78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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魔導士

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 「良いか。
これはセルギオス様からの極秘任務だから決して誰にも話すのではないぞ。
おまえは、今すぐに麓の村に戻り、何食わぬ顔をしているのだ。
そして、三十分したらまたここへ私を迎えに参れ。
 良いな!」

 「はっ!ネストル様!仰せの通りに…」

 魔導師は緊張した声でそう言うと、即座に姿を消した。



パノスの連れて来た魔導師・ジャーメインにより、ネストルはトラニキアの頂上に運ばれた。
ジャーメインもパノスも、王族であり隊長でもあるネストルの言葉を疑うことは少しもなかった。
ジャーメインが姿を消すと、ネストルはすぐさまロージックの魔導師との合図に使っていた狼煙を上げる。
 程なくして結界の向こう側にぼんやりと五人の人影が現れた。



 「私だ!ネストルだ!結界を開いてくれ。」

ネストルが声を張り上げてしばらく後、結界に少しずつ小さな裂け目が出来始め、そこから手紙が投げこまれた。
ネストルは、それを拾い上げ、ずっしりと重みのある金貨で膨らむ皮袋を投げ返した。



 (良かった…
しばらく顔を見せなかったことで、私が裏切ったと思い、無茶なことをしないかと恐れていたのだが…
大丈夫だったようだな。
 魔導師を増やし、結界を破るとはよく考えたものだが、まさか奴らソロンとミロスのことを知っているのか?
それにしても手紙とは一体…)

ほっと胸を撫で下ろしたネストルは、手紙を読み始めた。
 読み進むうちにネストルの表情が変わり、手紙を持つ手がぶるぶると震え始めた。



 (な…なんということだ…
ディオニシスが行方不明だとは…
あれほどのダメージを受けているのだ…まさか、生きていることはないと思うが、万一ということだってありうる。
なんとしても、ディオニシスの消息を突き止めねば…!)



 「奴の消息を探せ!
どんなことでも良い。
 奴が死んだという証拠をみつけるんだ!」



ネストルは吹きすさぶ風の音にかき消されぬように、声を張り上げ、指示を送った。
その指示を受け取ったのか、五人の人影はその場から掻き消えた。



 (畜生…!
もしも、ディオニシスが生きていたら……)



ネストルは唇が白くなる程きつく噛み締め、拳を固く握り締めた。
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