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決意
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*
「なぁ、ベルナール、やっぱり変だ。
あいつがこんなに長く戻って来ないことなんて、今までなかったんだぜ。
……まさか、あいつに何か…」
オルジェスはそう言うと、不安げな視線をベルナールに向けた。
ベルナールが戻って来てからすでに二週間近くの時が流れていた。
しかし、ルークはいまだに戻って来ない。
馬車で出掛けたらしいという情報を最後に、ルークの行方は皆目わからなくなっていた。
「そうだな…いくら弟の死でまいっているとはいえ、少しばかり遅すぎる…
オルジェス、それで弟の墓には変わった様子はなかったんだな?」
「あぁ…見た所、誰かが訪ねた様子はなかった。
あいつのことだから、墓に行くとしたら、きっと花くらいは持って行くと思うんだ。
でもそういうものは何もなかった。」
「墓守りが片付けたのではないか?」
「そうかもしれないが、だとしたらもう何日も前に行ったってことになるよな。
じゃあ、なぜ帰って来ない?
それに、今のルークが行くとしたらあそこかしかないとは思うんだが、あの村にはあいつのことを知ってる者が多過ぎる。
あいつは俺達みたいな移動は出来ないから、行きたくても行けなかったのかもしれない。
でも……だとしたら…どこに行ったんだろう?」
ベルナールはそれには答えず、腕を組んで何事かを考える。
「……オルジェス…ランディの入院先はわかってるのか?」
「それはわかってるけど…まさか、あそこへは行ってないと…」
「……とにかく、行ってみよう……さぁ、オルジェス、頼んだぞ。」
オルジェスは戸惑いながらも小さく頷き、ベルナールの腕を取り、すぐさま姿を消した。
*
「ほ、本当か!」
「あぁ、本当さ。
何日前だったかなぁ。
日にちはっきり覚えちゃいないが、確かにそれらしき小僧をこの店で見たぜ。
昔馴染みの女に偶然会ったみたいで、女の方がえらく喜んでいた。
まだガキみたいなツラしてるくせに、なんだか偉そうな態度でよ。
おかしくて…それで覚えてるんだ。」
「ありがとう、助かったぜ。」
酒場でルークの情報を聞き込んだ二人は、さらに宿でもルークらしき男が女と泊まっていたことを知った。
「なぁ、ベルナール、やっぱり変だ。
あいつがこんなに長く戻って来ないことなんて、今までなかったんだぜ。
……まさか、あいつに何か…」
オルジェスはそう言うと、不安げな視線をベルナールに向けた。
ベルナールが戻って来てからすでに二週間近くの時が流れていた。
しかし、ルークはいまだに戻って来ない。
馬車で出掛けたらしいという情報を最後に、ルークの行方は皆目わからなくなっていた。
「そうだな…いくら弟の死でまいっているとはいえ、少しばかり遅すぎる…
オルジェス、それで弟の墓には変わった様子はなかったんだな?」
「あぁ…見た所、誰かが訪ねた様子はなかった。
あいつのことだから、墓に行くとしたら、きっと花くらいは持って行くと思うんだ。
でもそういうものは何もなかった。」
「墓守りが片付けたのではないか?」
「そうかもしれないが、だとしたらもう何日も前に行ったってことになるよな。
じゃあ、なぜ帰って来ない?
それに、今のルークが行くとしたらあそこかしかないとは思うんだが、あの村にはあいつのことを知ってる者が多過ぎる。
あいつは俺達みたいな移動は出来ないから、行きたくても行けなかったのかもしれない。
でも……だとしたら…どこに行ったんだろう?」
ベルナールはそれには答えず、腕を組んで何事かを考える。
「……オルジェス…ランディの入院先はわかってるのか?」
「それはわかってるけど…まさか、あそこへは行ってないと…」
「……とにかく、行ってみよう……さぁ、オルジェス、頼んだぞ。」
オルジェスは戸惑いながらも小さく頷き、ベルナールの腕を取り、すぐさま姿を消した。
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「ほ、本当か!」
「あぁ、本当さ。
何日前だったかなぁ。
日にちはっきり覚えちゃいないが、確かにそれらしき小僧をこの店で見たぜ。
昔馴染みの女に偶然会ったみたいで、女の方がえらく喜んでいた。
まだガキみたいなツラしてるくせに、なんだか偉そうな態度でよ。
おかしくて…それで覚えてるんだ。」
「ありがとう、助かったぜ。」
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