌の道のりでした。
織田信長という人間を考えるとき、この彼の青春時代というのは非常に色濃く映ります。
そこで、本作では、天文16年(1547年)~永禄3年(1560年)までの13年間の織田信長の足跡を小説としてじっくりとなぞってみようと思いたった次第です。
毎週の月曜日00:00に次話公開を目指しています。
スローペースの拙稿ではありますが、お付き合いいただければ嬉しいです。
(2022.04.04)
※信長公記を下地としていますが諸出来事の年次比定を含め随所に著者の創作および定説ではない解釈等がありますのでご承知置きください。
※アルファポリスの仕様上、「HOTランキング用ジャンル選択」欄を「男性向け」に設定していますが、区別する意図はとくにありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる