78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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折れた杖

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「あぁ…あれが紋章だったのか……」

 「ディオ…そんなことも忘れてるのか…!?」

マウリッツは、戸惑ったような顔でダニエルをみつめた。



 「う、うん…ごめん……」

 神妙な様子で謝るダニエルに、マウリッツは吹き出し、大きな口を開けて笑い始めた。



 「マウリッツ……?」

 「そんな深刻な顔すんなよ。
……そのうち、きっと思い出すさ、なっ。」

マウリッツは、ダニエルの肩を優しく叩き、穏やかに笑った。



 「マウリッツ…ありがとう……」

 照れくさそうに呟かれたダニエルの小さな声に、マウリッツはさらに微笑んだ。



 「それはそうと、ディオ……
ネストルは一体何をたくらんでると思う?」

 「え…?それは、僕を亡き者にして、リンガーを……」

 「それはわかってる。
でも…だったら、なぜ、こんな面倒なことをする?
 小鳥を探してる時に、誤って足を滑らしたって言って、おまえを崖から突き落とせばそれで良いんじゃないのか?」

 「えっ!?」

マウリッツの言葉に衝撃を受けながらも、ダニエルは懸命に平静を装った。



 「そ、そうだね。
どうして、わざわざロージックに送り込んだんだろうね…」

 「おまえは、あの時、トレジャーハンターによって、広場に運ばれることになってたんだよな?」

 「……そうらしいよ。」

 「広場に遺体を…あ…ごめん……」

 「う、ううん、大丈夫だよ。」

ダニエルは、落ち着かない素振りで無理に微笑んだ。



 「ねぇ…マウリッツ……僕を広場に置くように言ったのは、なぜだと思う?」

 「そりゃあ、きっと、お前の遺体を皆に見せるためだろうな。」

 「……僕がリンガーの王子だということは、すぐにわかるだろうか?」

 「すぐに……か、どうかはわからないけど、いずれかはわかると思う。
おまえの身なり、そして、付けてたあの腕輪を見る者が見れば、リンガーの王族であることは……」

マウリッツの言葉が、そこでぷっつりと途絶えた。



 「マウリッツ……どうかしたの?」

 「なぜ、ネストルはそんなことを…」

 「え?」

マウリッツは立ち止まり、ダニエルに真剣な視線をぶつけた。



 「……リンガーの王子が殺されているのが、なぜ、ロージックでなきゃいけなかったんだろう?」

 「え……さ、さぁ?」

 「なにかある…明らかになにかあるよな…?」

 「……そ、そうだね。」 
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