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王子
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「おぉ、ラビスか。
精が出るな!」
さっとその場に跪いた青年は、ルーカスの言葉も耳に入らないかのようにディオニシスをじっとみつめ、そのうちに感極まったのか、口許を押さえて俯いた。
「……君…どうかしたの!?」
「え……?」
ラビスと呼ばれた青年を心配して声をかけたディオニシスに、ラビスは戸惑ったような視線を向けた。
「……ラビス…
ディオニシス様は、頭に負った大怪我のせいで、まだ記憶が戻らんのだ。」
「……記憶が!?」
ラビスは、さらに驚きの増した表情で、ディオニシスをじっとみつめた。
「ディオニシス様、やはり思い出されませんか?
あなた様はこのラビスに目をかけておられた。
よく、薔薇園で親しげにお話になられていた…それに、嵐の日にあなた様をみつけたのもこのラビスなのですよ。」
「君が僕を……」
「おいたわしや、ディオニシス様…
……ですが、お命が助かっただけでも僕は嬉しいです。
記憶も必ず戻りますよ!
今はお身体のことだけを考え、どうか早くお元気になって下さい。」
ラビスの潤んだ瞳は、とても純粋で真っ直ぐなもので、ディオニシスは胸が熱くなるのを感じながらゆっくりと頷いた。
「あ、ディオニシス様、あなたが気にされていた新種の薔薇が、ようやくつぼみを付けたんですよ!
ご覧になられますか?」
「そうだね、見せてもらおうかな。」
「あの温室です。
ルーカス様、ディオニシス様を温室にお連れして来ます。」
「え…?
……そうか。では、ディオニシス様がお疲れにならないよう、薔薇を見たら部屋までお連れするのだぞ。」
「わかりました。」
ラビスは庭師とはいえ、以前からディオニシスと懇意にしていたことで信頼もあったのか、ルーカスはディオニシスをラビスに委ね、先に部屋へ戻った。
「ディオニシス様、大丈夫ですか?」
「うん、ゆっくり歩けば大丈夫だよ。」
「……ディオニシス様……どこか少し雰囲気が変わられましたね。」
ディオニシスの顔をのぞきこむようにして、ラビスがおずおずと呟いた。
「……変わった?どんな風に?」
「いえ…失礼なことを申して申し訳ございません。
そんなことより…ディオニシス様、例のものは誰にも知られてはおりませんので、どうぞご安心下さい。」
ラビスはあたりを見渡し、声をひそめて囁いた。
精が出るな!」
さっとその場に跪いた青年は、ルーカスの言葉も耳に入らないかのようにディオニシスをじっとみつめ、そのうちに感極まったのか、口許を押さえて俯いた。
「……君…どうかしたの!?」
「え……?」
ラビスと呼ばれた青年を心配して声をかけたディオニシスに、ラビスは戸惑ったような視線を向けた。
「……ラビス…
ディオニシス様は、頭に負った大怪我のせいで、まだ記憶が戻らんのだ。」
「……記憶が!?」
ラビスは、さらに驚きの増した表情で、ディオニシスをじっとみつめた。
「ディオニシス様、やはり思い出されませんか?
あなた様はこのラビスに目をかけておられた。
よく、薔薇園で親しげにお話になられていた…それに、嵐の日にあなた様をみつけたのもこのラビスなのですよ。」
「君が僕を……」
「おいたわしや、ディオニシス様…
……ですが、お命が助かっただけでも僕は嬉しいです。
記憶も必ず戻りますよ!
今はお身体のことだけを考え、どうか早くお元気になって下さい。」
ラビスの潤んだ瞳は、とても純粋で真っ直ぐなもので、ディオニシスは胸が熱くなるのを感じながらゆっくりと頷いた。
「あ、ディオニシス様、あなたが気にされていた新種の薔薇が、ようやくつぼみを付けたんですよ!
ご覧になられますか?」
「そうだね、見せてもらおうかな。」
「あの温室です。
ルーカス様、ディオニシス様を温室にお連れして来ます。」
「え…?
……そうか。では、ディオニシス様がお疲れにならないよう、薔薇を見たら部屋までお連れするのだぞ。」
「わかりました。」
ラビスは庭師とはいえ、以前からディオニシスと懇意にしていたことで信頼もあったのか、ルーカスはディオニシスをラビスに委ね、先に部屋へ戻った。
「ディオニシス様、大丈夫ですか?」
「うん、ゆっくり歩けば大丈夫だよ。」
「……ディオニシス様……どこか少し雰囲気が変わられましたね。」
ディオニシスの顔をのぞきこむようにして、ラビスがおずおずと呟いた。
「……変わった?どんな風に?」
「いえ…失礼なことを申して申し訳ございません。
そんなことより…ディオニシス様、例のものは誰にも知られてはおりませんので、どうぞご安心下さい。」
ラビスはあたりを見渡し、声をひそめて囁いた。
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