78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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折れた杖

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「アレク!一体、どうしたんだ?」

 「それが…俺にもよくわからないんだ。
いつもみたいに、キーファの家を目指して飛んだ…なのに…」

 「私もだ…私も確かにキーファの家を目指したのに……」

 「おいおい、どうしたっていうんだ?
 二人揃って転移の失敗か?
 昨夜の酒がまだ残ってるっていうんじゃないだろうな?」

キーファはからかうような口ぶりでそう言って、アレク達をみつめた。


だが、それとは裏腹に、ダニエルの顔つきはかたく強張ったものに変わっていた。
 昨夜の記憶がダニエルの脳裏をかすめる。



 (まさか…あのカードはこのことを伝えていたのか!?
 魔導師の杖は魔力の象徴だ。
それが折れたということは……)



 「……ダニエル…どうかしたのか?」

 「え……ま、まさかとは思うけど……さっきの森には貴重な魔草や薬草がたくさん生えてたじゃない…ラーフィンの他の場所にはないものだし、普通じゃないよね?
それで…その、あそこにはなにか特別な力があって…
どういう仕組みかはわからないけど、魔導師の力が打ち消されるんじゃないかって…」

ダニエルの話に、その場は一瞬にして緊張した空気に包まれた。



 「アレク、ひとりでキーファの家まで飛んでみてくれ!」

 「え?あ、あぁ、わかった!」

アレクの姿はその場から掻き消えた。



 「お~い!」



 皆が、ほっとしたのも束の間、アレクは視認出来る程の所から声を張りあげ、手を振っていた。



 「まさか、本当に飛べないのか?
ひとりでも、あんなところまでしか…」

 男達は、その場に立ち尽くし、茫然とアレクの姿をみつめていた。
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