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さらなる復讐
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「なるほどな…
でも、シャールがどうやってエドガーを殺ったことにしたんだ?
あのシャールが一人でエドガーを殺るなんて、力の差がありすぎて不自然に思われるんじゃないか?」
その問いにベルナールは口許を押さえ、おかしそうに笑う。
「そのことなら心配はいらない。
エドガーは、私と交わっている時にシャールに薬を飲まされたということにしておいた。
いくら用心深いエドガーでも、さすがにアノ時は気が緩んでいる…
そんな時になら薬を飲まされても仕方がないと、誰しも考えるだろう?
その証拠に使用人達は、誰も私の話を疑わなかった。」
「……そんなことを…!
あんたは本当に頭が回るんだな。
時々、俺、あんたのことが怖くなって来るよ…」
ベルナールは、何も言わずオルジェスの瞳をじっとみつめ、そして彼に背を向けた。
「……オルジェス…
私とて、最初からこんな風ではなかったのだ。
……なりたくてこんな風になったのではない…
血をわけた弟からも信頼されない程情けない者になど、なりたいはずがなかろう…」
「ベルナール…お、俺、別に信頼してないなんて…」
「良いんだ…
私は嘘ばかり吐いて来た。
仲間を欺き、裏切り、陥れ…
こんな私がおまえに信頼される道理がない。
だから、信じてくれなくても良い。
………だが、こんな私の中にも真実はあるんだ…」
そう言うと、ベルナールは扉に向かって歩き始めた。
「ベルナール…どこへ行くんだ…!?」
「……すまないが、少し、一人にしてくれ……」
ベルナールは、そのまま部屋を出て行った。
「ベルナール……」
オルジェスは困惑したまま、その姿を見送った。
でも、シャールがどうやってエドガーを殺ったことにしたんだ?
あのシャールが一人でエドガーを殺るなんて、力の差がありすぎて不自然に思われるんじゃないか?」
その問いにベルナールは口許を押さえ、おかしそうに笑う。
「そのことなら心配はいらない。
エドガーは、私と交わっている時にシャールに薬を飲まされたということにしておいた。
いくら用心深いエドガーでも、さすがにアノ時は気が緩んでいる…
そんな時になら薬を飲まされても仕方がないと、誰しも考えるだろう?
その証拠に使用人達は、誰も私の話を疑わなかった。」
「……そんなことを…!
あんたは本当に頭が回るんだな。
時々、俺、あんたのことが怖くなって来るよ…」
ベルナールは、何も言わずオルジェスの瞳をじっとみつめ、そして彼に背を向けた。
「……オルジェス…
私とて、最初からこんな風ではなかったのだ。
……なりたくてこんな風になったのではない…
血をわけた弟からも信頼されない程情けない者になど、なりたいはずがなかろう…」
「ベルナール…お、俺、別に信頼してないなんて…」
「良いんだ…
私は嘘ばかり吐いて来た。
仲間を欺き、裏切り、陥れ…
こんな私がおまえに信頼される道理がない。
だから、信じてくれなくても良い。
………だが、こんな私の中にも真実はあるんだ…」
そう言うと、ベルナールは扉に向かって歩き始めた。
「ベルナール…どこへ行くんだ…!?」
「……すまないが、少し、一人にしてくれ……」
ベルナールは、そのまま部屋を出て行った。
「ベルナール……」
オルジェスは困惑したまま、その姿を見送った。
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