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決意

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 (トレル、どこにいるんだ……)

 畑の片隅に腰を降ろしたアズラエルは、深い溜め息を吐いた。



あれからすでにニ週間の時が流れていた。
オルジェスとルークを殺す…そんなことは、酔った勢いで飛び出た言葉だと思っていた。
 数日すれば高ぶった感情もおさまり、帰って来るだろうと考えていたアズラエルの思惑は見事にはずれ、トレルは一向に戻っては来なかった。
 十日を過ぎた頃には、アズラエルの不安もどんどんと大きく膨らんでいた。
すぐにでもトレルを探しに行きたいと思う気持ちはあるものの、彼の行き先については全くあてがない。
あと一日だけ待ってみよう…そんな気持ちを重ねつつ二週間が経ち、アズラエルもさすがにこの場所でトレルを待つ意味がないことを悟った。



 (また誰か情報屋を雇わねばならんな…
私はどこへ…)

ようやく決まった心を胸に、明日からの予定を画策するアズラエルの目に見慣れた人物の姿が映った。



 「なぜ……」

アズラエルは立ち上がり、その人物に向かって大きく手を振り声をかける。



 「ランディーーー!」

 声をかけられた人物は、すぐにアズラエルに気付き、同じように手を振り返す。
アズラエルはその場にくわを投げ出したまま、ランディの元に向かって走り出した。



 「アズラエル、久し振りだな!」

 「ランディ、どうした?
なにかあったのか?」

 「アズラエル!ボク達もいるぜ。」

ランディが返事をする前に、背中の袋からリンクとアルグがひょっこりと顔を出す。



 「おまえ達まで…
一体、どういうことだ!?
 何があった?」

 「ちょっと長い話になるんでな。
 家の中で話そう。
……トレルはいるのか?」

アズラエルはランディの問いにゆっくりと首を振る。



 「こちらも長い話になりそうだ。」

アズラエルは溜め息混じりにそう言うと、ランディの肩を軽く叩き、二人は家に向かって歩き出した。

 
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