193 / 355
復讐の連鎖
5
しおりを挟む
*
「……どうやらたいした被害は与えられなかったようだな…」
「ベルナール、どうしてそんなことがわかるんだ?」
ラグラの森の中で、ベルナールは失笑する。
「リュタンの村はな…ほら、あそこに湖があるだろう?
あのあたりから見えない道で村に続いている。
万一、村に大きな被害が出れば、リュタン達はこの森の…そうだな、おそらくはあのあたりに避難してくるはずだ。
しかし、ここには誰もいない…
リュタンの気配すらない。
すなわち、それほどたいした被害は出なかったということだ。」
「で、でも、ベルナール…
ルークが火をつけたのはもうずいぶん前のことだし、避難してたけどもう戻ったってことだって考えられるんじゃないか?
それか、村中燃え尽きて誰も逃げられなかったとか…」
ベルナールは心配そうな顔をして、必死になってルークをかばおうとするオルジェスに微笑みかけた。
「オルジェス…私は最初からそれほど大きな成果は期待していない。
そもそも、ルークはあんな少しの油しか持って行っ
てないんだ。
村が全焼するようなことはあり得ん。
それに、焼き尽すなら悪魔の炎でなくてはな…」
「悪魔の炎……?」
「……とにかく、オルジェス。
今回はルークにどれほどの度胸があるかを確かめるためのものだったのだ。
成果はともかく、奴が実行したことは間違いない。
それで十分だ。
……さぁ、オルジェス…帰るとするか。
私は先に帰る。
おまえはゆっくりと帰っておいで。」
悪戯な微笑を浮かべ、ベルナールの姿は一瞬にして消えた。
「あ!ベルナール!待って!
あ……あぁ……
畜生~~!
俺、方角もまだ定まらないのに…あぁ、なんてこった!」
舌打ちを一つ遺し、オルジェスの姿もその場所から消えた。
「……どうやらたいした被害は与えられなかったようだな…」
「ベルナール、どうしてそんなことがわかるんだ?」
ラグラの森の中で、ベルナールは失笑する。
「リュタンの村はな…ほら、あそこに湖があるだろう?
あのあたりから見えない道で村に続いている。
万一、村に大きな被害が出れば、リュタン達はこの森の…そうだな、おそらくはあのあたりに避難してくるはずだ。
しかし、ここには誰もいない…
リュタンの気配すらない。
すなわち、それほどたいした被害は出なかったということだ。」
「で、でも、ベルナール…
ルークが火をつけたのはもうずいぶん前のことだし、避難してたけどもう戻ったってことだって考えられるんじゃないか?
それか、村中燃え尽きて誰も逃げられなかったとか…」
ベルナールは心配そうな顔をして、必死になってルークをかばおうとするオルジェスに微笑みかけた。
「オルジェス…私は最初からそれほど大きな成果は期待していない。
そもそも、ルークはあんな少しの油しか持って行っ
てないんだ。
村が全焼するようなことはあり得ん。
それに、焼き尽すなら悪魔の炎でなくてはな…」
「悪魔の炎……?」
「……とにかく、オルジェス。
今回はルークにどれほどの度胸があるかを確かめるためのものだったのだ。
成果はともかく、奴が実行したことは間違いない。
それで十分だ。
……さぁ、オルジェス…帰るとするか。
私は先に帰る。
おまえはゆっくりと帰っておいで。」
悪戯な微笑を浮かべ、ベルナールの姿は一瞬にして消えた。
「あ!ベルナール!待って!
あ……あぁ……
畜生~~!
俺、方角もまだ定まらないのに…あぁ、なんてこった!」
舌打ちを一つ遺し、オルジェスの姿もその場所から消えた。
0
あなたにおすすめの小説
愛される日は来ないので
豆狸
恋愛
だけど体調を崩して寝込んだ途端、女主人の部屋から物置部屋へ移され、満足に食事ももらえずに死んでいったとき、私は悟ったのです。
──なにをどんなに頑張ろうと、私がラミレス様に愛される日は来ないのだと。
異世界スローライフ希望なのに、女神の過保護が止まらない
葉泪秋
ファンタジー
HOTランキング1位感謝です!(2/3)
「小説家になろう」日間ランキング最高11位!(ハイファンタジー)
ブラック企業で過労死した俺、佐久間遼。
神様に願ったのは、ただ「異世界で、畑でも耕しながらのんびり暮らしたい」ということだけ。
そうして手に入れた、辺境の村での穏やかな日々。現状に満足し、今度こそは平穏なスローライフを……と思っていたのだが、俺の妙なスキルと前世の社畜根性が、そうはさせない。
ふとした善意で枯れた井戸を直したことから、堅物の騎士団長やら、過保護な女神やらに目をつけられることになる。
早く穏やかに暮らしたい。
俺は今日も、規格外に育った野菜を手に、皆の姿を眺めている。
【毎日18:00更新】
※表紙画像はAIを使用しています
いつまでもドアマットと思うなよ
あんど もあ
ファンタジー
二年前に母を亡くしたミレーネは、後妻と妹が家にやって来てからすっかり使用人以下の扱いをされている。王宮で舞踏会が開催されるが、用意されたのは妹のドレスだけ。そんなミレーネに手を差し伸べる人が……。
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
氷河期世代のおじさん異世界に降り立つ!
本条蒼依
ファンタジー
氷河期世代の大野将臣(おおのまさおみ)は昭和から令和の時代を細々と生きていた。しかし、工場でいつも一人残業を頑張っていたがとうとう過労死でこの世を去る。
死んだ大野将臣は、真っ白な空間を彷徨い神様と会い、その神様の世界に誘われ色々なチート能力を貰い異世界に降り立つ。
大野将臣は異世界シンアースで将臣の将の字を取りショウと名乗る。そして、その能力の錬金術を使い今度の人生は組織や権力者の言いなりにならず、ある時は権力者に立ち向かい、又ある時は闇ギルド五竜(ウーロン)に立ち向かい、そして、神様が護衛としてつけてくれたホムンクルスを最強の戦士に成長させ、昭和の堅物オジサンが自分の人生を楽しむ物語。
ギルドの受付嬢はうごかない ~定時に帰りたいので、一歩も動かず事件を解きます~
ぱすた屋さん
ファンタジー
ギルドの受付嬢アイラは、冒険者たちから「鉄の女」と呼ばれ、畏怖されている。
絶世の美貌を持ちながら、常に無表情。そして何より、彼女は窓口から一歩も動かない。
彼女の前世は、某大手企業のコールセンター勤務。
営業成績トップを走り抜け、最後には「地獄のクレーム処理専門部署」で数多の暴言を鎮めてきた、対話術の怪物。
「次の方、どうぞ。……ご相談ですか?(クローズド・クエスチョン)」
転生した彼女に備わったのは、声の「真偽」が色で見える地味な能力。
だが、彼女の真の武器は能力ではなく、前世で培った「声のトーン操作」と「心理誘導」だった。
ある日、窓口に現れたのは「相棒が死んだ」と弔慰金をせしめようとする嘘つきな冒険者。
周囲が同情し、ギルドマスターさえ騙されかける中、アイラは座ったまま、静かにペンを走らせる。
「……五秒だけ、沈黙を差し上げます。その間に、嘘を塗り直すおつもりですか?」
戦略的沈黙、オウム返し、そして逃げ場を塞ぐイエス・セット。
現代のコールセンター術を叩きつけられた犯人は、自らその罪を吐き散らし、崩れ落ちる。
「あー、疲れた。一五分も残業しちゃった。……マスター、残業代三倍でお願いしますね」
これは、一歩も動きたくない受付嬢が、口先だけで悪を断罪し、定時退勤を目指す物語。
【商業企画進行中・取り下げ予定】さようなら、私の初恋。
ごろごろみかん。
ファンタジー
結婚式の夜、私はあなたに殺された。
彼に嫌悪されているのは知っていたけど、でも、殺されるほどだとは思っていなかった。
「誰も、お前なんか必要としていない」
最期の時に言われた言葉。彼に嫌われていても、彼にほかに愛するひとがいても、私は彼の婚約者であることをやめなかった。やめられなかった。私には責務があるから。
だけどそれも、意味のないことだったのだ。
彼に殺されて、気がつけば彼と結婚する半年前に戻っていた。
なぜ時が戻ったのかは分からない。
それでも、ひとつだけ確かなことがある。
あなたは私をいらないと言ったけど──私も、私の人生にあなたはいらない。
私は、私の生きたいように生きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる