78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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 (マウリッツ…眠ったみたいだな…)

 彼の規則正しい寝息に、ダニエルはふっと頬を緩めた。



アドニアの方はどうなっているだろうかと、ダニエルは想いを巡らせた。
 万一、彼女に何かあった時には誰かがラーフィンに知らせにくるようになっている。



 (心配なんてない。
 今の僕には、味方がいっぱいいるんだから…)


そう思い、ダニエルは目を瞑ったが、それでもなかなか寝付くことは出来なかった。
 居間の方からは、誰かの歌声が響いていた。
かといって、またそこに加わる程の気持ちの高揚はダニエルにはなかった。



しばらくそのままじっとしていたが、どうにも眠れず、ダニエルはそっと目を開き、身を起こした。
ベッドから起き上がり、ダニエルはゆっくりと窓の方へ進んで行く。



 (気持ち良いな……)



そよぐ風に髪をなびかせ、ダニエルはそっと目を閉じた。



 (あ…そうだ……!)



ダニエルは不意に心に浮かんだ考えのため、窓際の椅子に腰かけ、
 首から下げた紐をひっぱり、小さな箱を取り出した。



 (あ…なくなってる!
あの会食のカードが……!)



マウリッツ達が無事に救出されたあの時のカードはもうどこにもなかった。
ダニエルは、カードをテーブルの上に広げてシャッフルし、その中の一枚を選び出した。
 表に返した黒いカードに、もやもやとしたものが浮かび、少しずつその輪郭を整えて行く……



(これは……!)



そこに浮かび上がったものは、折れた杖を前にして、がっくりと膝を着く魔導師の姿だった。



 (どういうことだ!?
 魔導師の身に何事かが起きるってことなのか?
つまり、ウォルトかアレクに何かが……)



カードをみつめながら、ダニエルは不吉な予感に揺らぐ心を懸命に抑えつけた。
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