78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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折れた杖

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 「ディオ、まだ起きないのか?
すっごく良い天気だぜ!」

 「……え?」



ダニエルは、マウリッツの元気の良い声に、はっとしたように目を開いた。
 次のカードのことが気にかかり、ますます眼が冴えてしまったダニエルは、つい先程ようやく眠りに就いたばかりだった。



 「アレク達もまだ寝てるんだ。
あの酒瓶の数から考えれば、奴らはまだ当分は起きないな。」

 「……そう。」

まだはっきりしない頭と身体を、ダニエルは無理に起こした。



 「ディオ、ちょっとそのあたりを散歩しないか?」

 「う、うん、そうだね。」

ダニエルは急いで身支度を整え、マウリッツと共に家の外へ出た。



 (あ……)



 眩い日の光に、ダニエルは思わず目を伏せた。
 日差しはとても温かく、だが、優しく吹くそよ風がそれを緩和してくれる。



 「本当に良いところだなぁ…」

マウリッツはもうすっかり船酔いから回復しているようだった。
 明るい声と弾けるような笑顔がそのことを物語っていた。



まだ早朝というせいなのか、通りを歩く人の数もまばらだ。



 「ラルフィンよりものどかだな。
 人口も少なそうだ。
でも、意外とこの島の面積は広そうだな。
ここからは海が全然見えないもんな。」

 「あの山が邪魔してるんだよ。」

 「あ、そっか…」

マウリッツは、そんなことにも愉快そうに笑った。



 「ディオ、今日は体調はどうだ?」

 「うん、ずいぶん良くなったよ。」

 「そうか、良かったな。」

 他愛ない会話を続けながら、二人はゆっくりとあたりを散策する。



 「マウリッツ…アドニアさんは大丈夫かな?」

 「あぁ、大丈夫だ。
アドニアさんは頼まれてただ売りに行っただけってことになってるから、たいしたことにはならないさ。」

 「そう…なら良いけど…
それで…あの腕輪が僕のものだってバレるかな?」

 「そりゃあ、バレるだろう。
あの腕輪には王家の紋章が刻まれてるんだから…」

 「えっ!あの腕輪のどこにそんなものが!?」

 驚いて目を丸くするダニエルに、マウリッツの方も目を大きく見開いた。



 「まさか、気付いてなかったのか?
 腕輪の端の方に刻まれてただろ?
こういう紋章が……」

そう言いながら、マウリッツは宙に紋章の形をなぞった。 
 
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