78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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崩れる塔

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「やっぱり心当たりがあるんだね!」

 「アドニア、その者達の名はわからないのですか?」

 「残念ながら名前は聞いちゃ…あ…そういえば、金髪の男が銀髪の男に『ウォルト』って呼びかけてたよ。」

 「ダニエル…その名前に心当たりはありませんか?」

 「ウォルト……」



 (そうだ…確か、最近、どこかで聞いたことが…
どこだっただろう…
仮に金髪の男がマウリッツだとしたら彼に関係のある者か…)

 確かに聞き覚えはあるのに、ダニエルのはそれが誰なのかどうしても思い出せず、もやもやとした気持ちを抱えたまま、首を振った。



 「アドニアさん、他になにか手掛かりになるようなことはありませんか?」

 「そうだねぇ、それほど長く話したわけじゃないし、ダニエルがラーフィンにいるって言ったらとにかくすぐにでも出発したいような感じで店を飛び出して…
あぁ、そうだ。
 二人はなぜだかラーフィンのことを知らないみたいでね。
ラーフィンをラルフィンと聞き違えたみたいで、金髪の方の男が妙に驚いてて…」



 (ラルフィン…その名前に反応したのならやっぱり金髪の男はマウリッツだ。
ラルフィン……そうだ!!
ウォルトは、麓の村にいたあの男だ!)

ダニエルは、麓の町で出会ったラルフィン出身のトレジャーハンターのことをついに思い出した。



 「アドニアさん、銀色の髪の男は、背中のあたりまである長い髪を後ろで一つに束ねて…」

 「そう!その通りだよ。
 知ってるのかい?」

 「その二人が誰なのかわかりました!
 二人は味方です。
 僕を助けに来てくれたんだと思います!」

 不意に感じた安堵から、ダニエルの瞳にはこぼれ落ちそうな涙が浮かんだ。



 「そうだったのかい。
そりゃあ、大変なことをしてしまったね。
 奴らは、ラーフィンに向かって、馬車に乗りこんでしまったよ。」

 「そ、そんな……」

 「ダニエル…その人達が味方とはどういうことなんです?
 助けに来たとは?
……もう少し君の事情を話してはくれませんか?」

いつもとは少し違うスピロスの厳しい口調に、ダニエルは何も答えず俯いた。

 
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