深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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ゲームの始まり

37

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「ベルナール!!」

「ルーク!!どこへ行っていたのだ。
心配したぞ…
……オルジェスはどうした?一緒じゃなかったのか?」

「それが……」 

「どうかしたのか?」

ルークはこれまでのいきさつをベルナールに話し始めた。



「そういうわけで、やっとランディを振りきってここまで逃げて来たんだ。
ごめんよ、ベルナール…」

「奴にここを嗅ぎつけられてはいないだろうな?」

「それは大丈夫だ。」

「そうか…しかし、こうなったら少し計画を…
……オルジェス!!」

そこに現れたのは、いつもとは少し様子の違うオルジェスだった…



「オルジェス、どうした?
どこか怪我をしたのか?」

オルジェスの上着に着いた血を見て、ベルナールが歩み寄る。



「……違う…そうじゃない…
トレルを…トレルを殺った…」

そう言うと、オルジェスはその場に膝を着いた。



「オルジェス…ほ、本当に殺ったのか?!」

ルークの問いに、オルジェスは黙って頷いた。



「……仕留めたのか?」

「あぁ…ちょうどイアンが戻って来たんで確認はしてないが…
短刀の刃は、しっかりと突き刺した…
あの状況では、生きていられる道理はない…」

「そうか…よくやった…
本当によくやったな。
私の仇を討ってくれてありがとう…」

ベルナールは、オルジェスの身体を抱き締める…
オルジェスは、何も言わず、身体を動かすこともなく、まるで魂が抜けたように固まったままだった。



「どうした、オルジェス…
後悔してるのか?」

「……ベルナール…俺、わからないんだ…」

「何がわからないというのだ?」

「あいつは…トレルは言ったんだ。
イアンが戻って来た時に、俺に早く逃げろって…
……ベルナール、なぜだ?
なぜ、トレルは俺を逃がそうとした?」

「ほぅ…トレルがそんなことを…な…」

ベルナールは、オルジェスから身体を離し、ゆっくりと立ち上がる…



「……奴はプライドが高い男だからな。」

「……え?」

「きっと、奴は自分の最期をおまえに見られたくなかったのだろう。
刺された苦しみに悶え、死んでいく自分を見られたくなかったのだと思う…」

「……そう…なのか?」

「……なんだ、オルジェス…
まさか、奴がおまえをかばってくれたとでも思ったのか?」

「……そういうわけじゃない!」

「甘いな、おまえは…」

ベルナールはオルジェスに冷ややかな視線を向けた。 
 
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