78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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折れた杖

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「危険なことなんてあるもんか。
 俺は子供の頃、何度かここに来たことがある。
だけど、何もなかった。」

 「何もないだと?
 何もない所に、こんな時間をかけて連れて来たっていうのか?」

 「危険なものがなにもないってことだ。
だけど、あんたらが驚くものがある。
……こっちだ。」

キーファはそう言うと、明確な足取りで森の奥へと進んで行った。



 *



 「これ…知ってるか?」

 「なんだ、これ…」

マウリッツは、群生する紫色の草に手を伸ばし、そのにおいを嗅いだ。



 「キーファ…まさかとは思うが、これは紫魔色草なのか?」

 「あぁ、そうだ!
ロダンの爺さんは少しも信じちゃいなかったが、良く見てみろよ。
これはどう見ても紫魔色草だろう?
ほら、見ろよ。
 葉っぱに白い筋が入ってるだろ?
 俺、昔、市場でこれを見たことがあるんだ。
 法外な値がついてたから、印象深くてな。」

 「確かに、そう見える。
 俺も魔草や薬草にはそれほど詳しいわけじゃないが、紫魔色草は確かこんな感じのものだ。」

アレクは紫魔色草に近付き手に取ると、葉の裏側までじっくりと観察する。



 「アレク!これはガネイ草じゃないか?」

 少し離れた所にいたウォルトが、薄い黄緑色の群生を指差した。



 「まさか!ガネイ草もトラニキアのごく限られた場所にしかないはずだぞ。」

アレクは呟きながら、ガネイ草らしき群生の前で、頭をひねる。



その後も、アレクとウォルトは、本来にはそこにあるはずのない魔草や薬草を次々と発見し、二人の困惑はその度に深いものへと変わって行った。 
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