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復讐の連鎖
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「なんだか、ここに戻って来るのも久しぶりだな。」
「だから、おじさんはもう今度は村に残って下さいってば!」
「まだ言うのか!
残るならおまえの方だぞ!
おまえは次期・村長なのに、このままじゃラングにその座を奪われちまうぞ!」
「ボクは最初から村長なんてするつもりはありませんよ!
そんなことより、ボクはいろいろな研究を…」
「……おまえら…いつになったらわかるんだ!?
喧嘩ばかりするなら、もう二人共連れて行かないぞ!」
アズラエルの低く迫力のある声に、二人の喧嘩はぴたりと止まる。
トレルの家を出てから、リュタンとアズラエルは、なおもルーク達の足取りを探しながら、ここまで旅を続けた。
しかし、どの町でもルーク達の情報は何一つ聞かれることはなかった。
「今回もまったく何の手掛かりもみつからなかったな…こんなことなら、瞬間移動すりゃあ良かったのに。」
「そうじゃないですよ、おじさん、
細かく調べて行くことによって、調べた地域には二人が立ち寄ってはいないという
確証が得られたんです。」
「はいはい、そうですか。」
リンクは、そう言ってぷいと顔を背ける。
「いやなニュースを聞かされるよりは、何もない方が良いじゃないか。
さぁ、リンク、魔方陣を頼むよ。」
身をかがめたアズラエルの肩から、リンクが…そしてアルグがひょいと飛び降りた。
二人は、反対方向から慣れた手付きで魔方陣を描き始め、複雑な魔方陣をあっという間に描き終えた。
やがて、その真ん中でリンクが大きな声で叫ぶ。
「隠されたリュタンへ続く道の鍵、確かにここに書き記す。扉を開き、ボクらを迎え入れろ!」
何度も見なれた光景だが、アズラエルはまたいつもと同じように微笑んだ。
小さなリュタンが精一杯の大きな声で呪文を叫ぶその光景が、アズラエルにはとても愛しいものに映るのだった。
「なんだよ、アズラエル、にやにやして…」
「なんでもない。
さぁ、行こう!」
アズラエルは二人を胸に抱き抱え、見えない道を歩きながら、リュタンの村に向かった。
「なんだか、ここに戻って来るのも久しぶりだな。」
「だから、おじさんはもう今度は村に残って下さいってば!」
「まだ言うのか!
残るならおまえの方だぞ!
おまえは次期・村長なのに、このままじゃラングにその座を奪われちまうぞ!」
「ボクは最初から村長なんてするつもりはありませんよ!
そんなことより、ボクはいろいろな研究を…」
「……おまえら…いつになったらわかるんだ!?
喧嘩ばかりするなら、もう二人共連れて行かないぞ!」
アズラエルの低く迫力のある声に、二人の喧嘩はぴたりと止まる。
トレルの家を出てから、リュタンとアズラエルは、なおもルーク達の足取りを探しながら、ここまで旅を続けた。
しかし、どの町でもルーク達の情報は何一つ聞かれることはなかった。
「今回もまったく何の手掛かりもみつからなかったな…こんなことなら、瞬間移動すりゃあ良かったのに。」
「そうじゃないですよ、おじさん、
細かく調べて行くことによって、調べた地域には二人が立ち寄ってはいないという
確証が得られたんです。」
「はいはい、そうですか。」
リンクは、そう言ってぷいと顔を背ける。
「いやなニュースを聞かされるよりは、何もない方が良いじゃないか。
さぁ、リンク、魔方陣を頼むよ。」
身をかがめたアズラエルの肩から、リンクが…そしてアルグがひょいと飛び降りた。
二人は、反対方向から慣れた手付きで魔方陣を描き始め、複雑な魔方陣をあっという間に描き終えた。
やがて、その真ん中でリンクが大きな声で叫ぶ。
「隠されたリュタンへ続く道の鍵、確かにここに書き記す。扉を開き、ボクらを迎え入れろ!」
何度も見なれた光景だが、アズラエルはまたいつもと同じように微笑んだ。
小さなリュタンが精一杯の大きな声で呪文を叫ぶその光景が、アズラエルにはとても愛しいものに映るのだった。
「なんだよ、アズラエル、にやにやして…」
「なんでもない。
さぁ、行こう!」
アズラエルは二人を胸に抱き抱え、見えない道を歩きながら、リュタンの村に向かった。
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