深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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決意

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「離せよ!」

ルークがサマンサの身体を乱暴に突き飛ばす様子を目の当たりにし、オルジェスは驚いたような顔をして、やがて、サマンサに片手を差し伸べた。



 「……サマンサ、大丈夫か?
ルーク、そんな酷いことするなよ!」

サマンサはその手にはすがらず、自分で起きあがると、心配するオルジェスを拒絶するように、顔を背けた。



 「……オルジェス、その子は?」

 「……あぁ、サマンサっていってルークの妹なんだ。」

 「ルークの?……そうだったのか。」

ベルナールは記憶の糸を手繰り寄せた。



 (なるほど…どこかで見たような顔だと思ったら、ルークの妹だったか。
 以前、ランディの屋敷かどこかで見かけていたのだな。
……面白いことになってきた……)



 「妹なんかじゃないよ。
そいつと僕は血は繋がってないからね。
なりゆきでここまで一緒に来たけど、そいつはここに置いて行く。」

 「……まぁ、そう言うな。
とにかく、宿に戻ってからゆっくり話をしよう。
では、オルジェス…ルークのことは頼んだぞ。」

 「あぁ、わかった。」

ルークの腕を掴み、その場から姿を消した二人に、サマンサは短い叫び声を上げた。



 「さぁ……」

 腰をかがめたベルナールの差し出す手に、サマンサは何度も首を振り、後ずさる。



 「心配することはない。
オルジェス達は、瞬間移動で消えただけだ。」

 「しゅ、瞬間移動って……それじゃあ、あなた、まさか…」

ベルナールはゆっくりと頷いた。



 「……そう、悪魔だ。
 私が怖いか?
 怖いなら、私は一人で戻る…
だが、君は、ルークと離れたくなかったんじゃなかったのか?」

その言葉に、サマンサは唇を噛み押し黙る。



 「……そうか、わかった。
それでは……」

 立ち上がったベルナールに、サマンサの焦った声が飛んだ。



 「ま、待って!
 連れてって!
 私をルークの所に連れて行って下さい。」

ベルナールは、サマンサに向かって微笑み、長い指をサマンサの手に重ねた。



 「それでは、行こうか…」

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