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決意
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*
「オルジェス……」
空き地の傍に着くなり、ベルナールが顎先でその一角を指し示す。
「あ…!」
そこにいたのは、木陰で横になるルークと女性の姿だった。
オルジェスは、すぐさま二人に向かって走り出した。
「ルーク!」
オルジェスがその声をかけるよりわずかに早く、人の気配を察したのか女性がオルジェスの方を振り向いた。
「サ、サマンサ!」
「オルジェス!」
サマンサは、オルジェスを見て驚き以上の反応を示した。
その顔からは血の気が失せ、身を固くして顔を背ける。
「オルジェスじゃないか…どうしてこんな所に?」
ルークは熟睡していたのか、何度も瞼をこすり、髪の毛をかきあげた。
「どうしてじゃないよ。
おまえが急にいなくなったから、心配して探しに来たんだ。
それより、おまえこそどうしたんだ?
なんで、サマンサと一緒にいるんだ?」
「……それにはちょっと事情があってね。
でも、助かったよ。
オルジェス、早く僕を連れて帰っておくれよ。」
「ルーク…」
不意にかけられた声に、ルークは振り向いた。
「ベルナール!……君も来てくれたの!?」
ルークは驚いたような顔でベルナールをみつめ、そして何かを思い出したように急に俯いた。
「ルーク、おまえをみつけだしたのもベルナールなんだぜ。
俺だけだったら、とてもみつけきらなかったな…」
「そうだったの…
……ベルナール…あの…僕……」
「オルジェス、とりあえず宿へ戻ろう。
おまえはルークを運べ。
私は……」
躊躇いがちに話すルークを気にも止めず、ベルナールはオルジェスに指示を出し、その視線がゆっくりとサマンサを捉えた。
サマンサはベルナールを見上げたまま、身動き一つしなかった。
「ベルナール、そいつは良いんだ。
ここに置いて行く。」
「い、いやよ!
私、ルークについていく!」
サマンサはそう言って、ルークの腕にしがみつく。
「オルジェス……」
空き地の傍に着くなり、ベルナールが顎先でその一角を指し示す。
「あ…!」
そこにいたのは、木陰で横になるルークと女性の姿だった。
オルジェスは、すぐさま二人に向かって走り出した。
「ルーク!」
オルジェスがその声をかけるよりわずかに早く、人の気配を察したのか女性がオルジェスの方を振り向いた。
「サ、サマンサ!」
「オルジェス!」
サマンサは、オルジェスを見て驚き以上の反応を示した。
その顔からは血の気が失せ、身を固くして顔を背ける。
「オルジェスじゃないか…どうしてこんな所に?」
ルークは熟睡していたのか、何度も瞼をこすり、髪の毛をかきあげた。
「どうしてじゃないよ。
おまえが急にいなくなったから、心配して探しに来たんだ。
それより、おまえこそどうしたんだ?
なんで、サマンサと一緒にいるんだ?」
「……それにはちょっと事情があってね。
でも、助かったよ。
オルジェス、早く僕を連れて帰っておくれよ。」
「ルーク…」
不意にかけられた声に、ルークは振り向いた。
「ベルナール!……君も来てくれたの!?」
ルークは驚いたような顔でベルナールをみつめ、そして何かを思い出したように急に俯いた。
「ルーク、おまえをみつけだしたのもベルナールなんだぜ。
俺だけだったら、とてもみつけきらなかったな…」
「そうだったの…
……ベルナール…あの…僕……」
「オルジェス、とりあえず宿へ戻ろう。
おまえはルークを運べ。
私は……」
躊躇いがちに話すルークを気にも止めず、ベルナールはオルジェスに指示を出し、その視線がゆっくりとサマンサを捉えた。
サマンサはベルナールを見上げたまま、身動き一つしなかった。
「ベルナール、そいつは良いんだ。
ここに置いて行く。」
「い、いやよ!
私、ルークについていく!」
サマンサはそう言って、ルークの腕にしがみつく。
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