深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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復讐の連鎖

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「しっかし、なにもない所だなぁ…」

あたりを見渡しながら、ランディが呆れたように呟いた。
ランディの目の前に広がるのは、空き地とも草原ともわからないやたらと拓けた土地だけだった。



 「あんたには言われたくないね!
ここは町のはずれだからまだなにもないんだよ。
もう少し行けば、雑貨屋もあるんだ。
……それにしても、何十年も経ってるっていうのに、あの頃とまるで変わらないな…」

トレルは懐かしそうに目を細め、あたりを眺める。
 空が赤く染まりかけたユフィルの町には、行き交う人々の姿もなかった。



 「ほら、あそこがオルジェの家だ。」

トレルが、少し先に佇む小さな家を指差した。



 「……あそこにはもう誰もいないんだな……」

 聞こえるか聞こえないかの小さな声で、トレルがぽつりと呟いた。



 「あんたの家はどこなんだ?」

トレルの囁き声を聞いたランディは、トレルに気を遣い、何気なく話題をそらす。



 「俺は一応、牧師だから、教会の部屋に住んだり…あとは、ま
 ぁ……なんだな…」

 「えっ!!あんた、牧師だったのか!!」

 「……今頃、なに言ってんだよ。」

 目を見開き大袈裟に驚くランディに、トレルは小さな溜息を吐いた。



 「牧師がそんなに女遊びばっかりして良いのか?
それに酒は飲む、煙草は吸う…」

 「やることさえちゃんとやってりゃ良いんだって。」

 「……やることをちゃんとやってる……?」

ランディは、腕組みをしながらまじまじとトレルを見つめる。




 「あんたは俺の真面目な部分をまだ知らないだけだ。
ほら、そろそろ教会の…」

 曲がり角にさしかかり、そう言いながらある方向をみつめたトレルの表情が急変した。



 「どうかしたのか?」

 「おかしいな、ここからだと教会の屋根が見えるはずなのに…」

トレルは、そう言うと、突然駆け出した。



 「お、おい、待てよ!」

アズラエルとランディも、トレルの後を追って走り出した。


 
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