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さらなる復讐

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「シャール、良いな。
 絶対に早まった真似だけはするな。
 私もオルジェスも強力はするが、犬死はしたくないからな。」

 「……オルジェスも手伝ってくれるのかい!?」

 「当たり前だ。
 私達は何をするにもずっと一緒だった。
もちろん、それはこれからも変わらない…」

 「そうか…君達の絆はとても強いんだな。
それで、どうするつもりだ?
 何か策でもあるのか?」

 「……そうだな…奴はとにかく強い。
 私達が束になってかかってもなかなか倒せる相手ではない。
 出来れば武器が欲しい所なのだが…」

ベルナールはそう言って、何かを考えるようにじっと目を閉じた。



 「ベルナール、それは無理だ。
エドガーは、寝室には何一つ持ちこませない。
それは君もわかっているだろう?」

 「……あぁ、もちろんわかっている。
 奴はとても用心深いからな。
だが……私達には無理でも……使用人になら出来る…」

 「……どういうことだ?」

 「……たとえば、使用人の誰かが掃除に入った隙に、どこかわかりにくい所に武器を隠しておいたら…
 ……いや、無理な話だな。
そんなこと、出来る筈がない。」

ベルナールは、諦め顔で大袈裟に頭を振る。



 「いや…それなら、出来るかもしれない!」

 「リッキーに頼むつもりなのか?
やめておけ、危険だ!もしもエドガーにバレでもしたら…」

 「大丈夫だ…僕に考えがある。」



 *



ベルナールは、オルジェスには詳しい話はせず、ただシャールも仲間に加わったことだけを伝えた。

そして、それから数日後、ベルナールの企みはついに決行された。
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