78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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折れた杖

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 「全くえらいことになったもんだ。」

 暗い声でそう呟くと、アレクは大きなため息を吐き出した。



 「なんだよ、あんたらしくないなぁ…」

 「俺のことを能天気みたいに言うなよ。
 考えてみろよ。
 俺は、今までずっとこの魔導師としての力を生業として来た。
それを失ったんだ…これからどうやって生きて行きゃあ良いんだ?」

 「なんだ、そんなことを心配してたのか?」

 「そんなことだって?あんただって同じようなもんだろ!?」

 「私はそんなこと、少しも心配していない。
これからは、のんびりと生きるのも良いなと思ってる。」

 「そうだよな…ウォルトには貢いでくれる女がいっぱいいるもんな。」

マウリッツの軽口に、アレクは小さく舌を打った。



キーファの家に戻った後、休むことなく、アレクとウォルトは近くに転移の実験に出かけた。
 転移がうまく出来なくなったのは、禁忌とされているあの森の影響ではないかと考え、そこからずっと離れたキーファの家の近くで飛んでみたのだが、やはり結果は同じようなものだった。
 転移だけではなく、術の効果も今までよりずっと弱くなっていることに、二人は大きな衝撃を受けた。



 「ところで、これからどうするんだ?」

 「……どうしよう?」

マウリッツの問いかけに、アレクは困ったように小首を傾げる。



 「アレク…すまないが、とりあえず、アドニアさんの店に戻って、今、あっちがどういう状況になってるか、確かめて来てくれ。
 戻っても大丈夫そうなら、戻った方が良さそうだな。」

 「戻ってどうするんだ?」

 「とりあえずは、ロダンさんに頼るしかないだろうな。」

 「そうだよなぁ…あの爺さん、長く生きてるだけにいろんなことに詳しそうだから。
……だけど、アドニアの所に戻って、またここに帰って来るなんて…一体、どのくらいかかるんだ!?」

アレクは、目を見開き、皆の顔を見渡した。



 「あ、アレクさん…どこかで魔導師をみつけて、その人に連れて行ってもらったらどうでしょう?
お金なら僕が出しますから。」

 「そうか、そうだな。
その手があったか…しかし、魔導師に連れて行ってもらわないといけないとは…全くなんてことだ…」

 気落ちした声で俯くアレクの肩を、ウォルトが優しく叩いた。
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