224 / 355
復讐の連鎖
37
しおりを挟む
*
「起きて、ねぇ、起きてよ…」
「うぅん……誰?」
小さな少女は、まぶたをこすりながら、瞳を瞬かせた。
「あ……小人さん。」
「やっぱり、ボクの姿が見えるんだね。
ねぇ、君、ローリーだよね?」
「うん、見えるよ。
でも、小人さんのことは内緒なの。
パパが誰にも言っちゃいけないって。」
「そうか…ねぇ、ローリー、ここじゃなんだから、ちょっと向こうへ行こうか。
君に大切なお話があるんだ。」
ローリーは差し出された小さな手を取り、音を立てないよう気遣いながら階段を上り、屋根裏部屋に着いた。
「ここなら、ゆっくりお話が出来るね。」
「う…うん…でも…」
小さな窓から月明かりは差しこんではいたが、暗い屋根裏部屋に怯えた様子を見せるローリーに気付き、ラングは魔法で小さな光の玉を飛ばした。
「わぁ、すごい!小人さんは、魔法が使えるのね!」
ふわふわと浮かぶ光の玉に、ローリーはうっとりとした表情で手を差し伸ばす。
「これで大丈夫だね?」
「あなたはこの前会った小人さんじゃないわね。」
「そうだよ。
ボクはラング。
この前会ったのはボクの家族だよ。」
「そうだったの。
一人で遊びに来たの?」
「そうじゃない…
実はね、ローリー…
君の兄さんのルーク…あのルークがものすごく悪い事をしたんだ…」
「お兄ちゃんが!?」
ラングは、ローリーの手を両手で包み込むように優しく握り締める。
「可哀想なローリー…ごめんね。
でも、君のお兄ちゃんは取り返しのないことをしてしまった…
お兄ちゃんはボクの屋敷に火をつけて、燃やしたんだ。
何人もの人に怪我をさせて、そして、ボクの奥さんとお義母さんともうすぐ生まれて来るはずだった赤ちゃんを殺したんだ…」
「お…お兄ちゃんが…殺した…?」
ローリーの手の震えが、ラングにもしっかりと伝わった。
「起きて、ねぇ、起きてよ…」
「うぅん……誰?」
小さな少女は、まぶたをこすりながら、瞳を瞬かせた。
「あ……小人さん。」
「やっぱり、ボクの姿が見えるんだね。
ねぇ、君、ローリーだよね?」
「うん、見えるよ。
でも、小人さんのことは内緒なの。
パパが誰にも言っちゃいけないって。」
「そうか…ねぇ、ローリー、ここじゃなんだから、ちょっと向こうへ行こうか。
君に大切なお話があるんだ。」
ローリーは差し出された小さな手を取り、音を立てないよう気遣いながら階段を上り、屋根裏部屋に着いた。
「ここなら、ゆっくりお話が出来るね。」
「う…うん…でも…」
小さな窓から月明かりは差しこんではいたが、暗い屋根裏部屋に怯えた様子を見せるローリーに気付き、ラングは魔法で小さな光の玉を飛ばした。
「わぁ、すごい!小人さんは、魔法が使えるのね!」
ふわふわと浮かぶ光の玉に、ローリーはうっとりとした表情で手を差し伸ばす。
「これで大丈夫だね?」
「あなたはこの前会った小人さんじゃないわね。」
「そうだよ。
ボクはラング。
この前会ったのはボクの家族だよ。」
「そうだったの。
一人で遊びに来たの?」
「そうじゃない…
実はね、ローリー…
君の兄さんのルーク…あのルークがものすごく悪い事をしたんだ…」
「お兄ちゃんが!?」
ラングは、ローリーの手を両手で包み込むように優しく握り締める。
「可哀想なローリー…ごめんね。
でも、君のお兄ちゃんは取り返しのないことをしてしまった…
お兄ちゃんはボクの屋敷に火をつけて、燃やしたんだ。
何人もの人に怪我をさせて、そして、ボクの奥さんとお義母さんともうすぐ生まれて来るはずだった赤ちゃんを殺したんだ…」
「お…お兄ちゃんが…殺した…?」
ローリーの手の震えが、ラングにもしっかりと伝わった。
0
あなたにおすすめの小説
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
巻き込まれ異世界召喚、なぜか俺だけ竜皇女の推しになった
ノラクラ
ファンタジー
俺、霧島悠斗は筋金入りの陰キャ高校生。
学校が終わったら即帰宅して、ゲームライフを満喫するのが至福の時間――のはずだった。
だがある日の帰り道、玄関前で学園トップスターたちの修羅場に遭遇してしまう。
暴君・赤城獅童、王子様系イケメン・天条院義孝、清楚系美少女・柊奏、その親友・羽里友莉。
よりによって学園の顔ぶれが勢ぞろいして大口論!?
……陰キャ代表の俺に混ざる理由なんて一ミリもない。見なかったことにしてゲームしに帰りたい!
そう願った矢先――空気が変わり、街に巨大な魔法陣が出現。
赤城たちは光に呑まれ、異世界へと召喚されてしまった。
「お~、異世界召喚ね。ラノベあるあるだな」
そう、他人事のように見送った俺だったが……。
直後、俺の足元にも魔法陣が浮かび上がる。
「ちょ、待て待て待て! 俺は陰キャだぞ!? 勇者じゃないんだぞ!?」
――かくして、ゲームライフを愛する陰キャ高校生の異世界行きが始まる。
いつまでもドアマットと思うなよ
あんど もあ
ファンタジー
二年前に母を亡くしたミレーネは、後妻と妹が家にやって来てからすっかり使用人以下の扱いをされている。王宮で舞踏会が開催されるが、用意されたのは妹のドレスだけ。そんなミレーネに手を差し伸べる人が……。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
魔王と呼ばれた勇者、或いは勇者と呼ばれた魔王 〜最強の魔剣で自由に生きる! 金も女も、国さえも思いのまま!! …でも何かが違うみたいです
ちありや
ファンタジー
クラスメートからのイジメが元で死んでしまった主人公は、その報われぬ魂を見かねた女神によって掬い上げられ異世界で転生する。
女神から授けられた不思議な剣を持つことで、彼はあらゆる敵に打ち勝ちあらゆる難問を解き明かし、あらゆる女性を虜にする力を手に入れる。
無敵の力を手に入れた男が次に望む物は果たして…?
不定期連載(7〜10日間隔で出していく予定)
『イージス艦長、インパール最前線へ。――牟田口廉也に転生した俺は、地獄の餓死作戦を「鉄壁の兵站要塞」に変える』
月神世一
SF
【あらすじ】
「補給がなければ、戦場に立つ資格すらない」
坂上真一(さかがみ しんいち)、50歳。
かつてイージス艦長として鉄壁の防空網を指揮し、現在は海上自衛隊で次世代艦の兵站システムを設計する男。
背中には若き日の過ちである「仁王」の刺青を隠し持ち、北辰一刀流の達人でもある彼は、ある日、勤務中に仮眠をとる。
目が覚めると、そこは湿気と熱気に満ちた1944年のビルマだった。
鏡に映っていたのは、小太りで口髭の男――歴史の教科書で見た、あの「牟田口廉也」。
しかも時期は、日本陸軍史上最悪の汚点とされる「インパール作戦」決行の直前。
部下たちは「必勝の精神論」を叫び、無謀な突撃を今か今かと待っている。
(……ふざけるな。俺に、部下を餓死させろと言うのか?)
現代の知識と、冷徹な計算、そして海自仕込みのロジスティクス能力。
すべてを駆使して、坂上(中身)は歴史への介入を開始する。
精神論を振りかざすふりをして上層部を欺き、現地改修で兵器を強化し、密かに撤退路を整備する。
これは、「史上最も無能な指揮官」の皮を被った「現代の有能な指揮官」が、確定した敗北の運命をねじ伏せ、数万の命を救うために戦う、逆転の戦記ドラマ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる